こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの11/5のMad Moneyはどうだったでしょうか。
株式が以前とは違う役割を担うようになったらどうする?今日もめちゃめちゃ株価が上がったで。ダウは1.95%、SP500は1.95%、そしてナスダックは2.59%も上がったんや。昨日に引き続きてモンスターランや。続伸や。選挙はまだまだもめる様相を呈しとるのにや。トランプ大統領は法廷闘争を始めとる。COVIDの新規感染者も一日で10万人以上も増えとるんや。失業者数も上がっておる。おいおいおい。いつから株式市場は不確実性を愛するようになったんや。不確実性因子が増えれば増えるほど、株式市場は下がるんやなかったんか?
わいはここで何が起こっとるかを説明したい。ずばり、株式への皆の見方が、新しいものへと変わってきとるんや。昔ながらのプロフェッショナルはクレイジーに思うやろうが、わいは今までの長いキャリアの中で初めて、株式は価値の貯蔵庫としての役割を果たしとるという声を聞き始めておる。それぞれのアセットクラスの性質が変わってきているんだと。長期的に見て、株式は他のアセットクラスト比べてどうなのか、見方が変わって来とるんや。言い換えれば、株式は今まで思われとったよりももっと価値があるのかもしれん。物事を相対的に見ると、株式以外の価値が下がっとると言うことでもあるんやが。
今日、あの素晴らしいFed議長、パウエルが何を言ったか聞いたか?彼は経済活動を前に進めるためなら何でもすると言うた。ただし、それは政府との共同作業やと言うたんや。今のところ政府からの協力は十分ではないで。にも関わらず彼は、彼のサイドでできることをやる、債券を買い続けると言うたんや。彼無しでは本当に多くの会社が生き残れん。多くの人がまだまだ、航空会社やクルーズ船会社や、そういった会社のボトムフィッシングを狙っとることやろうが、それらの会社のバランスシートを見たことあるか?文字通り死にかけとるで。
やけどパウエルの債券購入は、バランスシート・リスクを取っ払っとるんや。もしあなたが上場会社を経営しとって、借金があったら、パウエルは天使に見えるやろう。中小企業だとそこまでじゃないんや。しつこいようやけど言わせてもらうで。わいはそのことにずっと心を痛めとるんやから。そしてそこのところは、議会と財務省がなんとかせんとあかんところなんや。ホスピタリティー産業には1400万人の人がおって、もう崖っぷちや。気温が下がれば下がるほど状況は悪くなるで。レストランがインドアでやれんのやから。外のオプションも寒すぎて無くなっていくんやから。パウエルは彼らにまで救いの手を差し伸べることはできん。財務省と議会、まじで何とかたのむ。株式市場は好調やが、それはリアルエコノミーやない。困窮している人たちがどれほどおることか。
株式市場に話を戻すと、パウエルは利率をめちゃ低くキープしたままで、それが経済をめちゃ救っとる。やけどそれは何を意味しておるんや?こんなに金利が低かったら今は債券はあんまり良くないな、そう思う人もおるやろう。違うで違うで。債券は富の貯蔵庫であるという方程式が、突然変わって自分たちが思っとるよりあやふやになったんや。そうや、Fedは緊急的にお金をいっぱい刷っとるが、それによって単純に債券を持つことの旨味が完全に無くなっとるんや。もしパウエルが事態を安定化させた後、誰がこれ以上債券を買おうと思うやろうか。じゃぶじゃぶになった状況で株を買うやろう。債券は富の貯蔵庫というレッテルがはがれとるんや。そしてその状況が逆戻りするとは限らんで。ずっとこのままかもしれん。
翻って、富の貯蔵庫としての株式はどうや?わいは38年前に初めてGoldman Sachsに行った時のことを良く覚えとるで。株式と債券のそれぞれの価値をはっきり教えてもらったんや。わいは株式がめちゃめちゃ好きやって、株式の個別銘柄の話ばっかりして盛り上がっとったんや。あるクライアントと話しとるときもそうやった。やけど先輩はわいに言うた。株式の話はもうええと。何でや?って聞くと、その先輩は、大事な秘密を教えてあげようと言うたんや。株式は下がることがある。やけど債券は下がることが無い、と。
わいは彼を見て、なんやそれはと言うたんや。わいはこのクライアントに金を稼いでほしいんや。その後もやいのやいの言って礼儀正しい先輩を困らせたんやが、その先輩は冷静にこう言ったんや。このクライアントは既にリッチなんや。人生では一回リッチになればええんや。リッチな人はお金を増やしたいというよりは、お金を保存したんや、減らないようにしたいんや。大きな儲けよりも減らない確実さがいるんや。わいはそれでも食い下がった。もしリッチなクライアントでも株を買いたい人がいたらどうするのか、と。彼は、株を買わないように薦めろ、と言ったんや。株式を持ったら下がるかもしれんから、と。債券は下がらんから、と。株式がちょっとでも下がったらそのクライアントは嫌になって客を失うことになりかねんからと。でも自分はめちゃええ銘柄、高確率で上がる銘柄を知っとるんや、それをクライアントに言いたいんや、というと、それは自分の裁量がきく資産でやれ、と言われたんや。その言葉通り後々わいは、リッチな人たちの資産を預かって株で増やすという、ヘッジファンドマネジャーもやったんやが。
この話と昨日今日の株価のラリーがどうつながっとるんやと思うかもしれんが、全てつながっとるんや。なぜなら今日、わいがGSにいて、わいがリッチな、資産を保全したいと言ってるクライアントを担当したら、絶対にこういうからや。債券より株を買いましょう、と。誰もこのことについて今語ってないで。今年はバトンタッチが行われた年になったんや。1982年には債券金利が二けた%やった。やけどその時代の、安全資産が、今はリスキーな資産になってしもうとるんや。昔と変わらず、人生は一回リッチになればええ。やけどその後、資産を保全してリッチで居続けるには、株式投資なんや。今や債券よりも株式の方に、資産の貯蔵庫としての役割があるんや。
当然全ての株がそういうわけにはいかん。やけどわいらには、MSFTやAAPLやFBやGOOGLのような会社がある。彼らのバランスシートには巨額の金がのっとって、それは多くの国の国家予算よりも大きい。これらの会社はグレート・リセッションを生き抜いて更にタフになった。国全体はそうとは限らん。2020年のパンデミックはどうや?彼らは生き抜いとるだけやない。更に大きく上昇しとるんや。国はどうや?生き抜こうとやっきになっとる。今のこの大統領選挙の体たらく。世の中を変えていっとるリーダーは誰や?貧困や、病気や、格差問題や、気候変動問題に立ち向かっとるのは誰や?
初代007のジェームズ・ボンド、ショーン・コネリーが亡くなった。偉大な人の死に哀悼の意を捧げたい。それと共にボンド(債券)も立場を失った。ジェームズ・ボンドやないで、今はジェームズ・ストックなんや。株式がこれからの新しい資産の保全装置、富の貯蔵庫として働くんや。そうや、わいの言っとることは新しい、ともすれば素っ頓狂に聞こえることは承知しとる。今はビットコインもあるし、ゴールドも輝きを失ってないで。
やけどここのところの2日間の株式市場の上がり、いや、この一か月、いや、この半年、いや、このパンデミックをはさんだ今年、ここからわかる真のレッスンは、株式市場は政府の助けがいらん。やけど債券はいるんや。何を意味しとるかと言うと、もしあなたが若ければ、債券の存在なんか忘れてしまえと言いたい。バランスシートが素晴らしい会社はどの中央銀行よりも素晴らしい富の貯蔵庫で、長期的に見たらずっと少ないリスクでめちゃめちゃええパフォーマンスを出すんや。
自分の資産のうちの債券の割合は0です。
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