【ジム・クレイマー】今多くの「希望」があふれとるが、「希望」は戦略にはなり得ないんや！現金を厚めにするんや！【Mad Money】

「希望」は戦略にはなり得ないんや。やけど今多くの「希望」があふれとるのを見とるで。わいは「楽観さ」は好きなんやが、やけど「希望」だけにたよって株式投資をしてしまったらあかんのや。別に全てのポジティブさを無視せよと言っとるわけではないで。やけど今日のような、上昇ではじまってどんどん下落していく日というのもあるという話や。ダウは-0.26%、SP500は-0.34%、そしてナスダックは-0.30%やったんや。今という時は多くのキャッシュを蓄えとってもええかもしれんのや。そしてもっと状況が良くなった時にそれを働かせるんや。不確実な要素が今はいっぱいあるからな。

将来もしかしたらいいことがおこるかもしれんと思った時に株を買うのがええことや。やけどいいことがおこるかもしれんというポジティブな思いは間違っとることも当然あるやろ。今日のニュースといえばやっぱりCPIの発表や。消費者物価指数は前年同月比で+8.5%上昇やったんや。40年以上ぶりの高さや。わいは、もしかしたらこのCPIの発表が最後の恐ろしい数字になるんやないか、そういう兆しがないかどうかを探したんや。インフレがピークを迎えてないかどうか。そういう視点で見て唯一わかったのは、中古車価格は下降に転じとるかもしれんということや。

まあそのことは今朝のCarmaxのひどい決算の数字でも予想できたことや。同店売り上げが6.5%も下落しとったんや。アナリスト予想はフラットやったのに。中古車の値段は一年前と比べてなんと41%も上がっとるんや。なんでこんなに上がっとるかというと、半導体不足とかで車会社の新車の製造が十分じゃなかったからや。やけどクレイジーな価格上昇で需要の減退がおきとって、売り上げが下がっとるんや。車の半導体不足やが、車で使われる半導体はそれほどハイクラスなものではなくて利益率が高くないということで、半導体会社が本腰をいれてつくっとるものとは違うんや。アメリカでも自国で半導体工場をつくろうという動きが出て来とるが、その動きが実を結ぶのはまだまだ先になるやろう。もう二年間もこの半導体不足の状況は続いとって、どれだけ早くても今年の終わりまでにはこの状況は解消されんやろうと言われとる。

中古車価格は41%上がっとるというたが、ガソリン価格の上昇もひどいで。38%も上がっとるんや。食品価格は8%上がっとる。ロシアとウクライナの戦争によるところが大きいで。ロシアとウクライナで、全世界のカロリーの30%を占めとるという計算があるぐらいやからな。もちろんロシアのエネルギーの禁輸を含む制裁もきいとるんや。わいは実際アメリカ人の消費に関してはBullishなんや。昨夜JPMorganのアナリストのMatt Bossはアメリカ消費の強さについてポジティブなことを言うとったで。

一番大きな部屋の中の象は何かというと、中国や。中国は今凄まじいロックダウンの最中にいるんや。COVIDのせいでな。世界中の国々が中国が製造するものに依存しとるから、中国のシャットダウンはグローバル経済に大きな影響を与えるで。中国人のワクチン接種率は90%や。普通はひどいことにならんはずやが、やけど中国政府はmRNAワクチンを使うのを拒否して自分の国の会社がつくったワクチンにこだわったんや。それが問題やったんや。中国のワクチンはファイザーやモデルナやバイオンテックが作るものよりずっと効果が低いんや。

中国で製造をしとる会社は中国以外の選択肢を以前から探しとるやろう。中国は以前はビジネスフレンドリーやったんやが、かの国の態度はすぐ変わり得ることをわいらは学んだんや。中国は彼ら自身のちっぽけなプライドのために、西側の国が作ったワクチンを拒否して、そのせいでグローバル経済に大きな影響がある。こういうことを今後人質にされるのはかなわんから、中国以外の選択肢を皆が見つけるべきなんや。ただ中国への脱依存にはそれはそれで長い時間がかかるやろう。

ネガティブなことを言うてきたが、裏を返すとこれからポジティブなことがおこり得るということや。いつになるかわからんが、ロシアとウクライナの戦争は終わるやろうし、中国はいつかリオープンするやろう。半導体工場が建設されたら半導体不足も解消されるやろう。そうなったら株式市場は今よりもずっと上にいくやろう。結論やが、そうは言うても、こういう状況で根拠のない「希望」を胸に抱えて株式取引をしたらあかんのや。まだまだ株が本格的に上がる状況には程遠い。だからわいのファンドでもキャッシュを積み上げとるわけや。今「希望」が口々に語られとるが、それにのせられて株を買う時期ではまだ全然ないんやで。