アメリカ在住マカベェがジム・クレーマーの発言等の米株情報をアップデートします。

アメリカ発ーマカベェの米株取引

【ジム・クレイマー】ナスダック最高値目前なのに中身は崩壊!?AI相場を壊す「本当のリスク」!【Mad Money】

投稿日:

 

こんにちはマカベェです。

ジム・クレイマーの9/29のMad Moneyはどうだったでしょうか。

 

ウォール街はいま、物語をめぐる戦いで負けつつあるで。そして、このままいけばいろいろな銘柄が巻き込まれて下がる可能性がある。ただでさえ今の相場には問題が多い。それに加えて、長期金利がいつまでたっても上がり続けている。今日は原油が下がったにもかかわらず金利が上昇したから、これはかなり意外やった。株式市場も一時かなりひどい状態になったけれど、原油の急落に助けられて安値からは戻した。結局ダウは132ポイント安、SP500は-0.17%、ナスダックはわずか-0.09%で終わった。

 

30年物アメリカ国債の利回りは24年ぶりの高水準まで上がっていて、株にとってはかなり強力な競争相手になっている。ただ、債券価格自体は昼につけた安値から戻した。わいは、債券を買う側が「これから弱い経済指標がかなり出てくるかもしれない。そろそろ金利が一気に下がってもええんやないか」と考え始めたんやと思う。株にとっては、本当にそれが必要や。実際、SP500の中を見るとかなり悪い。構成銘柄の50%以上が200日移動平均線を下回っていて、市場のbreadth、つまり相場全体への上昇の広がりは3月以来で最悪になっている。

 

SP500では52週高値をつけた銘柄より52週安値をつけた銘柄の方が多い状態が9営業日連続で続いている。52週高値にいる銘柄は、指数全体のわずか1%しかない。そして204銘柄が52週高値から20%以上下落している。つまりSP500の40%以上の銘柄が、個別に見ればすでに弱気相場に入っているということや。さらに異例なのがOuraのIPOや。あの人気の健康管理リングを作っているOuraのIPOは、募集額に対して4倍もの応募が入っていた。それでも経営陣はIPOを取り下げて、もっと良いタイミングを待つことにした。理由は「市場環境」やという。でもナスダック100は史上最高値からわずか1.3%しか下がっていない。これ以上どんな市場環境を待つんや、という話や。

 

一方で、景気減速の兆候も意外な場所から出始めている。わいはFedが重要な地域について出しているレポートを読むのが好きなんやけれど、今日Dallas Fedが「テキサスのサービス部門の活動成長が停滞」というレポートを出した。その中では、州のサービス部門の状況を測る重要な指標である売上高指数が8ポイント低下して-0.9になったと書かれている。ゼロ近辺ということは、前月からほとんど活動が伸びていないということや。テキサスですら弱いのなら、残り49州がどれだけ悪いのか想像してみてほしい。

 

今日出た消費者信頼感も過去12年で最悪やった。それなのに金利はまだ上がっている。原油がこのまま下がる、あるいはさらに大きく下がるなら、わいはこの状況も変わる可能性があると思っとる。ただ、債券売りが始まってからずっと「もうすぐ金利は下がる」と言われ続けて、それが何度も外れてきたのも事実や。ただ、わいが「物語をめぐる戦いで負けている」と言うとるのは、金利だけの話やない。AIとデータセンターをめぐる空気そのものが変わってきたということや。

 

AIとデータセンターは、わいらの時代で最大の成長ストーリーやった。株式市場も長い間、このテーマに引っ張られてきた。でも今日、大統領との昼食会の座席表を見て、世界最大級の企業を率いるJensen Huang、世界一の富豪Elon Musk、Amazon創業者Jeff Bezos、そのほか大勢の超富裕層が並んでいるのを見た時、わいは「これはまずいな」と思った。なぜかというと、必ず誰かが出てきて、「AIによって新しく失業した人たちを尻目に、金持ち連中がごちそうを食っている」と言い始めるからや。あるいは、「このオリガルヒたちは、一株利益をもっと上げるためなら自分たちを犠牲にする」と言われる。

 

1年前なら、わいは「この人たちはアメリカが誇る最高の人材や」と思っていた。でも今は、わいが言うとるんやないで、批判する側が「こいつらは利益を増やすために、あなたの仕事を十字架にかけて犠牲にしようとしている」と言い始めている。18カ月前なら、「この経営者たちはデータセンターを建てて、何万人もの雇用を生み出している」と言われていた。でも今は違う。「こいつらのせいで電気代はいくら上がったんだ」「どれだけ水を使って環境を悪化させたんだ」「どれだけの町がいいように利用されたんだ」という話になっている。物語が完全に反対方向へ動き始めているんや。

 

そして、ここに最悪のナラティブの変化が加わった。アメリカで最も注目されているAI企業の二つ、AnthropicとOpenAIが、自分たちの製品が社会に対して重大なリスクをもたらす可能性があると公然と言い始めていることや。Anthropicが出している文書には、AIによるリスクとして「人類存亡に関わる脅威、あるいは世界のシステムを根本から不安定化させる脅威」という表現まで出てくる。いやあ、そんな会社のIPOなら、ぜひ株を買いたいもんやな、という話や。261ページある文書のうち、80ページがリスクの説明に使われている。

 

一方でOpenAIは1.4兆ドルの企業価値で300億ドルを調達しようとしている。前回のラウンドより約6,000億ドルも高い評価額や。それなのに、新しいモデルの投入を、そのモデルが社会にもたらす可能性のあるリスクを理由に遅らせているという。どういうことなんや、となる。でも理由は単純や。世の中の空気が、この人たちや、この製品に対して逆風になってきた。そしてAI推進派は完全に不意を突かれて、何を言えばいいのか分からなくなっている。わいが見る限り、AIによって大量の仕事が失われたという実証的な証拠がすでに揃っているわけではない。でも同時に、AIによってどれだけ生産性が上がったのかというプラスの部分も、業界側は十分に示せていない。

 

もちろん、人類存亡レベルのAIリスクであっても、エンジニアリングによって対処できると言うとる経営者はたくさんいる。NvidiaのJensen Huang、CrowdStrikeのGeorge Kurtz、Palo Alto NetworksのNikesh Arora、そしてOktaのTodd McKinnonや。こういう非常に頭のいい人たちは、技術的に安全性を高めるための真剣な解決策を提示している。でもAI doomers、つまりAI悲観論者の声にかき消されてしまっている。そしてこれは、かなり厳しい問題や。

 

世界でも最も高い企業価値がついている非公開企業の一つであるAnthropic自身が、「われわれの技術が最悪の場合、人類全体に壊滅的な結果をもたらす可能性がある」と説明してしまえば、そこからイメージを立て直すのは簡単やない。わいはAI doomerやない。わいがAIにかなり前向きなのはみんな知っていると思う。でもAI企業は、もっと良い物語を語らないといけない。そこで今夜は、MetaのPresident and Vice ChairmanであるDina Powell McCormickに話を聞いたんや。彼女はAIのポジティブな側面を示そうとしていて、わいには本当に新鮮に感じられた。

 

Metaは、データセンターを建設する地域で電気料金への負担を抑えることに取り組んでいる。そして中小企業と協力して、その成長を支援している。教師にはかなり大きなボーナスも提供している。そうした主張を裏付ける動画まで用意して、ほかのハイパースケーラーにも「同じことをやってみろ」と挑戦している。でも、ほかの企業は本当にやっているのか。MetaのMuse for Small Businessは、小規模ビジネスを拡大するためのツールとして、この何年かでわいが聞いた中でもかなり面白いものや。実際、Museは顧客獲得や業務運営、コンテンツ作成などを支援するAI agentとして小規模事業者向けに展開されている。

 

でも、果たしてそんな話をみんなが聞いてくれるのか。結局、「Anthropicに何百億ドルも資金を入れて、そのagentが暴走したら、最後はわいら全員死ぬんやないか」という人類存亡の話の方が注目されてしまう。リスクがあること自体は、わいも理解している。でも、なぜもう少しバランスの取れた説明ができないのかと思う。「確かにリスクはある」と言えばいい。極端な話、Stephen Kingの『The Stand』に出てくるLincoln Tunnelのシーンを持ち出したっていい。でも同時に、「製品が逆に大きな害を及ぼさないようにするために、必要なら開発を遅らせている」と説明すればいい。そして、サイバーセキュリティには実際の技術的な解決策があることも示せばいい。

 

Hugging Faceで起きたセキュリティ事件は、そのいい例や。Hugging Faceは自社システムへの侵入に対応するためにAIを使おうとしたけれど、商用のクローズドモデルはガードレールのため十分な解析ができず、最終的にはオープンモデルを自社環境で動かして侵入経路を特定し、修正することができた。Jensen Huangもこの件を、オープンモデルや分散した防御がなぜ必要なのかを示す例として挙げている。ところが今、アメリカには「ガードレールなんて気にするな、とにかく全速力で進め」という姿勢の大統領がいる。

 

トランプは、既存の法律と企業自身による自主的な管理でかなりの部分に対応できるという立場を取っている。でも民間企業による自主規制の歴史が、いつも素晴らしかったかと言えばそうでもない。タバコ、オピオイド、自動車、化石燃料を考えてみれば分かる。そしてトランプはArtificial Intelligenceという呼び方自体を変えて、「Super Intelligence」、つまりSIと呼ぼうとしている。実際、アメリカ政府内でもAIではなくSIという名称を使う動きが出ている。今日の大きなイベントでは、業界側の自主的な約束について「morally binding」、つまり道徳的な拘束力を持つものだという表現まで使われた。

 

でもAIをSIと呼び変えたからといって、AI doomersが突然「それなら安心や」と言い始めるとは、わいには思えない。そして11月の中間選挙のあと、政治の物語まで変わったらどうなるのか。今語られている見方では、民主党にとって強い選挙環境になりつつあり、もし民主党が下院を取れば、「SIオリガルヒの時代は終わった」という声が一気に強まる可能性がある、という話や。そうなれば議会でAI企業やテック業界に対するかなり厳しい追及が始まり、今日の大統領との昼食会に誰が呼ばれていたのかまで標的になるかもしれん。アメリカでは過去にも企業経営者を議会に呼び出して徹底的に追及してきた。だから、また起きても不思議ではない。

 

では、この物語をまだ立て直すことはできるのか。MetaのDina Powell McCormickの話を聞いて、それはみんな自身で判断してほしい。そしてもし業界全体が彼女と同じように、AIが電気代や雇用や中小企業にどうプラスになるのかを具体的に説明し始めたら、状況は変わるかもしれない。でも、この物語の戦いに負けたまま、この争いが続くなら、10月はかなり厳しい月になる可能性がある。そして政治的にも民主党が大きく勢力を伸ばすような展開になれば、AI、いやSIをめぐるナラティブが簡単に良くなるとは思えない。

 

結論はこうや。本来、こんな話になる必要はなかった。AIという革命的な技術が、「超富裕層がさらに利益を吸い上げ、そのために一般の人の仕事や電気代や生活が犠牲になる」という悪夢のような物語になる必要はなかった。でも今は、それが新しい物語になりつつある。そして一度こういう物語が定着すると、それを壊すのはかなり難しい。これから出てくる経済指標がようやく景気減速を示して、仮に長期金利の上昇が止まったとしても、それだけでこの問題が消えるわけではないんや。

 

 

物語がいい方向に変わりますように。

 

応援よろしくお願いします。


にほんブログ村

米国株ランキング

  • B!