こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの12/2のMad Moneyはどうだったでしょうか。
もしOpenAIがNetflixのドラマシリーズだったとしたら、そこには悲劇的な場面も、張りつめた場面も、思わず吹き出してしまうようなシーンも詰め込まれて、みんな夢中になって観ていることやろう。CEOのSam AltmanとCFOのSarah Friarのやりとり、そして今まさに苦悩が渦巻いているように見える本社は、かつては歓喜に満ちているようにさえ見えたその場所や。
けれど、ちょっと待ってほしいで。このシリーズの中では、振り子はいくらでも逆側に振れるんや。だからこそ、最高に面白いシーズンが少なくとも1つは作れるとわいは思うで。もっとも、OpenAIはテレビドラマではないし、上場企業ですらないんや。それでもマーケットに与える影響は怪物級でや。なぜなら、多くの巨大テック株をがっちりと握っているからや。
今日はダウは+0.39%、SP500は+0.25%、そしてナスダックは+0.59%だったわけやが、今日もOpenAIが話題が世間の関心を集めた日やった。今日の“エピソード”のタイトルは「Code Red」や。Sam Altmanがそう宣言した「Code Red」という、やや自暴自棄じみた「行動せよ」という号令がテーマや。ちなみに、あまり切迫感のない「Code Orange」や、ほとんど“普通の火曜日”くらいの響きしかない「Code Yellow」もあると言われとる。
ではなぜ「Code Red」なのか。理由はシンプルや。GoogleのGemini 3が、エンドユーザーの数でOpenAIのChatGPTを追い抜きつつあるかもしれないからや。Gemini 3はとにかく速く、余計なものがなく、要点をズバッと突いてくるんや。こうした各種チャットボットの利用者はとても気まぐれなんやが、多くの人がGoogleとつながっているおかげでGemini 3は見つけやすく、信頼もしやすいんや。
では、本当にChatGPTより「優れて」いるんやろうか?正直、「優れている」という言葉はややこしい概念や。ChatGPTと同じように、Gemini 3だって間違えることはあるで。実際、わいは昨日こう質問してみたんや。「Nvidiaが出資している上場企業を教えてくれ」と。するとCoreWeaveは挙げてきたものの、Intelを挙げ忘れたんや。あの、一時は苦戦していた半導体企業Intelに対し、Nvidiaは50億ドルを投じて4%の持分取得に合意したという、あのIntelや。
Nvidiaは9月に1株23.28ドルでIntel株を買ったんやが、今や株価は43ドル台や。数か月の“仕事”としては悪くないよな。さらに重要なのは、この取引はまだクローズしていないとはいえ、人間なら絶対に見落とさないような「大ニュース」だという点や。まあでも、このAIチャットボット業界は「勝者総取り・敗者ゼロ」の世界になり得る、大衆の人気投票ゲームでもあるんや。どちらに転ぶかは分からないし、勝者は移り変わり得るんや。
だからこそ、OpenAIがまさに「Code Red」モードに入っているのは間違いないんや。もしGemini 3が本当にChatGPTを追い越すようなことになれば、莫大な資金を必要とし、年間売上高のランレートが約200億ドルという、確かにとんでもないスピードではあるものの「やりたいこと」に見合うほどにはまだ規模が足りていない会社にとっては、壊滅的な打撃になりかねないんや。
だから、この「Code Red」状態が持つ意味を無視するわけにはいかないで。The Wall Street Journalは今朝、Altmanが、広告やヘルスケア・ショッピング向けのAIエージェント、さらにPulseと呼ばれる個人向けシステムといった他の取り組みを後ろ倒しにする可能性に言及したと報じたんや。ChatGPTの基本機能に、限られた貴重なリソースを振り向ける必要があるから、ということなんや。
ここには、たくさんの重要銘柄にとって本物の「含意」が詰まっとるんや。たとえば、さっきのドラマシリーズの話にもう一度戻ってみようやないか。そこにはMark Zuckerbergが登場するやろう。というのも、OpenAIが広告ビジネス向けからほかの分野へリソースを振り向けることで、Metaの広告モデルに対する脅威が、すぐにでも小さくなる可能性があるからや。
Zuckerbergは、「以前予想していたほどデータセンターの増設にお金をかけなくても、広告で優位を保てるかもしれない」とリークすることだってできるやろう。宿敵ChatGPTからのプレッシャーは、今や明らかに弱まっているわけやからな。もしわいがこのドラマの監督なら、ZuckerbergにCNBCを見ながら歓声を上げさせるで。OpenAIの状況のおかげでMetaの株価がトップに躍り出るのを見て喜ぶ、というシーンにするで。なぜそうしない理由があるやろうか。Metaの株価は高値から150ポイントも下がっとるんや。わいは「買い」やと思うで。
OpenAIがパーソナルアシスタントの開発を後ろ倒しにすることは、Amazonにとってもチャンスが広がることを意味するで。より権威ある新しいAlexaをユーザーに選んでもらう余地が広がるわけや。そうやって考えると、Amazonはショッピング分野での支配力を容易に固めてしまうやろうとわいには思えてくるで。「本当にお金を稼いでいる部門」であるAmazon Web Servicesもあるわけやしな。
ではSalesforceは、このAIエージェント開発の後退をうまく利用できるやろうか?Salesforceは明日決算を発表するんや。彼らを「参入障壁という“堀”を築いている会社」とまで言い切るには、まだ新しすぎるとも思うが、どうなるやろうか。
ほかには何がある?OpenAIがコスト問題を解決し、Geminiより一歩先んじるための手っ取り早い方法があるで。今や巨大なものとなっているThe New York Timesとの訴訟を和解で片づけてしまうことや。法務費も下がるやろうし、その和解にかかるコスト全体を合わせても、おそらくOpenAIが毎月Nvidiaに払っている金額の一部にしかならないはずや。
でも本当に重要なポイント、すなわちこれらのチャットボット戦争で最も心配すべき側面は、もっと遠いところからやって来るで。わいがこれまで会った中で最も頭の切れる人物の一人から学んだことに関係しているんやが、彼自身はわいが彼に「会った」と思っていないかもしれんが、誰のことかというと、経済学者で作家のNeil Fergusonや。
大著というものは何でも“seminal(画期的な)”と呼ばれがちやから、タイトルを挙げるのには慎重であるべきやが、『The Pity of War』と『The Ascent of Money』という、この信じられないほど素晴らしい二冊の本は、「誰が戦争に勝つのかを決めるうえで、債券市場こそが最重要である」という点を論じとる。そしてわいは、彼がこれらの本を書いたときには想定していなかった種類の「戦争」こそが、まさに今ここで現実のものになろうとしているんやと思うんや。
『The Pity of War』の中でFergusonは、第一次世界大戦において、ドイツ軍のほうが優れた陸軍を持っていたにもかかわらず、債券市場がイギリスに優位性を与えたのだと強く主張しとる。イギリスはドイツよりはるかに多くの資金を調達でき、そのおかげで我々アメリカが参戦するまで持ちこたえることができた、と。『The Ascent of Money』では、さらに広い金融史という文脈の中で、この議論が展開されていっとるんや。
Fergusonは、19世紀のほとんどの戦争では、どんな紛争であれ「より深い債券市場」を持つ側、つまりより多く借金できる側がほぼ必ず勝ってきたと指摘しとる。より多くの資金を借りられることは大きなアドバンテージであって、そのことは「AIダービーで勝利するための戦争」にも当てはまるだろう、とわいは踏んどるで。
もちろん、今回は違う結果になる可能性もあるが、それでもGoogleとOpenAIを比べれば、どちらがより深い信用資金にアクセスできるかは明らかや。1.4兆ドルものインフラ投資コミットメントを抱えるOpenAIよりも、Googleのほうがはるかに有利であることに疑いの余地はないんや。実際のところ、OpenAIの競合他社はすべて、信用へのアクセスという点でOpenAIより恵まれとる。
わいが戦争と債券市場についてChatGPTに尋ねたとき、彼自身が「深く信頼できる債券市場は、長期にわたり莫大なコストのかかる戦争をファイナンスすることを可能にする」。さらに「借り入れができる国家は勝ち、できない国家は負ける」と答えたから、この分析は、少なくともChatGPTの親会社であるOpenAIにとっては、まったく安心材料にならないことや。
もちろん、OpenAIが来週にも新しいバージョンのChatGPTをリリースしようとしていることも、わいらは知りつつあるで。もしかすると、それがあまりにもセンセーショナルな出来で、会社が「Code Orange」の状態まで後退できるかもしれん。そうなればCFOのSarah Friarは、またどこかのハイプロファイルなカンファレンスに出て、「Intel方式」のような政府による下支え(government backstop)の可能性なんて笑い飛ばせるようになるかもしれん。
彼女はさらに、「ユーザー数が10億人に達したタイミングで上場する」という、ユーザー成長と歩調を合わせたIPOのスケジュールについても語るかもしれん。「ユーザーが10億人に達したら、一気にディールをやる。ドカンとね」。今シーズンの締めくくりとしては、なかなかいい展開だと思わんか? もっとも、資金調達のところがクリアできれば、OpenAIは十分な資金を調達して、あらゆる競合を締め出し、Appleに年間10億ドルを支払って「デフォルトのチャットボット」の座を買い取り、その長期的な存続を保証することだってできるかもしれん。
わいが思うに、OpenAIにおける本当の「Code Red」は、Gemini 3の台頭そのものとは何の関係もなく、「Microsoftにもっと大きな持分を買ってもらう必要がある」という一点に尽きるで。資金調達をしなければ、彼らは『The Pity of War』で描かれたような状況に陥りかねないんや。なぜなら現時点では、債券市場は競合他社の側についているからや。
結論やが、ChatGPTが教えてくれたように、「借り入れができる国家は勝つ」。そして今や、あらゆるハイパースケーラーが数千億ドル規模の借り入れを行うことができるんや。一方OpenAIについては。。かつて債券を売って生計を立てていた人間として言うなら、わいはクライアントを傷つけたくなかったから、その手の魅力に欠ける商品は「パス」することにしとったということだけいっておくで。
ここからどうなっていくでしょうか。
応援よろしくお願いします。