【ジム・クレイマー】フェデックス・ショック！グローバルにこんなに状況が悪いとは思っていなかった！？【Mad Money】

毎回毎回よくもまあわいらを振り落そうとしてくるもんやでマーケットは。毎日毎日何かしらのネガティブニュースがあるな。時に日中に激しく株価が動くんやが今日だってそうやったで。ジェットコースターのように相場が上下して結局は今日はダウは-0.56%、SP500は-1.13%、そしてナスダックは-1.43%やったんや。午後に入って相場が良くなったかに見えたから、わいはCNBC Investing Clubのmonthly meetingをやっとって、これは上に行くんやないかと思っとったんや。やけどそうじゃなくて、何よりも今日の引け後は。わいらはクリーンパンチをもらったで。わいは長年この業界にいるが、その中でも有数の醜い数字のカットをFedexが発表したんや。

どんなにポジティブに解釈しようとしてもできないほどのガイダンスのカットや。決算を9/22に控えて、暫定決算も公表したんやが、EPSも売上高も予想に遠く届かないんや。来期は更に状況が悪化すると言うとる。おいおいおい。六月の末の決算でこの会社はなんと言うとった？物事はかなりうまくいっていると言うとったやろ？たった三カ月もたってないのに、こんなに早く状況がこんなに大きく悪くなるなんて。

実のところ六月の決算から毎週毎週状況が着実に悪化したということなんや。本当に毎週の悪化なんや。Fedexの悪化はアジアから始まったんや。そうや、中国や。COVIDでいつまでも完全に国を開けないんや。驚くべきことに状況は悪化しとるという見方さえある。そしてヨーロッパや。ロシアとウクライナの戦争でエネルギー価格がうなぎのぼりや。去年に比べて3-10倍なんてクレイジー以外の何物でもない。誰がそんなの払えるんや？そしてそんな状況で誰がヘルシーなビジネスをやり続けることができるんや？

アメリカの状況は確実に中国やヨーロッパよりはええで。やけどそんなアメリカでさえ、ここ数週間でビジネスはスローダウンしとる、そういうことがFedexの数字から読み取れるんや。eコマースもダメになっとるという程ではないが、やけどわいらが期待したよりはずっと良くないんや。会社の業績が悪くなる時は個々の会社の固有の原因と、マクロ要因があって、個々の会社の要因が大きいのにそれを棚に上げてマクロ要因のいけてなさをアリバイにとりながら言い訳をするCEOがいっぱいおる。ただ、今回のFedexはそういうわけではないと思うんや。

Fedexは宅配の分野のパイオニアや。競争相手のUPSよりもずっと早く物を運ぶことができる。わいはだから、CEOが業績の悪さを環境要因に責任転嫁することはある程度理解するで。やけどここで大事なのは世界中の経済のスローダウンがこんなに急激やということや。Fedexは別に炭鉱のカナリアではないで。Fedexはむしろがっつりと炭鉱の中で仕事をしとる炭鉱夫や。その炭鉱夫が死にかけとるという状況なんや。だから、来週のFOMCでパウエルは1%の利上げをすべきやという人がおるが、わいは冗談じゃないと思うで。0.75%の利上げにとどめて、その後の状況を注視してほしいんや。

Fedexがアジアでどのようにこれからやっていくのか。ヨーロッパでどのようにやっていくのか。そしてアメリカのeコマースについてどういうのか。そういうことを注視もせずに軽々に1%の利上げをするなんて冗談じゃないで。そんなことを言うとる人は愚か者や。そういう人は何を見とるんや。どうやったらそんなに間違えることができるんや。まあでもわいも間違ったんや。わいはこんなに状況が悪いと思わんかったんや。わいの今日のCNBC Investing Clubのミーティングでも、まあそこで言うたのはFedexみたいな経済状況に深く左右される株じゃないから、間違ったことは今でも言うてないと思うが、悪い経済で良くやる質の高い株について語ったんやが、それにしてももっとポジティブな感じでしゃべっとったんや。わいはFedexがこんなに悪くなっとるとは思わんかったんや。

Fedexがこんなことになったら、皆がとりがちなリアクションの一つはパニックや。こんなに経済がスローダウンしとるんやったら、なんでそもそも株を持たんとあかんのや。株を売り払って3.8%ものジューシーな金利がついとる二年債を買って寝とけばええと思うやろ。そう思う気持ちはわかるで。OKや。やけどわいはそうすることを薦めない。その理由を三つ挙げておこうやないか。まず一つ目やが、今回の決算はCEOのRaj Subramaniamの初めての決算や。彼は六月に新しくCEOになったばかりやからな。彼はストレートシューターではっきりものを言う男やが、この悪い状況が彼の経営手腕によるものという可能性もあるということや。裏を返すと、グローバルな経済は今のFedexの数字が示すほど悪くないかもしれん可能性もあるんや。

例えばUPSのCEOのCarol Tomeが、事業は世界中で絶好調よと言うたら、じゃあRajが悪いやないかということになるんやけどな。たぶんUPSの株も明日大きく下がると思うから、もし下がったらそこでちょっと買いに賭けてみてもええかもしれんで。わいはUPSはFedexよりずっとええと思うからな。やけどここで言いたいのは70%がマクロ要因で30%が経営陣の要因とかそういう割合はわからんが、誰も完璧な人はおらんくてRajのはじめての四半期ということだけは言うとくで。

第二に、悪くなっとる状況を作っとるのは神様じゃなくて、人やということや。人的要因で状況が悪くなっとるんや。ということは良くなる可能性もあるということなんや。中国は全く馬鹿げた、彼らのサイエンスに則ったワクチンを使って、わいらのサイエンスに則ったmRNAワクチンを使うことを拒否しとる。効果の薄いワクチンを使って、しかも感染者が出たら素早くロックダウンするというゼロCOVIDポリシーを運用しとる。これがいろんなことをクラッシュさせとるわけや。やけどこれは人的要因や。

習近平がmRNAワクチンを使うと言えば済む話や。今はアメリカではマスクをしなくなったし、インフルエンザで入院する人の数の方がCOVIDで入院する人の数より多いんや。そうなっとるのに、中国は毎朝毎朝PCR検査を非感染者もやりまくって、ちょっと感染者が出ただけでロックダウンや。サイエンスをなめるなよ。テクノロジーをなめるなよ。

そしてロシアや。プーチンがヨーロッパの弱さの元凶や。はっきり言うてやるで。その元凶と違う元凶が会談しとるよな。それで何が解決するんや。元凶同士でそれぞれの元凶のやっとることを理解し合っとるというニュースが流れとるが、それで何がええ方向に向かうんや？結局それぞれの国益しか考えていないのに。中国は結局のところロシアの石油を安価に買いたいだけや。わいは習近平はロシアが戦争に負けつつあることをわかっとると思うで。ロシアが戦争をやめて中国がmRNAワクチンを使ったら、それでもあなたは株を全降りした方がええと思うか？思わんやろ？ということは今の悪状況はやっぱり人的要因ということなんや。

第三に、今問題になっとるのは賃金インフレやが、わいはついにそれがおさまりつつあるという感覚があるで。経済はそれほど、きちんと悪くなっとるんや。中国が悪いと言うたって、彼らのつくるものはわいらに運ばれてくるんや。全体が悪くなるのは当たり前やろう。わいはとにかく劇的な利上げを繰り返すべきやと言うBearはきちんとこの状況の悪さをわかってないと思うんや。この二年債の金利の高さで株を買うのは容易ではないで。配当株だって霞んで見える。やけどわいは今ここでAAPL株は買えると思うで。iPhone14の予約は予想より好調という話やしな。ヘルスケアはどうや？石油天然ガス銘柄はどうや？詳しくはわいは今日のCNBC Investing Clubの月例ミーティングでしゃべったが、今、金利がこれからも上がっても良くやる株で、しかも大きく落ちてきてバリュエーションの低い株は多くあるんや。

もしくは来年まで休むのも別に悪くはないかもしれんで。習近平は本当にモデルナのワクチンを使い始めるかもしれんしな。ウクライナは完全に戦争に勝つかもしれんしな。クレイジーやとおもうか？やけど今のマーケットがそもそもクレイジーなんや。二年債の金利が上がったら猫も杓子も売られる。クレイジーやないか。

結論やが、Fedexの発表は本当に深いで耳障りや。その上でいいニュースと悪いニュースがある。良いニュースは、今の悪状況の元凶は人的要因やから、改善する可能性があるということや。悪いニュースは、Fedexの発表は氷山の一角を表しとるだけかもしれなくて、わいらは状況がここまで悪いとは思ってなかったわけで、状況はここから更に大きく悪くなることがあり得るということなんや。