【ジム・クレイマー】売りは買いと同等に大事！怠惰な思考の罠にはまってはいけない！【Mad Money】

今のマーケットには怠惰な思考が広がっとって、それがどんどんわいを心配にさせるんや。今日はダウは-0.3%、SP500は-0.09%、そしてナスダックは+0.16%やったで。怠惰な思考とは何やって？それはあなたのネガティブさがええストーリーを邪魔してしまって、マーケットをきちんと見ることができないことや。わいはそういう例を数えきれんぐらい知っとって、用意周到に考えることなしにええストーリーをむざむざ見捨てたり、あなたが持っとる株のポテンシャルを信じ切れずにその後の上がりをとれんかったり、そういう例を今回は言っていきたいと思うんや。リアルライフの実際の例や。

もちろんあなたのポートフォリオのほとんどがインデックスファンドやったら、別にあれこれ考えんでええんや。もしそれをそのままおいておいて、65歳になるまでとかそれ以上おいておいたら、もはやあなたは個別株をどうしようか注意を払う必要はそんなにないんや。やけどわいの仕事は、過度なリスクをとらずに、でも大きなお金を儲ける方法を教えることで、そしてそれはただ感情に左右されとったらなしえないことなんや。

毎日わいはわいのファンドのポートフォリオを見て、何か異変がないか目を凝らして、そして何か変えるべき点がないか見るわけや。鉛筆を持ちながらチェックしていくわけや。目標株価に達したものはないか、ちょっと上値が重くなってきたものはないか、注意を特別払わなければいけないようなものはないか、とな。やけどわいはそこでもともすると、怠惰な思考の犠牲者になってしまうんや。そうなることはほとんど毎日なんや。いつも怠惰な思考に侵されて、ともすれば間違った決定をしそうになってしまうんや。わいの心の動きの具体例を言っていくとわかりやすいから、今から言う例を是非あなたの普段の考え方を振り返る材料にしてほしいんや。

どんな感じかというと、こんな感じや。例えば、わいはインフラ法案が予想されてたよりも早く実現するかもしれんと思ったとき、Nucor (NUE)を買ったんや。よく考えた末の決定やったんや。そうや、地球上でベストのスティール会社や。以前により安い株価で買ったNUE株を持ってたこともあったんやが、やけどやっぱりスティール価格はめちゃ上がっててCEOのLeon TopalianがMad MoneyでめちゃめちゃBullishやったから、NUE株を買うのは素晴らしいアイディアやと思ったんや。やけどわいはタイミングを誤ったんや。わいは$107近辺で株を買ったんやが、わいは$111からプルバックしてきとったその時を素晴らしい買いの好機やと思ったんや。そしたら株価が$89まで落ちるのを恐ろしい思いをして見とかんとあかんかったんや。そしてしばらくして、素晴らしい決算が発表されて、その数字はただただ素晴らしくて、ガイダンスも素晴らしくて、そしてそれは当然や。全てのグレードのスティール価格が上がっとって、それはしかもインフラ法案が通る前なんやから。

そして今日、ついにNUE株はまた$107に戻ってきたんや。わいがこの前買ったところや。わいのResearch DirectorのJeff Marksとしゃべってる中でNUE株の話になったんやが、わいの直感がわいに語り掛けたのは、ここでいくつか売った方がええということだったんや。ようやく買値に戻ったんや。あの下落という恐ろしい思いを乗り越えてようやくここまで来た。やった！損したと思ったら損じゃなかった、イーブンだった。もうあんな思いはしたくないし、やれやれと、ちょっと売ったろうやないか。でもそういうことをしゃべってて気づいたんやが、売りたいのはわいだけやったんや。そして気づいたんや。わいが売りたいのは買値にこだわってただけやったと。これが怠惰な思考や。一時期大きく下がって損をするかと思っていたら戻ってきたから、やった、イーブンだと思ってポジションを軽くしたかったんだと。わいはJeffとdiscussionしてなかったらもうNUE株を売っとったかもしれん。やけどこれが怠惰な思考のパワーなんや。利益のたった6倍の株価の素晴らしい会社の株を、そしてインフラ法案の成立がほとんど確実と思われとる今、ただ買値に戻って再度下落したらかなわん、もう恐ろしい思いはしたくないという理由だけで売りのほうに傾いてしまうんや。

今わいが考えたことを改めて見直すと、全部Nucorがこれからどれほどビジネスをうまくやるのかどうかとは何も関係ないことなんや。なのになんで売らんとあかんのや？皆、自問自答せんとあかんのや。何かを売る前には、本当にこれを売るのは正しいことなのか？とな。わいは実際ここからNUE株が再度下落しても気にせんで。1兆ドルのインフラ投資法案がくるんや。そしたらその効果は今年だけやない。何年にもわたって続くんや。スティールの売り上げはまた点火するやろう。買値を気にしてたわいがどれほどずれとるかわかるやろう。普通に冷静に考えたらわいの直感で思ったことが理にかなってないことかわかるやろう。

この怠惰な思考は実際わいらの投資にとってやっかいなものや。皆直感的な感情で理にかなってない動きをとったりしてしまうんや。わいは今朝、多くの人がFedがいかに間違っているのか議論しているのを聞いたで。わいはそれらの人々をリスペクトしておるが、やけど金曜日の強い雇用統計の後で、Fedがやっぱり金融緩和状態を続けておることに批判的な人は多いんや。Fedは明らかに間違っとると言う人までおるんや。わいはその意見には反対なんや。わいはパウエル議長は正しいと思っとるんや。やけどわいは心配になってきたんや。わいは金曜日は休みをとっとったんやが、わいは経済の過熱でFedが予想より早くアクションをおこさなあかんとなって、マーケットはクラッシュするんやないかと思ったんや。そしてわいのファンドのポートフォリオをみとって、一番大きな勝者のポジションを削った方がええんやないかと思ったんや。例えばCostco (COST)をちょっと売っとかなあかんかなと思ったりしたんや。もうここまで大きく上がって来とるし、もし金利が上がり始めたら、このハイグロースの、マーケットで高い部類に入るCOST株は、下落するかもしれんと思ったからや。

繰り返すがこれも怠惰な思考のパワーなんや。まず、Fedが間違っとるとただ人が言っておることでわいの行動を変えなあかんのが、まずダメやないか。わいはFedはええ仕事をしとると思っとるんや。このような極限の、難しいかじ取りの状況でな。わいらは今いろいろ愚かなことがおこっとる状況にあるんや。例えばフロリダ州は、Norwegian Cruise Line (NCLH)がクルーズ船の客にワクチンを義務付けるのに反対しとって泥沼の裁判沙汰になっとったんや。ワクチン接種者だけがクルーズ船にのれば、その中は集団免疫状態になって、クルーズ船の外より安全なはずや。やけどフロリダ州知事は、ワクチン接種を義務づけたり、ワクチンの証明書を必要とするビジネスには罰金を科すといって、もめとったんや。今週末、ようやくNCLH側の勝利で終わったんやが、わいに言わせればフロリダ州はCOVIDの感染を抑える気がないと言われても仕方がないと思うで。

もちろんフロリダ州にはCOVIDが広まるにまかせる権利があるで。やけどこういう愚かな世界で、Fedのパウエル議長にどのような選択肢がある？ほかの多くの人と同様、わいは、そしてパウエル議長は、わいらはとにかくパンデミックを克服せんとあかんと思っとるんや。医療健康上の危機やからや。パウエル議長が、もし利上げを早まったら経済が沈下して、またすぐ利下げをするはめになることを心配するのは当たり前やないか。

やけどもっと重要なことに、わいがなぜCOST株を売ろうとちょっとでも思ったんや？Costcoの会社に何か間違いがあったか？決算をミスしたか？違うやろ？雰囲気的にしっかりしてそうな人たちが言っとることにつられてしまっただけなんや。引っ張られて恐れてしまっただけなんや。こういう思考は確実さがないんや。厳格さがないんや。幸いにもわいはすぐ思い直して、COST株を売らんかったんやが。

怠惰な思考の最後の例を挙げておくで。わいのファンドはLinde (LIN)を持っとるんや。高成長の素晴らしい化学会社で、先週素晴らしい決算を発表したところや。この会社は汚染物質のないグリーン水素を作るための水素のプロバイダーだったりするんや。そして今朝、競争相手のAir Products (APD)がひどくミスした決算を発表したんや。繰り返すが、ここでのわいの怠惰な思考はどうやったと思う？Lindeを売らなあかんかなと思ったんや。このAir Productsの決算の悪さから連想してLinde株を売る人が続出するんやないかと、そしたら株価が下がるんやないかと思ったからや。

もうおわかりやろ？そういう思考は愚か者のゲームや。やけどあまりに多くの人がこういうことで株式を売買しとるんや。わいは思い直してLindeは売らんかったで。どの株を売るのかということは、どの株を買うのかと同じぐらい重要なことや。多くの情報を咀嚼して考えるんや。やけど巷でネガティブなことがうわさされていたから、とかそのようなただ表面上の感情的な思考と、ほかの思考は区別して考えんとあかんのや。そもそも好き勝手言っとる人はあなたよりもその株について詳しくないかもしれんやろ？ゆめゆめ、怠惰な思考にとらわれたという理由だけで、簡単に優良株を売るんやないで。わいらは絶対に怠惰な思考を止めることはできん。やけど注意すればわいらは自省によってそれを一つ一つはねのけることができるんやで。