【ジム・クレイマー】関係ない話に影響される人が多すぎる！「株で儲ける」という目標に忠実であれ！【Mad Money】

わいらは良心を持ちたいよな。だからトランプ大統領がしていることが正しいかどうか、判断を下したいよな。彼がとんでもないことをしたとき、嘆いたり、不満を言ったり、肩をすくめたりはできる。でも、絶対にしてはいけない一つのことは、例えばトランプ大統領がFedの理事のLisa Cook を解任しようとしているからといって、Nvidiaの株を売ってしまうようなことや。Lisa Cookがやったことが住宅ローン詐欺に当たるかもしれんし、当たらないかもしれない件やが、それを気にするなというとわいが言っていることは軽薄に聞こえるのは分かっとるが、でもまあわいの話を聞いてほしいで。

今日はダウは+0.30%、SP500は+0.41%、そしてナスダックは+0.44%と上昇の日になったんやが、そんな上昇の日にわいが一日中耳にしたのは、「トランプ大統領が本来違法とされる Fedの理事解任を試みているときに、市場は上がっていいのか」という問いばかりやった。物知り顔の人たちは「それは間違いだ」と言いたがるんや。株が上がるのも間違いや、と。ホワイトハウスが Fed の独立性を脅かしている、その懸念はわいは理解するで。わいも独立した Fed を望む。Fedは正しい判断をするときもあれば誤るときもある。でも歴史的に見れば、一国の中央銀行の運営が大統領や首相に直接関与されると、インフレ率はより高くなる傾向があるんや。単なる経験的事実やで。

そして、そういう前提があるのは承知で、でもわいはここであえて失礼なことやけどわかりやすいから言ってみたいと思う。率直に言って、今週まで、大多数の投資家は Lisa Cook のことなど聞いたこともなかったやろ。彼女が住宅ローン詐欺で起訴されていないという事実も、彼らは関心がないんや。トランプ大統領は、CookがFedの理事に就任する前に複数の住宅に対して「主たる居住地」としてローン申請を行ったとして詐欺の疑いがあると主張しとる。そのことによって有利な金利を不正に得たんやないか、というものや。

でも現時点でCookが実際に起訴された事実はなくて、法的手続きが始まったわけではないし、「住宅ローン詐欺」の証拠も公開されておらず、Fed理事としての職務遂行上の違法行為や怠慢があったという証拠は現時点で示されてないんや。ここであえて大枠を捉えようとする投資家が考えているのは二つやろう。第一に、これは彼らにとって“内輪の話”やということや。第二に、大統領は毎日とんでもないことをする、ということや。そしてそれに対しては、「それがどうした？」となるで。なぜならこういうことがもはや常態化してからや。

あなたがそれを“良い意味でのとんでもなさ”と見るか“悪い意味でのとんでもなさ”と見るかにかかわらず、トランプがいろいろやることにもう驚くべきことではないはずや。トランプは“とんでもないことをする権限"、すなわち民意の後ろ盾があると感じているようで、しかも彼の政党が議会も最高裁も掌握していることを踏まえれば、どれほど常軌を逸していようと、ほとんど何でもやれてしまうように見える。それがええとか悪いとか言っているわけではなくて、わいはこの時点で株価の話に限った話をしたいんやが、株式市場に限った話をすれば、そんなこと誰が気にするのか？となるんや。

大多数の人が聞いたこともない Fed の当局者を解任するかしないかが、例えば明日の夜の決算を前にした、時価総額4.4兆ドルの Nvidia のPERと何の関係があるんやろうか？繰り返すが、わいは事態を矮小化するつもりはないんや。ウォール街の人の多くがトランプ大統領による Fed 支配の試みに不安を感じている理由は理解するで。でも最終的には、こうしたことが皆さんのポートフォリオに大きな影響を与えるとはわいは思わんのや。このマーケットで最も重要な銘柄群に対しても、それらが影響されるとは思わん。わいの今の焦点でより重要なのは、株式市場の重要銘柄なんや。

わいはNvidia は「Own it, don't trade it」と言うとるよな。Lisa Cook のセカンドモーゲージ申請に何が起きていようと関係なく、わいは独立した Fed を望むが、たとえ独立性が少し低下したとしても、明日の夜この時間には、Nvidia の CEO である Jensen Huang が、広がり続けるAI世界のおかげで半導体需要が信じられないほど強いままである、という良い話をしているやろうとわいは信じとる。わいが気にしているのは結局そこのところや。わいは、だれが大統領であろうと、証拠を見て正しいことをしようとする中央銀行をこの国に望むで。

でもそれ以上に、Nvidiaの新しいBlackwell チップの総保有コストが知りたいし、それが依然として非常に抑えられているのか、そして顧客がそれを使って素晴らしいリターンを生み出しているのかを知りたいんや。これは、昨今では多くの Nvidia 弱気派によって毎日のように疑問視されている点や。まあでも大統領にもう少し「とんでもなさ」を抑えてほしい、とは思っとる。というのも、Fed が結局は彼の望む低金利を与えようと今まさにしとるわけやから。誰かを解任しなくても利下げは実現するやろう。ただ同時に、Nvidia の中国での力強い売上も見たいんや。

つまり、これらの事柄はまったく無関係だということは承知してほしいということや。言い換えると、ホワイトハウスからあまりに多くの衝撃的な出来事が出てくるので、もはや衝撃ではなくなっているんや。ある時点で、こうしたことは織り込み済みになるものなんや。大統領は Nvidia の中国での売上から取り分を取ったのか？もちろんや。彼はそうしたのは前にこの番組でも言うたやろ。中国への販売禁止を解除したあと、再開したら15%の取り分をとる、ということや。

そういえば政府はIntel の 10％の持分も取得したよな。それは確かに型破りなんやが、でもIntel は本当に資金を必要としとったんや。型破りなことは続いとる。それなのに、なぜか毎日のように、この男のやることにショックを受ける人々がいるんや。あなたが真の意味でショックを受ければ受けるほど、株を売りがちになるで。たいていの事柄は市場と無関係で、株を売るのは間違いであり続けているにもかかわらず、や。でも率直に言って、司法省が訴追しないかぎり、わいが「ある Fed 理事が住宅ローンを正当に得たかどうか」を気にするかどうか、あなたは本当に気にするか？この件に関するわいの見解には大した意味はないし、ほぼわいのキャリア全体を通じて、ワシントン発の見出しを理由に株を売るよう誰かに言われたなら、それは完全に間違いなことが多いんや。

わいらはすでに トランプ政権の第1期でこのことを経験しとる。わいはただ、あなたが金を稼ぐのをどう助けられるかを考えているだけで、そのためには、他の人たちが望むほどにはそうした話題に注意を払わない、ということになるんや。わいはパウエル議長のことは気にかけとるで。彼の独立性も、その切れ味の鋭い頭脳も好ましく思っとる。でも彼には任期があり、その任期は来年の５月に終わりになるんや。となると、トランプ大統領が後任を指名することになるで。

そういうニュースも気にしないほどわいは軽率なのか、と言われそうやから、わいがなぜ軽率なのではなく、ウォール街に生きる男としてそれが生涯のペルソナとなったのかを理解してもらうために、わいが何者で、何をしようとしているのかについて話をさせてほしい。2か月半前、わいは子どもたちと一緒に British Columbia で 10 マイルのハイキングに出かけたんや。たぶんそのこと自体が間違いやったんや。彼らは本当にビュンビュン進んでしまう。わいも同じように進もうとしたんやが、わいは彼らより少しばかり年上やろ。5マイル目で足首に痛みを感じて、それは消えなかったんや。

ということでわいは病院に行ってMRIをとる羽目になったんや。そうなるとどうなるか。MRI でわいを案内してくれる人は、わいを案内するやいなや、体調はどうですか、などとは聞かないんや。案の定彼はこう言ったで。「それで、今ここからを考えたらどの銘柄を買えばいい？」わいはだから、「そうやな、Boeing が今は好きや」。というと「Nvidia は？」と聞いてくるからわいは「いいね」。と答えたら、「仮想通貨はどうか？Solanaは？」ときて、わいは「仮想通貨だったら Bitcoin が好きや」。みたいなことになるわけや。

皆わいに会ってしゃべる時に、そしてこの時はMRIでわいにベルトを装着してくれるんやが、そういう人が「Beethoven がいいですか、それとも Brahms？」とわいに聞くことはないで。彼が知りたいのは、わいがいまだに Palo Alto Networks を気に入っているかどうか、そういうことなんや。まあでも何とか MRI を終えて、混み合ったエレベーターで隣に女性がいたんやが、彼女がまたわいに話しかけてくる。「マネーマン、Nvidia はどうすればいい？」わいは彼女に「持ちっぱなしにして」と答えたで。トレードはしないで、と。たとえ明日の決算がどうであれ。

誰かがわいに Lisa Cook について尋ねたか？そしてわいは次のように答えたか？「Lisa Cook が職を失うかもしれないのは、彼女が二つの主たる居住地を持っているとして起訴されるかもしれなくて、でもそういうことになったらFed の独立性が十分でないとなりかねず、だからNvidiaを売るべきや」こんな話とんでもないで。なぜなら、わいはよく知っとるからや。株式市場はそんなふうには動かないし、わいに話しかけてくる人が知りたいのは「どうやって儲けるか」やということを。わいが、政策論争をするよりも彼らを助けようと固執するのは、別に軽薄だからでも何かに迎合しているからでもないし、Fed の独立性に関する苦悩へと彼らを導かなかったからといって、わいは思考停止の人間ではないで。

結局のところ、わいが言いたいことは、トランプとCookのことがあるからといって、良い株や良い株式市場から誰かを怖じ気づかせたくはないということなんや。だから、株に無関係なわいの意見は、わいはそのことを直接尋ねられない限り胸にしまっておくんや。あなたがわいの番組を見てくれるのは、公民の授業を受けるためではないやろ。あなたが今わいに尋ねたいのは、Nvidia を買うべきか売るべきか、やろ。それにはわいは「買い、少なくともホールド」と言うで。

結論やが、この仕事をしているかぎり、わいは人々が株でお金を稼ぐのを助け続けようとするで。もし誰かが Lisa Cook について尋ねてきたら、Fed の独立性についての答えをしたやろう。でも、わいは実際にはそうは尋ねられないんや。皆わいに「お金を稼ぐのを手伝ってくれ」と求めとる。だからわいは、視聴者が株の話を聞きたがっているときには、その望みに従う忠実な召使いであり、Fed に関する内輪話ではなく株の話をするんや。視聴者こそがわいの本当のボスで、わいはその人たちのためにプレーし、それがわいの仕事なんや。それと同じように、株式市場で株で儲けたければ、それに忠実に動くべきで、関係ない話に影響されたらあかんのや。