こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの4/10のMad Moneyはどうだったでしょうか。
長年、ベンチャーキャピタルのお金でスタートアップが次々とあらわれては、既存の産業に割って入って、既存の大手企業の周りをちょろちょろしながら、ビジネスのすきはないか、ずっと伺って、そしてともすれば大手を食いにいったものや。やけど今はそういう時代にさよなら言わんとあかんかもしれんな。そういうスタートアップが干上がって、既存の大手企業が勝ち続けるようになっとる。もしかしたら大手企業の決算は、皆が予想しとるよりも軒並みええかもしれんのや。特にナスダックに上場しとるテクノロジー会社において、そういう小さな競争相手がいないということが、株価により燃料を与えとるかもしれんのや。
今日はダウは+0.30%、SP500は+0.10%、そしてナスダックは-0.03%やったで。数字だけみると大人しい日と思うかもしれんが、そんなこととんでもないで。一回大きく下がったんや。そこからの上昇を演出したのが、やはりテクノロジー会社やった。半導体株や。マイクロン・テクノロジーとウエスタンデジタル逆行高やったんや。ライバルの韓国のサムスン電子がメモリー半導体を減産する方針を明らかにしたことが好感されたんや。そしてマイクロンと全く関係ない半導体会社まで上がって、そしてそれがテクノロジー会社、ひいては株式市場全体を支えたんや。
その半導体会社から、冒頭に言うたスタートアップの欠如についてしゃべってみようやないか。長年の間、半導体会社の目だったIPOはおきてないで。大きなものは文字通り一つもないんや。IPOで新しい会社の上場がなかったら、それは新しい競争がないことを意味するで。そういう状況では既存の大手企業が勝ちやすいのは当たり前の話や。そういう状況の中で、突然のSVB破綻がおこったんや。この銀行は特にスタートアップの会社とビジネスをやっとったから、そしてそれで大きな成功をおさめとったから、これが無くなったことはやっぱり既存の大手企業の勝ちにつながるんや。
既存の大手企業が賢い、そして機動力のあるスタートアップから追いまくられなくなった。そういう尖ったスタートアップを支援する資金が枯渇しとるんや。株式市場のIPOウィンドウを開いてないし、多額のお金を調達する方法が以前より限られとるんや。そしてまだまだFirst Republicとかがどうなるかがわからん状況で、今のスタートアップに対する苦境がいつ解消されるのかはわからんのや。ただIPOウィンドウが開いていないことというのは、単純に株式市場にとってはプラスなんや。
既存の大手企業の株が、競争の欠如により上がりやすくなっただけではないで。そもそもIPOがなされないということは、株式が希釈化されないということや。大きなIPOがある時はいつも、マネーマネジャーはそのIPO株を買いたいがために、既に持っとる株をいくつか手放すということをやらんとあかん。そうしたらそういう株の株価は下がるやろ。そういうことが無いだけで株式市場にとってはポジティブなことなんや。通常ならこういうことも含めて新興企業の成功したIPOというのは既存企業にとってネガティブやったんやが、それが今ないというわけなんや。大手の既存企業が富を増やし続ける状況というわけや。
既存の大手企業ってさっきから言うとるけど、なんのこと?と思うかもしれんな。それではいくつか挙げてみようやないか。まずはファーストフード部門からや。McDonald'sを取り上げたいで。この企業こそ買っている大手の既存企業の代表や。例えばSweetgreenというサラダを提供するアメリカのファストフードのレストランチェーンがあるが、もしIPOウィンドウが閉まってなかったらこういう会社が次々と上場したかもしれん。実際ぎりぎりのタイミングでSweetgreenは上場できたわけやが、ここまでのIPO株に冷たいマーケットの流れもあって、この株は上場以来大きく低迷しとる。こういう会社の低迷というのが、既に確立された既存の大手ファーストフード店すべてにとってポジティブなことなんや。
じゃあバイオテックはどうや?わいは先月、GSKのCEOのEmma Walmsleyにインタビューしたんや。彼女は素晴らしい目利き力を持っとって、今スタートアップ会社が独自でなかなか資金調達できないなかで、GSKはどんどん、素晴らしいパイプラインを持っとる会社を買っとるんや。彼女が言うにはとても安く買えとるということなんや。以前だったら上場できていたかもしれないバイオテックが今はそういうわけにはいかない、そこをついた大手企業はますます富み続けるということや。既存の大手企業がどれほど躍動しとることやろうか。
こういう例はもっともっとあげることができるで。今ブームになっとるのは何や?AIやろ?全てのマネーマネジャーがAIのセクターにお金を置きたいとおもっとる。以前やったら多くのAI関連の会社が今は我先にとIPOを目指しとるはずや。やけどIPOウィンドウはしまっとる。じゃあ行き場を失ったお金はどこにいくんや?AIのお金が集約される場所はどこや?前々から言うとるやろ。そうや、Nvidiaや。AIに欠かせないGPUの会社や。
あとは何や?例えばもう大手企業、巨人といったらこの会社というのがあるやろ。そうや。Amazonや。今までやったらもっともっとDoordashのような会社とかに戦いを仕掛けられとるはずや。やけど今の状況を見てみ?どの新興企業がAmazonに対抗できるというんや?新興企業にお金が回りにくい状況で、Amazonに立ち向かうというリスクを冒す企業が多く出てくるとは思わんで。そうや、こういう状況ではリスクを取りづらいんや。Amazonですら採算のとれない部門は閉めて人員削減しとるというのに。
Alphabetはどうや?この会社は多くの部門を持っとるが、それら全部が素晴らしいんや。それらそれぞれのセクターで似たようなことをやって、尖った姿勢でGoogleを倒しに行く新興企業に今お金が集まると思うか?ベンチャーキャピタリストはそういうところに無尽蔵にお金を突っ込めると思うか?もうAlphabetには、新興企業はたてつきにくい状況や。もはや独禁法違反をたてにする法務省以外、面と向かってたてつく存在は、新興企業ではないんや。
Metaも一緒や。今この企業は効率性に舵をきっとるが、そもそもSNSの世界を牛耳っとる。もしかしたらIPOウィンドウが開いとったら新興企業がFacebook Instagram Whatsapp,それぞれに戦いをしかけられたかもしれんが、そういうこともない。唯一中国のTikTokだけや。脅威になっとるのは。特にSnapとかは低迷が続いとるからなおさらや。どこからもリアルな競合が出てきてないんや。わいは世が世なら、十以上のしっかりした新興企業が上場して大きな資金調達をして、SNSの分野でも躍進をもくろむはずやったと思うで。
わいはMetaの株価上昇はまだ終わってないと思うで。そして既存の大手企業の素晴らしいところは、蓄えた富ゆえに、コストカットをしたら経営のスリム化ができてどんどん良くやる余地があるということなんや。今Metaはまさにコストカットをしとる。AmazonとAlphabetも人員整理をしとるがMetaほどではない。やけど彼らもやろうと思ったらそういう方法で今からでもいつでも競争優位性を保つこともできる。[
わいは今ナスダックをショートすることはめちゃめちゃ危険やと思うで。競争相手になる新興企業がいなければ、そういう新興企業に対する資金調達が盛んにできなかったら、大手の既存企業が勝ち続けるで。そのことを頭に入れてこれからもいこうやないか。メガテックの優位性がどうやって失われるというのか?繰り返すが、ナスダックのショートは危険なんやで。
テクノロジー株はまだまだどんどん上にいってほしいです。
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