こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの10/10のMad Moneyはどうだったでしょうか。
下落基調が続いとることを認めんとあかんな。マーケットがいろいろなネガティブ要因を織り込もうとするたびに、ほとんど全ての経済のフロントにたっとるものが下落していくんや。今日もそういう下落の一日になったで。ダウは-0.32%、SP500は-0.75%、そしてナスダックは-1.04%やったんや。ハードな動きや。しかしこれがベアマーケットなんや。ベアマーケットはいつも、あなたにそろそろ買いに入れるかなと思わせて、買いに入ったらまた下落していくんや。
わいは今日の早朝マーケットをチェックした時は下落しとって、それはそうやろうなと思ったんや。何もええニュースがないし、上がらないのも納得やと思ったんや。無理に何かいいニュースがないかとひねり出そうとしたら、今日はアメリカは先住民の日で(コロンブスデーとも言う)、株式市場はあいとったけど債券市場はお休みだったんや。債券金利の上昇で打撃を受けてきたマーケットとしたら、債券市場が開いてないことはかすかなええニュースかもしれん。
そういうことで今朝先物を見とったら、5:15AMぐらいから株が上がりだしたんや。他の国の株式市場とか債券市場の動きを見たが、別にどれもその株の上がりを正当化されると思える要因はなかったんや。週末に見逃したニュースがあったかなといろいろ探ってみたが、何もポジティブなものはなかったんや。個別株も、Kraft HeintzとかMerkのアップグレードとかあったけど、それ以上の会社の株で目標株価の引き下げやダウングレードがあって、結果今は買い時じゃないとわいは結論付けたんや。
しかもや、バイデン政権がアメリカの半導体輸出規制措置を発表して、半導体株は軒並み売られたりしたんや。この措置にはAIやスーパーコンピューティングに使われる半導体も一部規制範囲に含まれとるし、輸出規制も含まれる。中国企業への半導体機器の販売に関わる規則も厳格化されとるんや。この措置は予想されとったよりももっともっと広範囲だったんや。
その上でロシアはウクライナで首都キーウをはじめ各地で大規模なミサイル攻撃をやって、プーチン大統領はクリミア大橋の爆破の報復やと言うとるんやが、多くの非難を浴びとる。そういう中でマーケットがこの先のシビアなリセッションを織り込もうと思ったら下落しかないやないか。確かにテクニカルにはマーケットは今売られすぎのレベルにあって、だから先物は上がったりしとったんやが、わいぐらいになるとこの騙しの上昇にはひっかからんのや。
わいはだから今朝の番組でDavid Favorに、株価上昇の理由が無ければその株価上昇はリアルではない可能性が高くなると言うたんや。その点をCNBC Investing Clubのモーニングミーティングでも繰り返したで。今日のような上がって始まる日というので持続力に陰りがすぐ見えたら、騙しの上昇である確率が高いんや。悲しくも多くの人がここからの上昇に賭けとったようやが、マーケットは上で開いてから瞬く間に下がり始めたやろ。ただ何となく上がりそうという気持ちだけでマーケットに乗っかったらあかんのや。ただFeel Goodというだけで乗ったら、だいたいFeel Badで終わってしまうんや。
時にセンチメントの逆に賭けることは功を奏することがあるで。時にリーズナブルや。物事が急にどっちかに触れたら、その揺り戻しがあるのは当然やからや。例えばドットコムバブルの崩壊や。あの時、バブルが膨らんどったテクノロジー株の暴落がおこったのは論理的に正しいことやったんや。ただ、わいは今はあの2000年の時とか、金融危機の2007 -2009年の時と同じだとは思わんのや。ドットコムバブルの時の上がりすぎとった株は、下落に十分に値したんや。全然儲けてない会社が大半やったんや。下がるべくして下がったんや。今もごみのようなスパック上場した会社とかがあるわけやが、やけどそれらでさえほとんどは、ドットコムバブルの時のテクノロジー会社よりまだましなんや。
あの金融危機の時だって、本当に多くの専門家が銀行の国有化を真剣に検討しとったんやで。当時のベン・バーナンキ議長がゼロ金利政策をやって量的緩和を打ち出して、2009年にようやく銀行の危機は去ったと言うたわけやが、あの時とは全然違うで。ドットコムバブルもリーマンショックも、今の状況のアナロジーにはなりえないんや。ちなみにベンよ、ノーベル経済学賞おめでとう。
ただわいらのインフレはしつこくて、すぐにやっつけんとあかんのやが、Fedはほとんど一つしか手段がないんや。それが利上げや。ただ利上げはそこまで即効性があるわけでもないんや。それが実は今の真の問題になっとるんや。人々の貯蓄は今、COVID時代から劇的に下落しとるが、それで人々の消費が抑えられるはずやが、インフレ退治には時間がかかっとるんや。ローン金利は7%という高値になったのに、まだまだ人々は家を買っとるんや。会社によっては人員整理をやっとるんやが、まだまだ天職を繰り返して賃金をあげていくジョブホッパーは多いんや。まだまだ需要は強くてサプライチェーン問題も完全解決には程遠いんや。
こういう状況で、わいらは今、Fedがこれからどのぐらい利上げをして、いつそれを止めるのか、わからんのや。先週の強い雇用統計の数字と失業率の低下でわかったのは、利上げの終了が近い将来にはないであろうということや。もちろん今週のPPIとかCPIの数字で、多くの物価が下がっとるという結果になるかもしれん。そうなったらセンチメントは劇的に改善するか?わいにはわからんで。強い雇用統計の数字の印象をかき消せるかどうかはわからん。わいは政府発表の数字を過去20年にわたって精査してきたが、非農業部門の雇用者数よりも重要視されとる数字は、文字通り何一つないと感じるんや。
今多くのマネーマネジャーが更なる利上げによる経済の深刻なスローダウンをおそれとるが、今Fedはインフレとの戦争に実は負けつつあるところで、あせっとるんや。もしかしたら2-3年後に今を振り返った時、この時のFedの急激な利上げが深刻なリセッションにつながってしまった、Fedは利上げのペースをもっと緩やかにして待てばよかったのに、という感じに思える未来が来るかもしれんが、そしてそうやって後から言うのは常に簡単なことなんやが、今この時点での現状は、WFH(Wage, Food, Housing; 賃金、食品価格、家の値段)のインフレはまだまだ治まってないということなんや。
Fedは直接的にWFHのインフレに働きかけることはできんが、金利を上げてお金を借りる際のコストを上げることで皆にお金を借りにくくさせて、経済を冷やすことでWFHを冷やすしかないんや。食品価格が上昇しとるのは、農作物を作る際の肥料の30-40%は、ロシア、ベラルーシ、ウクライナから来とるからや。もっと人々が困窮したら安い食品しか買わなくなって、食品価格は下がってくるはずなんや。ハウジングに関しては、ホームビルダーが、高いローン金利を埋め合わせるために家の値段を大きく下げるはずなんやが、まだそこまでの家の値段の低下はおこってないんや。
Fedはデータを重視するから、WFHが下がって来たというデータがではじめたら利上げの手を緩めるやろう。今日Fedのブレイナード副議長もそういうとった。ただ今はそんなデータは出てない。希望も推測も材料にはならない。こういう状況の時は、マーケットが本当に真の意味で売られすぎになるまでは、一時的なラリーがあったとしてもそれはフェイクやと思わんとあかんのや。わいはまだまだ真の意味でのマーケットの売られすぎ状態には程遠いと思うんや。
わいはFedを信頼しとる。データが変わればFedの姿勢も変わるやろう。悲しいことにでも、データは変化してないんや。だからもう、見て見ぬふりをしてなんとなく売られすぎっぽいから買ってみようと思うことはやめようやないか。まだまだWFHのいい数字は見られていない。慎重に行くべき時や。慎重にいきすぎて別にリバウンドの最初を逃したって、そんなことたいしたことないやないか。まだまだわいらはリバウンドを考えられる状況に来てない。ということで現金を厚めに注意深く、用心深く事態を見ていくしかないんや。
結論やが、今は株価の真のリバウンドは考えにくい。Fedがインフレ戦争に勝ちつつあるという更なる証拠のデータが無い限りは、金利はどんどん上がって、株価上昇も常に短期で一時的になってしまうんや。繰り返すが、現金を厚めに注意深く、用心深くいこうやないか。
厳しい時間が続きそうですね。
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