こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの4/10のMad Moneyはどうだったでしょうか。
わいの生涯で最も衝撃的だった出来事の一つは、ニクソンが突如として中国を訪問したことや。1972年、わいはあり得ないことがおこったと思ったんや。毛沢東を受け入れて、宿敵はもはや敵ではないと決めたんや。1979年には両国が知り合い同士になり、国交を正常化したんや。その翌年には10 億ドルの取引を行って、1985年には中華人民共和国からおよそ40 億ドルを輸入したんや。そして2001年、中国は世界貿易機関(WTO)に加盟して、わいらは彼らから1,000 億ドル超の商品を購入したんや。
それから23年後の現在、その額は約4,390 億ドルに達しとる。彼らがわいらから買う額がごくわずかであることを考えれば、これは常軌を逸した数字や。しかし、その時代は終わったんや。今年の最初の3か月半を除けば、大統領が取引をまとめない限り、輸入額はほとんどゼロになるやろう。今のところトランプは、取引をまとめることにそれほど熱心には見えないよな。中国側も同様に乗り気ではなさそうや。今日多くの人が悟ったのは、当分の間取引が成立しないかもしれないという現実だったんや。その結果、今日はダウは-2.50%、SP500は-3.46%、そしてナスダックは-4.31%と下落の日になってしまったんや。
昨日は素晴らしい決算が相次いだんやが、今日のこの売りは一部の分野を壊滅させて、中国問題が長引く可能性を思い知らされたんや。現在、わいらは中国製品に145%の関税を課しとる。率直に言って、これほど高い数字は関税というより禁輸に近くて、そんな上乗せを払う企業はほとんどないんや。トランプ大統領はそのことを理解しているようで、習近平主席に対してよりも、アメリカという国を丸ごと差し出したような歴代大統領に対しての方に怒りを覚えているようや。
わいもそういうトランプ大統領の心情に一定の理解はあるものの、でもわいらはその凄まじい関税の準備がまだできていないと思うんや。国家として恥ずべきことに、わいらは中国製の安価な輸入品に依存してしまっとるんや。昨年だけで、電気・電子機器を1270億ドル輸入したんや。スマホ、コンピューター、リチウムイオン電池、ビデオゲームなどや。さらに、コンピューター用ハードウェアや産業用機器などの機械類を850 億ドル、玩具・ゲーム・スポーツ用品を320 億ドル、衣料品を210 億ドル、家具を200 億ドル輸入したんや。
当然ながら、Walmart、Amazon、Target、Home Depot、Dollar Treeとかが大口の輸入業者やった。これらの輸入が途絶えたらどうなるか?良い結果にはならないことはわかるやろ。他の世界には十分な調達能力がなくて、こうした商品の穴を埋めることはできないんや。加えて、中国への売上依存度が高い企業もあるで。Las Vegas Sandsは63%、Qualcommは62%、Wynn Resortsは47%、Corningは33%、Intelは27%や。これらはいずれもGoldman Sachs調べやが、こういう会社は皆、窮地に立たされとる。
さらに、中国を主要な製造拠点としている企業も存在するで。Appleは70%、Hewlett Packard Enterpriseは40%、Dellは40%、HPは30%を中国で生産しとって、これは極めて憂慮すべき状況や。ちなみにこれらの数字はBank of Americaの調査によるものや。興味があれば、より詳細なデータが cnbc.com に掲載されとるで。要するに、好きであれ嫌いであれ、ちなみにわいは嫌いやが、わいらの経済は深く絡み合っているということや。トランプのやり方が正しいのかも分からん。アメリカの国民は確実に大きな打撃を受けるやろうからな。
わいらは生き延びることはできるやろうが、混乱は甚大で、強いインフレ圧力が生じるで。中国のほうが持久力に勝り、痛みに耐える力も高いのではないかとわいは懸念しとる。彼らは権威主義の独裁体制下で“戦闘態勢”にあるが、わいらはそうではないんや。代替調達先を確保できる製品もあるやろうが、クリスマスにはほとんどの店の棚が空になる光景を想像してみてほしいで。Dick's、Best Buy、Target、そして場合によってはWalmartやMacy'sでも同じ状況になるかもしれん。
中国製品を作ろうと意気込む国は他にもあるが、短期間で実現できると考えるのは現実的ではないんや。Appleのように中国に依存している企業は、生産拠点を移すのに非常に苦労し、莫大な損失を被ることになる。わいは長年「Appleは保有せよ、売買するな」と言うてきたやろ。Own it, don't trade itというやつや。でもホワイトハウスが合意をまとめるか、少なくともAppleに必要な免除を与えなければ、Appleは大きな大きな痛手を受けるやろう。市場はこれを織り込んでいるやろうか?答えはいいえ、やろう。
でも別の動きも起きとる。投資家は、中国へのエクスポージャーがほとんど、あるいは全くない企業に資金を振り向け始めとるんや。医薬品を除くヘルスケア分野がその例で、United Health GroupやHumanaが好調や。前者は約3%高、後者は約2%高やった。CencoraやMcKessonといった医薬品卸会社も堅調やで。Krogerは3%上昇。公益企業のConsolidated Edisonも好調で、通信のVerizonも申し分なしや。Coca‑ColaやWaste Managementも時代を超えた銘柄になっとる。
そして何と言ってもTJXが最高や。多くの小売業者はホリデーシーズンを乗り切るために大量の在庫を発注するが、結果的に過剰在庫となり、売れ残り商品をTJXに卸すことになるんや。わいがTJXの店舗に通っているという事実以外にも、TJXの株価が連日のように史上最高値を更新している理由があるんや。最後に、財務体質で勝ち残れる小売業者が3社あるで。Amazon、Walmart、Costcoや。2大ホームセンターを除けば、その他の小売業者は“禁輸による死”の苦しみの中にあるかもしれん。この3巨頭を相手にして生き残る術があるとは思えんで。
一方で、中国からの重要部材に依存している企業には隠れた問題が山積しとる。わいのファンドが以前もっとって損切りせざるを得なかった苦い思い出のStanley Black and Deckerの資料を見てみると、この会社の売上原価のうち10億ドルが中国由来やった。中国製品に10%の関税が課されれば、9,000万〜1億ドルの負担増になるんや。そして現実には、アメリカは中国製品に145%もの関税を課そうとしとるんや。Best Buyを見ればその影響は明らかやで。
そうなると、うわぁ、また厄介な局面や、なんてこった、となるのは当然や。いろいろな企業が部品を中国から調達せんとあかんのや。中国製の部品を必要とする、名前も聞いたことのないような企業が山ほどあるんやが、それらもいずれ影響を受けるやろう。自動車メーカー、トラックメーカー、機械メーカー、そして自動車用アフターパーツ企業はどうなるのか。逆に中国側は「果たしてアメリカ抜きでもやっていけるのか」を見極めてきとる。彼らはApple の代わりに韓国から Samsung 製品を仕入れることができる。アメリカで最良の企業は中国に賭けすぎたせいで敗者になってしまうのか?
こうなったのは、かつての指導者たちが「他国のほうが安く作れるのだから、製造はアウトソースしたほうがいい」と決めたからや。ここでわいの父の商売の話をしたい。父は Philadelphia で世界最高のギフトラップ会社の代理店をやっとった。最高級品を扱って、わいの家には50~60年前のロールが今も残っとるが、実に美しいんや。でも中国が安価で粗悪なギフトラップを持ち込み、そしてアメリカはその安さを好んだんや。父が取引していた製紙工場は一つ、また一つと倒産し、悲惨な業界になってしまった。
やがて父は鞍替えして中国側の製品を扱うようになったんや。彼らだけが市場を独占したからや。アメリカのメーカーはすべて廃業して、完全に淘汰されたんや。父は彼らのプラスチックバッグを売って、大変に厚遇されたんや。ビジネスは大成功し、わいの父は72歳で始めた中国との仕事を92歳まで続け、生涯現役やった。彼は死ぬ間際の月も充実しとった。まあだからわいは多額の相続税を払うことになったんやが。でも、アメリカの製紙工場にいた人々はどうなったのか、誰が気にかけたやろうか?そんなものは政治家の幹部にとっては取るに足らない犠牲だったんや。
今日わいらが目にしたのは、中国への露出がない企業とある企業との“選別”の始まりやと思う。不運にも中国依存の企業は多くの雇用を抱え、優良企業でもあるが、この新しい環境を生き抜くには十分優良でないかもしれず、それは大きな損失になってしまっとる。中国抜きでもやっていけるのか?本当に?もしそうであっても、アメリカははるかに物価が高くなり、失業が増え、中国以外の国への依存も強まるやろう。今やらなければ二度とできないというのは分かるが、これから大きな痛みが待ち受けとって、わいらが耐えられる以上かもしれん。だからわいらはポートフォリオを見直す必要があるんや。
結論やが、本当にこんな混乱をひきおこす価値が米中貿易戦争にあるんやろうか?その答えは、場合によるとしか言いようがないで。わいは、中国政府からより有利な貿易条件を引き出すために一時的な痛みを受け入れる価値はあると思う派や。でも4,390 億ドルの輸入をゼロに戻す、それほどの混乱の価値はないと思うんや。でも残念ながら、わいらはその方向に進んでいるのではないかと感じとるで。
どうなってしまうのでしょうか。
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