こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの12/19のMad Moneyはどうだったでしょうか。
株価の下落が止まらん。こういう時に湧いてくるのが、2008年との類似性を指摘して皆を恐れさせる輩や。あのおそろしいリーマンショックの再来なんやないかと騒いどる人の声がどんどん大きくなっとる。株価下落はまだまだ止まらずに半値になるんやないかとか、そういう声が後をたたない。あかん、逃げんとあかん、こんな相場で勝てるわけない、と言いまくるわけや。まあ、Fedが金融引き締めをやりすぎたら、インフレは退治できるかもしれんが、シビアなリセッションが待っとる。Fedがやる金融引き締めが軽すぎたら、インフレが退治的なくて長期的にめちゃめちゃマイナスや。どっちに転んでもダメなように思われる今の状況が、2008年論者を生む土壌になっとるわけや。
だから今日だって続落の日になったんや。ダウは-0.49%、SP500は-0.90%、そしてナスダックは-1.49%やったんや。市場が開いた時は強いかなと思ったんやが、その後恐ろしい下がりが待っとったという日やったんや。わいはとにかくうんざりしとる。恐怖を煽る人にうんざりしとるんや。全部株なんか売り払った方がええと声高に言う人にうんざりしとる。なぜなら、その2008年の再来やということに対して、全く馬鹿げとると思うからや。
2022年と2008年を比べたら共通点はめちゃ少ないんや。2008年の時は金融危機が叫ばれて、失業率は10%に跳ね上がったんや。今の失業率は4%以下やで。わいはここまでFedの利上げ局面を何回も経験してきた。だいたいにおいて、結局大丈夫やったなということになるんや。確かに初めの方はぎくしゃくするんやが、それを乗り越えたら大丈夫なんや。典型的におこるのが、リスキーなバイオテックとかテクノロジー株からより退屈な株へのシフトや。やけど世の終わりにはならんのや。
そしてわいはもう随分前から言うてきたやろ。実際に物を作って利益をあげて、その利益を株主に自社株買いや配当で返している会社に注目しなければいけない、と。コンセプトだけの会社はやられる、と。わいはコンセプトだけの会社は今は関わりたくもないで。もう一年以上も、お金がSpeculativeなコンセプト株から退屈な手堅い株へ移動するという動きが続いとる。そして、今年は全体的には株価が下落しとってあかん年になっとるかと思いきや、めちゃめちゃ好調な株はいっぱいあるんやで。
まあ確かにSP500に投資しとる人が多くて、そういう人にとってはなかなか株価が上がらんなとフラストレーションがあるのかもしれんが、それはそれで、SP500への投資は短期じゃなくて長期であるべきやから、長期投資の人は今の株価の動きに一喜一憂する必要はないんや。ちょこちょこトレードする必要はないんや。いずれくる大きな上昇相場に向けて淡々と積み立てを継続すればええんや。わいがそういう長期投資からも手を引くべきやというのはめちゃめちゃ稀なんやが、やけど2008年の8月はさすがにそう言うたで。あの時は金融危機のシステミックリスクが叫ばれとった時で、全てのことが救われるなんてことは考えられなかったからや。
やけど繰り返すけど、今は2008年じゃないんや。まず2008年の時は消費者の状態がめちゃめちゃ悪かったんや。住宅市場でもたいした審査もなしに、それぞれの人が負える額以上の借金をしとる人が多くて、2007年からの住宅市場の大幅な悪化で、政府がいろいろ手をつくしたにもかかわらずサブプライムローンなどの延滞率は上昇し続けて、住宅差し押さえも増加し続けて歯止めがきかんかったんや。そしてリーマン・ブラザーズがつぶれてシステミックリスクが叫ばれたんや。今そんなことになっとるか?それぞれの人の家計はめちゃめちゃヘルシーなんやで?
第二に、2008年の時の問題になっとった負債はめちゃめちゃ巨額やったんや。当時の金融システムでどうにかできる規模をこえとると思われた。やから金融危機が叫ばれたわけや。第三に金融危機のあおりをつうけてめちゃめちゃ多くの会社が、規模の大きな会社も含めて大きな影響を受けたんや。ほっといて全部つぶせばいいという声があるなか、Too big to fail、大きすぎてつぶせない、ということで財務省がどんどんお金をつぎこまんとあかんようになった最初の例が2008年やったんや。今全然そんなことになってないやろ?
インフレが過熱し続けとるにもかかわらず、まだまだ人々の消費は強い。銀行はめちゃめちゃ儲けとってバランスシートは万全や。わいが信じるには、やけどな。ただ今最もタフな問題は経済が安定すぎて、Fedがその安定を崩さないことにはインフレがやっつけることができないということや。いかに2008年の時と正反対かわかるやろ?2008年の時はバランスシートリスクと言われたんや。システミックなバランスシートリスクとしては前例がないものやったんや。銀行もヘッジファンドも、投資信託だってどうなるかわからんと本気で思われとったんやから。今2022年は伝統的な金融システムはびくともしてないんや。
しかもあの2008年の時はワシントンも、下手したらFedでさえ未熟やった。そして会社を運営する人たちは誰の言葉も信用できないという感じになってしまったんや。今はどうや?財務省が信用できないか?Fedが信用できないか?ということでわかるやろ?どうかもう2008年の再来やと言ったり思ったりすることを金輪際やめてほしんや。全然アナロジーじゃないんや。アナロジーといえばむしろ逆で、例えば2008年の時は家の値段の暴落が恐れられたんやが、今はどうや?早く家の値段が落ちないかなと皆思っとるやろ?インフレとの戦争に勝つには家の値段が落ちんとあかんやろ?こういうところもそっくり逆なんや。
リーマンショックの時は失業率が跳ね上がった。今はどうや?もっと解雇がおこらんとあかんとわいは言うとるやろ。そうじゃないとインフレはおさまらんと。この部分もそっくり逆や。そしてわいはこの前も言うたが、クリスマスがすぎて年が明けたら多くの会社が大きなレイオフを発表すると思うんや。リテールとか、エンタープライズソフトウェア会社とかを中心にな。フィンテックもそうかもしれん。失業率が4-5%のレンジに上がってほしいんや。そうなったらいろいろなところで、あまりに値段が上がったものを買う人が少なくなるやろう。今はまだ転職もさかんやし、そういう状態やと賃金インフレが止まらんが、レイオフがどんどんなされればその状況が変化するやろう。
じゃあ2008年と違うんやったら経済はバラ色か?わいは、経済がみじめなことになるのは避けられないと言うで。しょうがないやないか。インフレを制御下におくには一旦は惨めにならざるをえんのや。この前も株式市場の下落は必然やと言うたやろ。ただわいはそれが、今後長く尾を引く感じでおこるよりは、さっさとおこってほしいんや。ここで痛みを受け入れて、短期でインフレを飼いならすことができれば、長期に渡って上昇の果実をとることができる。
今のリーダーは賢い。過去の経験からも学んどる。2008年の失敗からも学んどる。COVIDで経済が大きな打撃をうけたとき、パウエルはどのぐらい素早く対策をうった?他の国が手をこまねいている間にもアメリカはどんどんドラスティックかつ効果的な手をうって、経済が崩壊することを防いだんや。2008年の時は動きが遅すぎたんや。パウエルはめちゃめちゃ賢い男や。素晴らしい中央銀行のヘッドやと思う。政府もそうや。中国を見てみ?いまだにサイエンスを正面からとらえずに、彼らの国民に自国のいけてないワクチンを強制して危機を強いとる。COVIDに関しては中国政府の対応は完全なジョークや。きかないワクチンを配り、きかないから人々は家から出れなくなっとる。そんな状況でロックダウンを繰り返しながら、なんて言うとるか知っとるか?大丈夫や。Fineやと言うとるんや。問題ないと言うとるんや。いったいどこが大丈夫なんや?
そういう状況から比べると、わいは率直に言うてパウエルのかじ取りはええと思う。彼はありていに言うと天才やと思う。ジーニアスや。彼は彼自身がやっとることをよくわかっとる。大きな問題はロシアとウクライナの戦争や、中国のロックダウンで、インフレの過熱に拍車がかかったことやが、それはパウエルのパワーの及ばぬところの話や。手をこまねきすぎとか言うやつもおるが、いったい誰がCOVIDのオミクロン株がどれぐらい広がるかとか予想できるんや?案外かるかったオミクロン株の影響でインフレ高進が加速されたからって、誰が彼を責めることができるんや?
結論やが、わいはパウエルはまさに本物の素晴らしいバンカーやと思うで。中央銀行のトップの中でも世界一や。そして彼は勝ち方を知っとる賢いおとこや。リーマンショックの再来やとかなんとか、馬鹿げたことを言わずに、極端に怖れを抱いたりせずに、ただ彼の手綱さばきでインフレがおさまるのを待とうやないか。
待つのはいいですがまだ時間はかかりそうですよね。
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