こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの8/7のMad Moneyはどうだったでしょうか。
株式市場では、株価の平均値ではなく、その背後にあるテーマや本質を理解することが必要や。今日はダウは-0.51%、SP500は-0.08%と下落した一方で、ナスダックは+0.35%と上昇したで。資金がどこへ流れ込み、どこから流出しているのかを把握してみようやないか。まずは目立つ勝ち組を見てみよう。最も注目すべきは、関税の影響を免れたかのように突然見えるようになったテクノロジー企業や。昨日、トランプ大統領が Apple を「祝福」するという衝撃的な決定を下したんや。
CEO の Tim Cook がアメリカの製造業に 6,000 億ドルを投資すると誓約したことで、ここまでのApple株の色合いが一変したで。それまで、中国で iPhone を製造し、さらにインドでも生産しようとしていたことでトランプ大統領から追及されていた Apple が、一転して大統領のお気に入り企業のひとつになったんや。その結果、Apple 株は前日の大幅高に続き、さらに 3%上昇するという驚異的な動きを見せたんや。まさに劇的な転換や。
そもそもトランプ大統領は、Cook がアメリカ製造業を再構築するために 4 年間で 5,000 億ドルを投じると約束した際も動じなかったんや。Cook はインドで製造した iPhone をアメリカに輸出したいと考えていたが、トランプは「すべてをアメリカ国内で生産すべきだ」と望んどった。そういう状況があって、今、Cook がさらに 1,000 億ドルを上乗せすると、ようやくトランプ大統領の心も動いたんや。これはでも桁外れの額や。たとえ一部がすでに織り込まれていたとしても驚くべき規模なんや。
Biden 政権下の CHIPS Act は総額 で2,080 億ドルに過ぎず、Apple の提示額の半分以下だったうえに、そのうち半導体製造促進の直接補助金は 390 億ドルしかなかったんや。一方、Apple は 6,000 億ドルを直接的に投じようとしとる。なんというダイナミックさやろうか。これに対するトランプの「祝福」がもたらす影響は広範囲に及ぶで。週初めには、Apple 株は 214 ドルから 200 ドルを割り込む勢いで下落が続いとった。先週木曜の決算で素晴らしい数字を発表したにもかかわらず、や。
あの決算の懸念は二つあったんや。第一に、Apple の AI 戦略はどこにあるのかということや。独立系で扱いやすい Perplexity などのチャットボットと提携するのか。その際は単なる現金以外の方法で報酬を受け取ろうとして、司法省の怒りを買うことにならないか。Amazon が一部出資する非営利団体と提携して、Google により依存しない形でトラフィックを得ようとするのか。いずれにせよ、詳細が見えてこないうちは、Apple は重要性を欠く「後発組」とみなされて、AIにおいては主要な機会を逃していると容赦なく批判され続けるやろう。
もう一つの大きな問題は、トランプ大統領の露骨な敵意だったんや。Tim Cook が iPhone をアメリカ国内で生産すると約束しなかったために、Cook と大統領の仲が悪いという話をずっと耳にしとった。その声があまりに大きくなったので、決算発表の直前、わいは Tim Cook としているプライベートチャットでこう尋ねたんや。「Tim、トランプ大統領と仲良くやっていける可能性はあるのか?」と。彼は「大統領とは良好な関係にある」と繰り返した。
でもトランプ大統領は、中国の 習近平国家主席のように、明らかにライバル視している人物に対してさえ「良好な関係にある」と口にすることも多いんや。もしトランプが習近平と「友好関係」なら、Appleと「友好関係」でも実質的に敵のように見えるのは当然や。週明け時点ではそういう構図だったんや。でもまあ、その時Tim Cook が「関係は良好だ」と言ったことで、わいはApple株はOwn it, don't trade itでええかと腹を決められたんやけどな。
いまAppleの株価は 220 ドルまで上がり、決算発表時を大きく上回っとる。ここ 24 時間で何が起こったのかを考えてみてほしいで。iPhone には関税が課されない見込みになり、相互関税も、Apple の利益を吹き飛ばしかねなかったインドの 50% 関税も、実質的にゼロになりそうなんや。では、最大の競合である Samsung はどうや? わいは今はそのことを考えとるで。ある調査会社の最新調査によれば、Samsung はアメリカ市場の 31% を握っていて、Apple に次ぐ 2 位や。
この韓国企業は、韓国が交渉した 15% の関税という “優遇”を享受できるんか? それとも、現在 100% の関税が課されている外国製半導体をすべて含めて、Samsung の端末に組み込まれている部品にも高い関税をかけるべきやと主張されるべきなのか?半導体だけでなく、アメリカ製でない Apple 以外のすべての携帯電話に特別関税が課される “Apple 以外” ルールが導入される可能性はあるんか? そうなれば、最も高価だった Apple が、逆に最も安価で通信会社が新規契約を取るための “最強端末” になるかもしれん。株価が 203 ドルから 220 ドルへわずか 2 日で跳ね上がった背景には、Apple とホワイトハウスの取引がテック全体に与えた “連鎖反応” があるんや。
もっとも、今テック全体とは言うたが、伝統的テックが奏でる “主旋律” に対して、崩壊した副戦慄もあるんや。それがサイバーセキュリティ銘柄や。ファイアウォール大手の Fortinet が失望決算を発表して株価が 22% 急落して、ETF でひとくくりにされている他銘柄にも過度な連れ安が波及したんや。ファイアウォール企業ではなくクラウド防御の CrowdStrike まで 6% 強の下落に見舞われたのは、株式市場が “集団懲罰” を行ったためや。これは、ソフトウェア株が売られたからといってハードウェア株まで売るようなものや。全く割に合わんで。
テック株以外にも目を向けようやないか。今朝、Morgan Stanley は Caterpillar を「ホールド」から「売り」へ格下げして、この株を叩きにかかったんや。理由は関税リスクへの懸念や。もちろん Caterpillar には問題もあるが、それは先週の決算発表で分かっとる。わいはカンファレンスコールで詳細も聞いたんや。リショアリング関連の受注がそれなりにあるにしても、確かにわいは今は Caterpillar を買いたくないで。でも、この格下げは「エンジニアリング建設の御三家」と呼ばれる銘柄の上昇をも、一時的にストップさせることにもなってしまうんや。
その御三家とは何か、メモしておいてほしいで。Aecom、Jacobs Solutions、Quanta Services の三つや。わいは以前から、これらの株が少しでも冷え込んだらわいのCNBC Investing Club のメンバーに「買い」と勧めたいと思っとったんや。というのも、外国政府とAppleとかがアメリカ国内の製造業の再構築に約束した 1 兆ドル超の資金があまりに大きくて、受注の大半はこの 3 社が取ると見ているからや。株価が押し目を作る可能性が、ようやく見えてきたから、わいは注目しとるで。
最後にヘルスケア株を見ておこう。その惨状には目を疑うばかりや。Eli Lilly までが「期待外れの減量ピル」で不細工な下落組に加わっってしまったんや。株式市場は、Lilly が煩わしい GLP-1 注射に代わり、同等の減量効果を持つシンプルな経口薬を出すのではと期待しとったが、その経口薬の臨床試験の結果が投資家が期待していたほどには良くなくて、そして株価は徹底的に叩き売られてしまったんや。唯一、Johnson & Johnson だけがこの混乱の外にいるように見えるが、それはこの会社が医療機器メーカーでもあるからや。
でもこういう日こそ祝うべきや、とわいは言うで。わいはAppleに関してはOwn it, don't trade itといつも言うてきた。なぜなら Apple は最終的には必ず正しい答えを出す会社だからや。まるで線路に縛られた娘が、弾丸のような貨物列車にひかれそうになるものの、土壇場で必ず救われる、そんな存在がこのAppleなんや。なんでそうなのかには理由があるで。世界最高の製品を擁し、世界最高の顧客満足度を手に入れて、NvidiaのJensen Huangに匹敵する価値創造者によって率いられている、自信に満ちた企業だからや。
結論やが、直近 24 時間に何が起きたか、Apple 株がどこから来たかを考えてみてほしいで。だからわいはAppleに関してはOwn it, don't trade itと言ってきたし、これからも言う。これが守れないなら、いっそインデックスファンドだけを買っておけばいい。Apple ほどの偉大な企業を信じられないのなら、個別株を持つ意味など何もないだろう?
LLYの下落が個人的には痛すぎる。。
応援よろしくお願いします。