こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの5/20のMad Moneyはどうだったでしょうか。
毎日この場所、すなわち株式市場では、株式についての国民投票のようなものが行われているに等しいんや。そういう中で今日のような下落の日があったとしても、そこまで一日の結果に落ち込む必要はないで。というのも、明日の投票結果は今日とはまったく違うものになるかもしれないからや。そう、株式市場の投票所は決して閉まらないんや。たまにはベア押し寄せる日もあるで。今日はダウは-0.27%、SP500は-0.39%、そしてナスダックは-0.38%と下落の日になったよな。
なんでこんな下落の日や上昇の日があるんやろうか?なぜ経済的な材料がほとんどないのに株価が激しく上下するんやろうか?答えは簡単や。たいていの日では、株は他の株や株式市場全体の動きに反応して、その株式市場はさらにずっと大きな兄弟分である債券市場の揺れに反応する、という仕組みになっとるんや。債券市場は、まさに今日の株式市場の色合いを決めたで。債券価格が下がる、つまり債券金利が上がるたびに株価は敏感に反応してしまうんや。債券金利が上がると、日々の投票ではベアがほぼ必ず勝つんや。
今朝決算を発表したHome Depotの株を例にとってみようやないか。おなじみのホームセンターの会社やが、決算発表後、最初は株価が大きく上昇して、プレマーケットでは14ドル近く上がる場面もあったんや。わいのファンドもこの株を持っとって、だから注目しとったんやが、でも午前9時のカンファレンスコールの最中に上げ幅は一桁に縮小してしまった。カンファレンスコール自体はかなり前向きなものやったんやけどな。でも結局、議会が歳出削減策を見いだせないということもあって債券金利が上昇すると、HD株の株価は目に見えてしぼみ、結局終値は下落となってしまったんや。
まあ、この動きは筋は通っとるで。Home Depotにとっては住宅の売買が活発なときが最も業績が伸びるんや。金利上昇は回転率を抑えこんでしまって、ビジネスには逆風になってしまうんや。Home Depotに対する株式市場の国民投票は途中まで人気で好調やったんやが、債券市場のせいで否定的に転じてすなって、この日のリテール最重要銘柄として注目されていたこの株が苦戦したことが小売株全体を押し下げたんや。住宅関連の小売だけでなく、関係の薄い小売業まで巻き添えになったんや。巻き添え部分については、ETFで同じくくりに入っているとか、あるいはHome Depotが小売業界で持つ象徴的な地位ゆえにおこることや。
もっとも、あまり心配はいらんと思うで。明日はLowe’sが決算を発表して、また新たな人気投票が行われるやろう。影響力のある企業が多すぎるほどあるうえに、債券市場も常に動いとるから、こうした選挙はいつまでも続いていくんや。もし議会が大規模な減税を可決すれば、債券市場はわいらの逆風となって、それによる痛みを減税の恩恵が補い切れない恐れがある。あなたの財布にも、そして経済全体にも影響が出るかもしれん。必ずしもそうならなくていいはずなのに。
こういう状況の中でわいらはどう考えていったらええんや?わいの答えとしては、債券市場に翻弄されやすい株と、そうでもない株があることを理解するのが大事ということや。消費者心理に左右されやすい銘柄は、債券市場の支配を受けやすくて、金利が上がる局面では日々の国民投票がとりわけ荒れ模様になってしまうんや。代表的な投票者である大口の機関投資家たちは、金利上昇で景気が厳しくなると見込んで一ドルストア銘柄を好んどったりする。消費者の懐が苦しくなる局面でこうした銘柄は強いからな。
たとえば Dollar General の株価は、Home Depot が下落したにもかかわらず今日4%も上昇したんや。この株が上昇に値するかどうかは問題ではないんや。実際の業績は6月3日の決算発表までわからないわけやから。でもそれでもこういう大きな動きが出るということを言うとるんや。要するに「シナリオに合っている」だけのことで株は動くんや。銀行株も債券市場の動きに合わせて上下するで。金利が上がると経済活動が鈍り、銀行は取引をまとめるのに安定した環境を必要とするからや。つまり債券市場が主導権を握っとるんや。銀行株にはお買い得な水準も出始めとるが、でも金利がじりじり上がる局面では見極めが難しい状況や。
一方、債券市場と直接の結び付きがほとんどない銘柄やセクターもあるで。わいはこれを「強力な長期的テーマで動く株」と呼んどる。債券市場がどう動こうと抑え込めないほど力強い成長テーマを持つ株や。現在わいは債券市場に対して弱気やから、こうした長期的成長株に賭けたいと考えとる。わいのCNBC Investing Clubのメンバーの人はこのことをわかってくれるやろう。なぜなら最近わいのファンドで新規買いした銘柄が代表例やからや。
日々の国民投票に左右されない代表例を挙げようやないか。こうした銘柄は今の相場では簡単に見つからんのやが、見つけたら必死で握って離さないことをお薦めするで。議会が予算編成に苦慮する今のような時期には、番狂わせや反転、敗北を伴う不本意な日々が続くものやが、結局いずれも一時的なノイズにすぎん。良くも悪くもない「まずまず」の相場であっても、強い長期的テーマが後押しする株は力強く上昇し得るんや。今は多くの株が底値からかなり戻しているだけに、勝ち組を探すのは一段と難しくなっとる。その中でも教科書的な例として GE Vernovaを取り上げたいんや。
GE Vernovaは旧General Electric からスピンオフされた電力部門で、多くの投資家に人気があるで。今アメリカ国内ではデータセンターが急増しとって、それには莫大な電力が必要や。アメリカの最も豊富な電源は天然ガス火力で、世界でも随一のガス埋蔵量を誇るんや。GE Vernovaは最大70万ポンド級の天然ガス火力タービンを製造して電力を生み出しとる。これだけでも大きなテーマやが、今日はさらに追い風があったんや。Tennessee Valley Authority(TVA)が小型モジュール炉、SMRの建設許可を申請すると発表したんや。データセンター向けに電力を増やすためや。SMRを手掛けるのも GE Vernovaや。
さらに、New York沖の Empire Offshore Wind Project がトランプ政権によって再承認されたんや。このプロジェクトの高電圧送電システムを設計・建設するのも GE Vernovaなんや。これはGE Vernovaにとって素晴らしい、何年にもわたる巨大プロジェクトや。ああ、それと、もしあなたの国がアメリカに対して貿易黒字を持っているなら、その黒字を減らしてトランプ大統領の怒りをかわす、あるいは怒りを取り除く最善の方法は、昔からBoeingの飛行機を買うことやったんやが、今はGE Vernovaからタービンを買うという方法もあるで。ということで、GE Vernovaには1つ、2つ、3つではなく、4つの長期的な追い風、いわゆるセキュラートレンドがあるんや。これこそが今の株式投資に必要なものや。ズボンがずり落ちないようにするために、ベルトにサスペンダー、さらにサスペンダー、そしてまたベルト、というくらいの安心感や。
あるいは、わいのお気に入りのTeslaの株を見てほしいで。今日、わいの同僚David FaberがElon Muskにインタビューしたんや。彼は素晴らしい仕事をしたと思うんやが、Muskは、彼のマシンが間もなく自動運転で道路を走るようになるとわいらに思い出させてくれたで。100万台が、や。そして従来型ビジネスの数字も良くなってきとるんや。後者の従来型ビジネスの数字は検証できるものやが、前者の100万台のロボタクシーの件は少し自信過剰な発言に聞こえる。それでも、こうしたことがTeslaを債券市場の影響から逃れさせる可能性があるで。インタビューを経て、株価は微増で終わったんやが、それでもTesla株にとっては勝利と言えるやろう。今日はもっと穏やかな債券市場だったら、かなり上がっていたと思うで。逆に言うと、この債券市場は手ごわい相手ということなんやけどな。
結論としては、金利は下がるだけでなく上がることもあるということをわかっとかんとあかん。政府の予算合意の進展も注意深くみていかんとあかん。債券市場に影響するからな。もし債券金利が上昇に向かう兆しを見せていて、ここからもし落ち着かずに新たな高水準に跳ね上がると、議会が予算案に取り組んでいる間は、今日のような下落の日が続くやろう。つまり、どんな銘柄でも、このどうしようもない国債の重力から抜け出すには、たくさんのポジティブなテーマが必要になる、ということや。注目すべきは強い長期的テーマが後押しする株なんや。
債券金利が暴れないでほしいですね。
応援よろしくお願いします。