こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの11/17のMad Moneyはどうだったでしょうか。
危機や危機や。これこそ危機や。今わいらはまごうことなき危機を目の当たりにしておる。そうや、今も継続中の仮想通貨取引所のFTX発の危機はまだまだどうなるかわからん。危機の列車が既に出発してしまっとるんや。ただその危機を前にしても、株式市場は打たれ強くてそんなに下がらんのや。このバンクマンフリードのスキャンダルでも株価平均が全然大きく下落しない、その株式市場の強さこそ注目すべきことや。
今日はダウは-0.02%、SP500は-0.31%、そしてナスダックは-0.35%やったんや。下落はしたが、これを強いといわず何を強いと言おうか。この強い株式市場と対照的に、危機をもろにかぶっとる仮想通貨市場は一年前は3兆ドルの市場やったのが今は一兆ドルをきっとるんや。このペースやとまだまだ大きく仮想通貨の価値は落ちるやろうと言わざるとえんで。ここから半値になることも現実的にあるやろう。
この仮想通貨狂騒曲ともいえる状況は、仮想通貨に紐づいとるものすべてに影響を与えとるんや。だからポテンシャルなダウンサイドはめちゃめちゃ大きなものになり得るで。中央集権システムから脱した洗練されたシステム、中央銀行もいらないとうたわれた仮想通貨がこの有様や。確かにわいらはもっとええ金融システムを夢想することはできるし大事なことかもしれんが、今の仮想通貨がそれを担えるわけではないで。
ということで仮想通貨のことはもう忘れようやないか。ここから更に転げ落ちる様を観察しても一ドルにもならん。ただ大事なのはこれほど大きな事態になっとるのに、株式市場がそれほど影響を受けてないという点なんや。こういう金融関係の不安がおこったときは往々にして、ヒット人はまず金融資産を現金にして安心を得たいと思うものなんや。株式を含めたリスク資産からちょっと資金を引き揚げようと思うものなんや。
ただ今回の動きから考えるに、皆、株式投資はリスクをとるベーシックなものやと思っとるようやな。そして仮想通貨やよりリスキーなものとは区別されとるようや。今日はセントルイス連銀のブラード総裁のタカ派発言もあって、以前は金利は4.75-5%やと思ってたところを今は最低でも5-5.25%が必要やと発言して、下手したら7%もあり得ると言うたんや。そのことで株式市場は下落したりもしたわけやが、そしてその下落の時はFTXの件の悪い要素を織り込みにかかるいいタイミングだともみなされて、更なる下落が引き起こされるか注目されたんやが、結局株式市場は粘り強かったんや。
一昔前なら今日のような状況は株式市場が4-5%暴落しとっても不思議じゃないような状況やったんや。やけど実際は引けにかけて株価は戻って来たし、下落の日とはいえ株式市場の強さが現れた一日やった。じゃあなんでこんなにマーケットは強いんや?まず第一に、FTXの件が株式市場にインパクトをあまりもたらさなかったからや。株式市場の投資家のパイに比べたらFTXやそれに付随する仮想通貨の喧騒に巻き込まれる人のパイは小さいのかもしれん。大きな機関投資家もあまり仮想通貨界隈に影響を受けてないのかもしれん。
第二に、仮想通貨の世界で二兆ドルが消えたって、COVIDの時代からFedがあまりに多くのお金を刷って政府がお金を国民にばら撒いたから、そっちのパイの方がバカでかくて仮想通貨の崩壊に大きな影響を受けないのかもしれん。わいはこの考え方が好きやで。例え多少仮想通貨で多くの人が損をしたところで、各家庭のバランスシートはまだまだ強いから、皆株式市場から資金を引き揚げるまでは困ってないということや。確かに今回のFTXで大損した人が多くおることはわいもわかっとる。やけど結局そういう人はいまの金融業界で代表的な人ではないということかもしれんな。だって政府は二年もの間国民に気前よくお金をばらまいてきたわけやから。
第三の理由として、これがわいは最も大事やと思うんやが、もはや株式市場はここまで大きく下がってきて、ベアマーケットモードに随分昔からなっとるわけやから、多少仮想通貨業界がどうなったって、多少の悪いことはもう株価に織り込まれとるのかもしれんということや。もう一年もわいらはベアマーケットモードなわけやから。ベアマーケットの平均寿命がそれぐらいや。株を売りたい人はもうとっくの昔に売り払っとるはずや。今のマーケットが打たれ強いのはこういうことやとわいは思うんや。
売り手が枯渇しとるんや。今株を持っとる人は長期で持ち続けとる人が大半、そういう状況になっとるんや。多くの人がインデックスファンドに投資をしとって、そういう人はあまりトレードはせずにこつこつと積み立てとるだけなんや。そういう人にとって今ここで売るということはアメリカをあきらめるのと同義で、そんなことする必要は微塵もないと皆思っとるんや。
去年の11月にFedがインフレとの戦争を宣言してから株式市場は下落の一途やったわけやが、これによってウォール街は下落に、そして悪いニュースに慣れてしまったんや。実際もう麻酔をうたれたように悪いニュースに敏感に反応しないマーケットになっとる。システム全体に波及するようなシステミックリスクでない限りは、例えばただのシクリカルなリスクにはもう不感症になってしまっとるんや。
金融危機の時以外はわいらはただシクリカルなリスクがあるだけやったんや。2007-2009年の時は、この国のメジャーな金融機関がダメになると思われたからあんなにも売りが激しかったりしたわけや。そういう時は自分のお金をリスク資産から引き上げることは100%理に適っとる。やけど今はそういう状況じゃないことは明らかやろ。わいは別にここからまだマーケットが下がることはないと言うとるわけではないで。誤解せんでくれよ。
今決算シーズンやって見ていたらどうや?例えばソフトウェア会社や。意外にも決算後いい株価の動きをしとるソフトウェア会社は、あまりええ数字を決算で発表してなかったりもするんや。どういうことかというと、ここまであまりに大きく下がりすぎた反動が今来とるということなんや。ということはいわゆる、デ・リスクの状態や。リスクが取り除かれとるんや。ソフトウェア会社は株式市場にとって大事なセクターや。利益ベースではなく、利益を出してないから売り上げベースでしか評価できないような株はここまで叩き売られとったが、そしてわいは今でもお金を失っとるような株はまだまだ決してお薦めしないが、やけど状況は変化しつつあるということなんや。経済がずっとずっと悪くなることがないんやないかという予想が根底にあるんやけどな。
まだまだリスクはありまくるで。Fedが空気を読まずにまだまだ利上げに突き進んで、失業率もはねあがって、今思われとるよりもシビアなリセッションになって、株価が一段と下がるような事態も可能性としてあるで。そうなったらソフトウェア会社とかはまだまだダウンサイドがあるやろう。やけどわいらはサプライチェーン問題の回復を見とるし、原材料コストも下がって来とるし、テクノロジー会社も解雇を行っとるし、家の売買も打ち込んで来とる。
今は悪いニュースはええニュースモードやから、CPIもPPIも弱くて、テクノロジー会社が解雇をばんばんやっとるということは、マーケットにとってはええことなんや。Fedがそれほどアグレッシブに利上げをせんでもインフレをやっつけれるんやないかということになるからや。今の株式市場の動きを見とると、ベアの命がだんだん終わりに近づいて来とるのを感じるんや。
結論やが、全部をひっくるめると、今のマーケットの打たれ強さの理由が見えてくるというものや。誰からFTXのことを仮想通貨買いのJPMorganとよんどったが、それが崩壊してもほとんど影響がないんや。皆まだ株式市場からお金を大きく引き上げるほどの状況やないし、この一年間の下落で随分とマーケットは悪い状況にも不感症になって、インフレが落ち着いとるというCPIとPPIの数字を後ろ盾に、思ったよりも1)Fedがアグレッシブにならないかもしれない:2)シビアなリセッションにならないかもしれない、と皆が思っとることが打たれ強さの背景にあるんや。
打たれ強いのはいいのですが、上昇してほしいです。
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