こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの7/23のMad Moneyはどうだったでしょうか。
株式市場は常に的確に物事を見極められているわけではないことは心に刻まんとあかん。しっかりした企業が実体ある事業を行い、その成果が株価に正しく反映されている一方で、ヘッジファンドやソーシャルメディアに押し上げられ、本来値上がりの根拠が乏しい小型株までもが上昇しているのがこの頃顕著になってきとる。株式市場の裾野は広がりつつあるものの十分とは言えず、一方で投機な動きが目立ってきてはいるものの、まだ過度に心配するほどではない、今日はそんな状態やった。
ダウは+1.14%、SP500は+0.78%、そしてナスダックは+0.61%と上昇の日になったわけやが、好調さが持続しとる今のマーケットでは、どんな見方をしても素晴らしい一日だったと思うことが増えとる。でも今こそ「この株式市場で問題なのは何か、問題ではないのは何か」を整理して、今後の立ち回り方を考えてみようやないか。状況はどんどん複雑になっていっとるからな。
話をまず、昨夜トランプ大統領が日本と結んだ関税合意から始めようやないか。大統領いわく「史上最大の貿易協定」や。誤解のないように言えば、わいはこれは双方にとって素晴らしい取引やったと思うで。日本製品(自動車を含む)には15%の関税が課され、アメリカ財務省にとっては収入増となる一方、日本車やトラックの販売価格は上昇してしまうんやが、でもこの合意がなければ関税はほぼ倍になっていたやろう。結果として、日本の自動車メーカーの株価は上昇したんや。
どちらの立場でも勝ちを感じられる取引こそ好ましいとわいは考えるが、これはまさにその一例や。日本としてはトランプ以前の現状維持を望んでいたやろうが、でも結果的に4月時点で予想されていたよりはるかに穏健な内容となったんや。こうなると株はBuy, buy, buyとなる。とはいえ、Fedのパウエル議長の立場で新車価格を眺めれば、インフレがまだピークに達していない、あるいは当分ピークに達しないのではないかと懸念せざるを得ないんや。そうなれば利下げは見送られるやろう。
さらに、この日米間の合意には日本が今後10年間でアメリカに5,500億ドルを投資するとの誓約が含まれとる。日本はアメリカ製品を大量に購入する国としては知られてないから、これは非常に大きな話や。この資金は各種製造業や防衛産業に向けられ、そのうち700億ドルは鉄鋼発注に充てられるんや。この枠組みは韓国や、何よりヨーロッパとの協定の雛形になる可能性もあるで。
こうした合意は関税に関する不確実性を取り除くため、株式市場にとっては好材料や。15%という水準なら多くの企業が許容できるやろう。では何が問題になり得るんや?巨額投資により多くの雇用が創出される一方、それを担う労働力が不足すれば強いインフレ圧力が生じる恐れがあるんや。インフレが進めばどうなるか。やはり利下げはなくなってしまうんや。ただし失業率が4.1%の現状では、雇用の悪化自体は今のところ大きく懸念する必要はなさそうやけどな。
失業率が低い限り、それは株式市場にとって朗報であることを忘れたらあかんで。現時点で大量解雇を引き起こし得る唯一の要因はAIやが、AI が実際の人間を代替するにはまだ不十分な分野が多く残っとるんや。ただし、労働市場はすでに逼迫しとって、これらの大型投資の誓約によってさらに逼迫し、しかも大統領は移民に強硬姿勢やから、企業は人材確保のために賃金を引き上げざるを得なくなるやろう。つまり、賃金インフレに注意が必要ということや。
こうしたインフレは経済全体に急速に波及するんや。充足できない職を埋めるロボットが十分に稼働してくれることを願うばかりや。さもなければ、パウエル議長は利下げを実施できないやろう。さて、現在は決算シーズンの真っただ中で、好決算には株価が素直に反応しとる。以前は好決算でも反応しないことがあったが、今回は違うんや。銀行セクターが好調な業績を示して流れを作ったんや。貸倒引当金も小規模で済んどって、完全雇用に近い状況下ではよくあることや。
さらにヘルスケアやライフサイエンス関連もまだまだ小規模サンプルながら好調で、Boston Scientific、Danaher、Thermo Fisher がそろって急騰したんや。そしてAlphabet、Google の親会社やが、この会社が時間外取引の主役となり、売上高と利益で予想を上回り、クラウド事業で好調な数字を示したんや。AI では検索領域でも懸念されていた AIボットのGeminiが、この会社の極めて価値の高いフランチャイズを食い潰すどころか、月間平均利用者数が約4億5,000万人に達しとる。これがカンファレンスコール中に株価を押し上げた大きな要因の一つや。
一方で、好決算にもかかわらず評価されないテック企業もあるで。IBM の決算は売上・利益ともに予想を上回ったものの、ソフトウェア部門がやや弱かったため、時間外で株価が急落しとる。妥当かどうかはともかく、これが実際に起きているや。Tesla は売上・利益ともに予想を下回ったが、Elon Musk がロボタクシーと年内投入予定の低価格モデルについて魅力的なビジョンを語ったことで、株価は下支えされとる。自動車事業のミスは気にされず、「テック企業」と見なされているわけや。
他にも、Chipotle はあまり良くないとかあるのもの、T‑Mobile は良好やった。「良いニュース」が「悪いニュース」を依然として上回っとって、これは大いにプラス材料や。同時に、気掛かりな点もあるで。それは「過熱感」や。2008年の大不況前夜、1999年のドットコム・バブル期、あるいは2021年のミーム株狂騒のような状況を彷彿とさせるフロス、泡の盛り上がりが見え始めとる。
一部のヘッジファンドや Reddit の Wall Street Bets フォーラムのフォロワーが、投機的な動きを仕掛けていて、それには正直言って不安を覚えるで。わいは、原子力関連株のOKLOのような銘柄について話しているわけではないで。あの銘柄はとてもポジティブなニュースが今朝出とったんや。そうではなく、ここで言いたいのは、Kohl's のような銘柄のことや。
この銘柄はショート比率が 50% に達し、一時はソーシャルメディアによる煽りで株価が倍になったんや。これは、必死に空売りを仕掛けていたショート筋を叩き潰すためだけの動きやった。もっとも、Kohl's にも多少の根拠はあるで。3年前には株価が50ドル台で取引されとって、その水準で3件の買収提案を受けとるんや。今回のショートスクイーズが始まった時の株価は10ドル台で、かつては6ドルまで下落したこともあったが、それはあまりにも割安や。
今回多くのヘッジファンドが痛手を負ったのは、ある意味で自業自得やろう。ショートポジションが過剰で、もし好材料が出ても買い戻す株が市場に十分に出回っていない状況やったんや。そして実際、良いことが起こり得るんや。Kohl's には今後4年間、大きな債務償還がなく、新しい経営陣が率い、Sephora との素晴らしい提携があるで。過去に買収提案をした企業が再び戻ってきたらどうなるやろうか。安全な空売り先とはとても言えないやろう。
Kohl's 以外にも、SEC(証券取引委員会)がもっと厳格であれば規制対象となるような動きが見られるで。1ドルや2ドル、3ドルといった低位株が吊り上げられ、仕掛けられ、あるいは手っ取り早い利益のために 恐らくバックドア取引のようなもので清算されているように見える。名前を挙げる価値もないので個別には言及せんが、こうした銘柄の多くは調査されるべきやろう。
一方で、非常に強力な大型テーマも存在しとる。例えばGE Vernovaを考えてみようやないか。データセンター向けの巨大な注文を捌くために、グリッドの労働者たちがいかに負担を抱えているか。データセンター関連の全ての部品が強い需要を示しとる。これは今夜の Alphabet の決算からも分かるんや。この会社は予想以上に多額の設備投資を行っとるが、それでもデータセンターの建設に懐疑的な人たちがおるんや。
彼らは「過剰建設だ」と主張し、ハイパースケーラーにそこまでのコンピューティングパワーは必要ないと考えとる。この懐疑論は、あらゆる資本財関連株や金融サービス関連株にまで及んどる。もしかすると、彼らは完全に間違っているわけでもないかもしれん。例えば フィンテック の Fiserv は今日急落して、非常に厳しい結果になったんや。しかし一方で、Alphabet に熱狂している人々も多く、この勢いは明日も波及するやろう。
結論として、市場は良い面も悪い面も混在しとる。すべてが良い方向に振れると、それは「良すぎる」状態になるし、すべてが悪い方向に振れると「悪すぎる」状態になる。でも今はもしかしたらちょうど良いバランスなのかもしれん。常に懐疑的で用心深くあるべきやが、シニカルに、皮肉屋になる必要はないで。なぜなら、まだ多くの人々が利益を得とって、今このテーブルから降りるべきではないからや。
好調さが続きますように。
応援よろしくお願いします。