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【ジム・クレイマー】今の困難な状況、そしてこれからの危機を颯爽と生き抜くことができる、たった一つの株!【Mad Money】

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こんにちはマカベェです。

ジム・クレイマーの5/22のMad Moneyはどうだったでしょうか。

 

いわゆる “big bad bill”、別名 “one big beautiful bill” が下院を通過して上院へ送られたんや。トランプ大統領が推進する大型減税を柱とした税制・歳出法案は、215対214という僅差で可決したで。2025年末で期限切れとなる現行の減税措置の恒久化や、追加の減税、国防・国境管理の強化、連邦歳出削減などを包括した内容なんやが、もう勘弁してほしい、というのは正直なわいの感想や。もうここまでのMad Moneyでも言うてきたやろ。この法案が金利を押し上げてきたことは誰もが知っとる。この肥大化した脂まみれの法案で、財政赤字を削減できると本気で主張する人はおらん。

 

だからこそ、今日の市場がさほど動かなかったのも当然やろう。ダウは-0.003%、SP500は-0.04%、そしてナスダックは+0.28%だったんや。口先ばかりで最後は風船のようにしぼむ、もうこのところこういう状況ばっかしれ、そんなときには株式相場もこの程度の動きにとどまるものや。実際、この法案が最終的に可決されることはあまりにも明白だったから、債券市場さえ動揺せんかった。むしろ金利は常識外れにも下がったんや。でも、もし下院議員が、自分の選挙区がどれだけ得をするかではなく法案そのものを読んでいたなら、この中に成長を促す条項が数多く含まれていることには気づいたはずや。

 

議論になるのは SALT 控除や Medicaid 費用ばかりやが、この法案には企業に巨額投資を促し、家計が新生児のために貯蓄できるようにする仕組みも盛り込まれとる。これは下手したら超ド級の景気刺激策や。これでアメリカがバランスシートの不安を「成長」で乗り越えられるかもしれん、とまあそうやって無垢に思い込むのはおめでたすぎるし、そうならないかもしれんのは当然のことやが。ともあれ、この巨大で醜い出来事が片付いた今、わいは今の株式市場という戦場を見渡して、誰が塹壕を進み無人地帯を越えて敵陣まで到達したのかを確認したくなるで。

 

実際に眺めてみると、今のこういう状況の中で前進できた企業はほんのわずかなんや。実質的にわいのおめがねに適ったのはたった一社しかなかったで。誰もその武勇を語ろうとせんが、機関銃の銃弾や鋼鉄の弾幕、有刺鉄線をくぐり抜け、無傷どころかむしろ強くなって突破した企業がある。それがGE Vernovaや。そう、旧 General Electric 内で厄介者扱いされ、スピンオフして独立したあの GE Vernovaや。GE Power とでも呼べばもっと人々に浸透したと思うんやが、まだまだその名は実体の素晴らしさ以上に知れ渡っていないように思える。

 

とはいえ重要なのは、GE Vernovaが 無名戦士 として戦場を勝ち抜き、これからも進み続けるだろうということや。なぜここまでの戦争地帯を突破できたのか、そしてわいが今後も伸びると確信する理由は何なのか? それはGE Vernovaは太陽光発電を除くあらゆる主要な電力トレンドの中心にいるからや。幸運なことに、本日可決された巨大で醜い法案のせいでソーラー株は壊滅的打撃を受けたんやが、GE Vernovaには関係なかったんや。この銘柄が取り込んでいるトレンドを考えてみようやないか。

 

まずは第一のトレンドやが、わが国の電力網は疲弊し、老朽化し、硬直し、見るも無残な状態や。経済成長を忘れた時代に造られたインフラやから当然やろう。そこで GE Vernovaが立ち上がっとるわけや。彼らはタービンを製造しとる。タービンは天然ガスを燃やしてそれを電気に買えるんや。長らく電力需要の伸びがほとんどなかったから、電力会社は新しい設備を発注するインセンティブに乏しくて、このタービン事業は惨憺たる状況で、ほとんど保守サービスを細々と続けるだけに追い込まれとった。

 

ところがある日、 Nvidia の Jensen Huang が生み出した半導体が登場して、「知識を生み出すから電力をくれ、もっとくれ」と要求する “AI” マシンが現れた。シリコンバレー史上最多の電力を食うこのGenerative AI によって、データセンター=タービンという図式が成立したんや。電力を際限なく消費する Google、Amazon、Meta、CoreWeave などハイパースケーラーのデータセンターは、今や GE Vernovaの巨大エンジンで天然ガスを燃やして電力を得ている率が高くて、将来はGE Vernovaの技術を使った原子力プラントからも電力を買うかもしれん。

 

それなのに、なぜこれまでこのビジネスに注目が集まらなかったのか?それは簡単や。儲かっていなかったからや。GE の Power 部門は、CEO に就任した Larry Culp が会社全体の解体を決断した際に、切り離される運命にあったんや。わいは彼と何度も会談する中で、彼が「いつか必ずこの部門を独り立ちさせる」と言うのを聞いとったが、わい自身は「損切りすべきだ」と茶化していたものや。そこへデータセンター需要が急拡大して、長らく停滞していた電力需要が年率 5% という、まるで崖を登るように伸び始めたんや。こうしてその日暮らしだった GE Vernovaは、今や処理しきれないほどの受注を抱えるまでに変貌したんや。Larry Culp は正しかったということや。

 

第二のトレンドとして、これらモンスター級タービンの価格は 1 基あたり最大 5,000 万ドルにもなるんや。アメリカとの貿易黒字を抱える国なら、昔は Boeing の旅客機を買ってアメリカのご機嫌を取るのが常套手段やった。小型の 737 Max でさえ 5,500 万ドル超したからな。でも今は、トランプ大統領は「対米黒字国は代償を払え、さもなくば報復だ」と迫っとって、もうこれ以上飛行機が不要でも何かを買わんとあかん。買うならば、そう、GE Vernovaのタービンや。大統領が各国にデータセンター建設を促している現状では、タービンを注文する方が話は早いというわけや。そうすれば、彼らは「対米貿易黒字を即座に縮小している」と胸を張って言えるわけなんや。

 

ここまで挙げた二つのトレンドでも、まだ物足りんか?では、先日 TVA(Tennessee Valley Authority)がどうしたかをご存じか?アメリカで初めて、小型モジュール炉(SMR)の建設許可申請を提出したんや。そして、その契約を手にしたのはアメリカで唯一、大規模に原子力発電所を建設できる企業、GE Vernovaや。近年「原子力」は熱狂的なテーマになっとる。量子コンピューティング株、空飛ぶ車株、Palantir、GameStop などに飛びつく投資家は、原子力関連株にも手当たり次第に群がり、ほとんどミーム株化しとる。

 

問題はただ一つ、そうしたミーム原子力株は割高すぎるレベルやということや。でもGE Vernovaは違うで。本物の企業や。なんという爽快感や。昔、わいがヘッジファンドをやっていた頃なら、こういう銘柄を見つけても詳細を調べるまでもなかったで。売上が 360~370 億ドル、フリーキャッシュフローが 22~25 億ドルになるとわかっていても、まずは「このビジネスチャンスの規模はどれほどか」を推測し、そこから逆算するだけやった。データセンター向け天然ガス発電と原子力、この二つは最大級の機会で、GE Vernovaはいずれも支配的地位にある。加えて「関税回避」というテーマも押さえとる。

 

かつてわいは原子力に懐疑的やった。GE Vernovaが上場した頃、CEO の Scott Strazik から「あなたは原子力に懐疑的すぎる」と言われたほどや。でもいまや彼も私をいさめる必要がなり。この機会を洗い出し、価格を付けてみたんや。ヘッジファンド時代ならそうしたように。そして現在の時価総額を見て首をひねっとる。「真の価値はいったいどこにあるのか?」真の価値と今の株価のその大きな隔たりたるや、なんということやと思うで。GE Vernovaで「うまくいくかもしれないこと」の可能性は途方もなくて、今の株価はそのチャンスに到底見合っていないんや。

 

結論やが、今戦場を見渡すと、驚くことは何もなく、最後まで立っていた兵士はたった一人や。対米貿易黒字を調整し、新たな原子力ブームを起こし、データセンターと拡大する電力網への電力供給という難題を解決する企業や。GE Vernovaはこの瞬間のために存在すると言っても過言ではないで。あの税制法案が作られ可決される過程をも生き抜いた唯一の大型株で、これからも勝ち続けるとわいは確信しとるんや。

 

 

買い増したくなってきました。

 

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