こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの11/6のMad Moneyはどうだったでしょうか。
わいらはウォール街では、今のこの政府の一部閉鎖をずっと軽く見てきたんや。なぜかわかるか?これまで何度も同じことを経験してきたからや。たいていの場合、政府閉鎖は株式市場にとってほとんど意味を持たないんや。ところが、今回は違うんやないか。政府は今や37日間も閉まったままで、両党が合意に向けて動いている気配すらないんや。時間がかかり過ぎとる。現時点では、もはや「ちょっとした雑音」とは感じられないんや。今日はダウは-0.84%、SP500は-1.12%、そしてナスダックは-1.90%と大きな下落の日になったんやが、実際わいは、こうした下げのかなりの部分を政府閉鎖のせいやと見とるで。
というのも、政府から経済指標がまったく出てこないから、実際に何が起きているのか誰にもわからないんや。そうなると、意思決定が凍りつき、システム全体が凍りつき始めるんや。もっとも、いくつかの情報はあるんやが、それも良いものではないで。例えばChallenger Gray and Christmas という雇用サービス会社があって、ここが毎月、解雇数に関するレポートを出しとる。かなり権威のあるデータで、「Challenger Report」と呼ばれとるんやが、今回の見出しはこうや。「解雇数が100万人を超え、10月としては2003年以来の最高値」。
各企業は10月の人員削減の理由として、コスト削減とAIを挙げとる。なんてこった。もう「売れ売れ売れ」という感じや。これはひどい話や。ほかには何がある?給与計算を代行する会社が2社あるで。ADP と Paychexや。それに雇用管理を支援するソフトウェア企業の Paycom もある。これらの業績はわいらの経済に深く結びついとる。そして、この三つの会社の忌まわしいチャートを見てほしいで。この3つのチャートこそが、商務省や労働省から出てくるどんな数字よりも、この経済の全体像を物語っとるんや。
こんな環境で一体誰が人を雇いたいと思うやろうか?少なくともわいはごめんや。他の人たちも同じ気持ちだからこそ、これらのチャートがまるで納骨堂みたいな有様になっているんやろう。結局のところ、政府閉鎖はついにわいらの生活に直撃し始めとる。今日わかったのは、FAA が40の空港で航空交通を10%削減しているということや。数週間前から物事のスピードは落ちとったが、旅行需要だけはかなりしっかりしとった。そこが最後の砦やった。でもそれもおそらく終わりやろう。これまでは数週間にわたって、なんとか弱気相場の爪から逃れて滑り抜けてこられたが、もうそれは無理やと思うんや。
ネガティブな見出しが多すぎるんや。その中には、わいが「魔法の投資の年」と呼んできたものを損なうようなものも含まれとるで。この点を説明するために、JP Morgan Asset Management の Market and Investment Strategy の会長で、わいの良き友人でもある Michael Cembalest が書いたレポートに載っているすばらしい図を取り上げんとあかん。彼は9月の時点で、いま起きていることをほぼ言い当てとったんや。Cembalestは、わいらが「データセンター・ブロブ」と彼が呼ぶものに飲み込まれようとしているとビジョンを描いていたんや。
ブロブ(blob)とは得体の知れない巨大な塊のことや。データセンターというテーマが制御不能になり始めている、ということや。増設があまりに巨大で、経済に大きな影響を与えてきて、つい最近までは、それはかなり好ましい影響やった。ところが昨今は、公開企業ではないある組織の途方もない拡大によって、その“ブロブ”がますます不気味になってきたように感じられたんや。それは OpenAI と呼ばれるで。インターネットをAIで支配しようとしている会社や。あまりに多くのパートナーシップを結んだため、莫大な責務を負うことになっとる。
例えばOpenAI は Oracle をパートナーとして、数千億ドル規模のデータセンター建設にコミットしとる。OpenAI は、この設備を建設するのに十分な資金を確保できると極めて自信満々のままや。この会社は非公開企業で、財務の中身はわからん。だから誰にも不明なんや。とはいえ、もし上場することを決めて数千億ドルを調達できるなら、それは素晴らしいやろう。AIについて懐疑論はあるものの、彼らがあまりに自信たっぷりなので、ほとんどの投資家はデータセンターの“ブロブ”に手を出してきたんや。
そしてパートナーの Oracle も大量に資金を借りる必要があるで。彼らはすでに180億ドルの債務を発行して、可能な限り建設を進めとる。でもその額についてウォール街は懸念しとるで。というのも、Oracleが発行した保険や債券のコストが非常に高くなっているからや。彼らは現状の20倍もの資金が必要になるかもしれん。それでも、こういうビジネスチャンスはあまりに大きいため、ウォール街はこれまで概ね、OpenAI にはこの巨大プロジェクトをやり遂げる能力があると受け止め、それを歓迎してきたんや。
ところが、OpenAI の著名なCFOである Sarah Friar が、必要とあれば政府がOpenAIとそのデータセンター建設を backstop、下支えすべきだということを言及したんや。口をついて出たような発言に聞こえたし、彼女はすぐに「会社はどんな形の救済も必要としていない」と釈明したんやけどな。でも、それは問題ではないんや。彼女の評判はあまりに清廉潔白やからこそ、「backstop」という言葉をなかったことにするのは難しいんや。では、なぜ彼女は、そんなつもりではなかったと言ったんやろうか?彼女は別に向こう見ずな人ではないで。
現政権が、かつて Intel が苦境に陥ったときにそれを backstop したことがあるうえに、もしかすると OpenAI は「大きすぎて潰せない」存在になってしまったんやないかと、どこかで自分たちに言い聞かせてきたことを考えると、彼女がその話題に触れなかったとしても、政府による backstop の可能性を完全に否定するのは難しいんや。さて、CEO の Sam Waltman は今日話をして、OpenAI は今年末には約200億ドルの売上高ランレートに達して、2030年までにそれが数千億ドルへと成長すると自分は見込んでいると述べたんや。かなり有望に聞こえるで。
また、1.4兆ドル分のコミットメントがあるとも言及しまたんやが、それは今後8年間にわたるものや。もしそうなら問題はないで。OpenAI は、ものすごく収益性の高い事業である Amazon Web Services のように、コンピューティングパワーを販売できるようになりたいと考えとる。それは良いことやとわいは思うで。改めて、わいは OpenAI の経営状態が極めて良好であることを確認したいんやが、果たしてその「ブロブ」をいまから抑え込むには遅すぎるんやろうか。皆が本当に話しているのは、もはやその一点だけや。いわゆるこの「ブロブ」をどうするか、ということなんや。
そして今では、いつものことながら JP Morgan の Michael Cembalest がかなり先見の明を持っていたんやとわかるで。このブロブは、あまりにも急速な勢いで肥大化しているんや。だから、公平なSarah Friar があの「backstop」発言をしたとき、こちらの酔いが一気に冷めたんや。そのせいで、市場全体が「もしかすると OpenAI はあの野心的な計画を賄えないのではないか」という懸念にとらわれたんや。計画を縮小せざるを得なくなるかもしれんし、そうなったらデータセンターというフードチェーンにいるあらゆるパートナー企業・関連企業にとってマイナスや。政府の支援が必要になるかもしれん。それはすべてにとって最悪の展開や。
もっとも、わいはこの株式市場は本来なら OpenAI にまつわるプレッシャーを吸収できると思っとるで。というのも、データセンター増設に関わっている他の企業は、いずれも資金力があり、財務的にも健全で、おそらく慎重な経営をしているからや。彼らの巨額の設備投資にはさすがに疲れ始めとるが、それでもわいはそう考えとるで。とはいえ、Sara Friar のコメントが出たタイミングは、このセクターの企業にとって最悪やった。ここ数週間ずっと株価が力強く上がり続けてきたところに、いわば「丸ノコ」に突っ込んでしまったんや。
ついこの月曜日、敬意を集めつつも高いバリュエーションが付いているコンサル企業の Palantir が、申し分のない決算を発表したんや。それなのに株価は下がってしまったんや。このこと自体が、どんな市場にとっても警告サインや。同時に、ホワイトハウスは、世界最大の企業である Nvidia が中国に最先端半導体を販売することを阻止する決定を下したんや。中国向けはガイダンスには織り込まれていないことは分かっとるが、それでも失望した投資家は多く、わいもその一人や。売りに回る人を責めることはできん。わいは売らんけどな。
とはいえ、Palantir と Nvidia はこの強気相場を象徴する存在で、その二つが今や「顔に泥を塗られた」状態になってしまったんや。今日は、普通であれば横ばいか上昇していてもおかしくない銘柄が、ほかにもたくさんあったで。Robinhood は良い例や。今朝まさに決算を発表して、その内容はかなり良かったのに、市場はまったく評価せんかった。同じことは DoorDash にも言えるで。支配力を高めるために多額の投資をしているんやが、そういう決算は徹底的に嫌われたんや。こうした動きは、月曜日に Palantir が決算を出して以来の「新しい標準」になってしまっとる。
まるでスイッチが切り替わったかのようで、Palantir や Robinhood のように高いバリュエーションが付いている銘柄は、今の ウォール街を満足させることが何一つできない、という状況や。ここまでの話をまとめると、政府閉鎖と「AI が雇用を破壊し、同時にエネルギー価格を押し上げるのではないか」という懸念によって押しつぶされる面があるし、データセンター経済は政府の支援を必要とするかもしれず、しかしその支援が本当に得られるかどうかは分からん、と来とる。そして、ハイフライヤー、つまり投機的な人気銘柄は、あまりにも急速に下落しつつある。これが「ベアのメロディー」や。今まさに鳴っている曲であり、数日後には止んでいるかもしれんし、逆に音量がさらに大きくなっているかもしれん。
でも結論として、重要なのはこうや。とにかく、とっとと政府に仕事へ戻ってもらう必要があるで。データセンター・ブロブを、経済の他の部分からきちんと切り離しておく必要があるんや。そして、最も熱く買われてきた銘柄群には、もっと冷却期間が必要やということや。それまでは、わいらは見出しニュースに翻弄される立場であり続けてしまうんや。最近では、みんなが注目しているのは、いまいましいネガティブな見出しばかりなんや。
ずるずる下落しないといいのですが。
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