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【ジム・クレイマー】減税と関税で株価上昇でみんなハッピー!?そんなにうまい話あるわけがない!【Mad Money】

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こんにちはマカベェです。

ジム・クレイマーの11/12のMad Moneyはどうだったでしょうか。

 

トランプが皆さんの税金を減らすとしよう。それは明らかに株式市場が好むことよな。でもその先を考えてみ?遅かれ早かれ、失われた税収を埋め合わせんとあかん。みんな税金が減ったら生活が楽になって素晴らしい、そこで思考を止めてしまうけど、どうやって失われた分の税金を埋め合わせるのか。そのお金が財務省にないとしたらどうする?そうなるとやりようはそんなにないで。他の誰もがするように、政府は差額を埋めるために借金をせんとあかん。そのために債券を発行して資金を調達するんや。

 

本当にこれしか選択の余地がないんや。トランプの減税はもちろんまだ実現してない。彼が大統領になるのは来年の1月やからな。でも今日、わいらは債券市場から減税の埋め合わせの請求書を受け取ったようなものや。今日はダウは-0.86%、SP500は-0.29%、そしてナスダックは-0.09%と下落の日になったんやが、その一因は債券金利が上昇したからや。もしかしたらこの金利上昇はただの始まりで、国が破産しないように警告しとるんやろうか?わいらは債券という馬の前に株式という荷車を置いてしまったんやないか?まあそれだけいきなり言ってもわからんよな。ちょっと説明させてくれ。

 

ドナルド・トランプが選挙に勝利して以来、株式市場は暴走しとる。ラリーは続き、迅速な規制緩和に賭ける中型株や小型株にもそのラリーが波及した。ここまでのバイデン政権では、バイデン大統領自身はビジネスを抑制する手段を直接コントロールしているわけではないが、合併を規制するFTC(連邦取引委員会)、消費者金融保護局、環境保護庁、連邦エネルギー規制委員会など、多くの機関がビジネスに対して非常に厳格な態度を取ってきたんや。それはここまで株式市場にとって悪いことやった。

 

ただ、トランプ体制で変化がおこると皆が期待しとる。税金やって、法人税、個人の所得税、キャピタルゲイン税が削減されるんやないかと期待している人々がたくさんおる。どの時点で減税が行われるのか正確には誰もわからんが、わいらは皆、全体として税金が下がることを予想しとるよな。もし2016年の、トランプが最初に大統領になったときのようであれば、富裕層が最大の恩恵を受けるやろう。理論上は、彼らがより多くのお金を手に入れると、株式に投資して、新しいビジネスを創出するんや。トリクルダウン経済学がどれほど実体経済に効果があるかどうかは別として。

 

前回のトランプ体制のように今回も株式市場にとってポジティブなことがおこるんやないか。その期待感がテクノロジー、小型株、中型株、銀行セクターを含む幅広いセクターで、この1週間の継続的な素晴らしいブルマーケットを生み出したんや。でも一方でそれは、心配の壁を登るために力強く丘を登る強気の荷車なのかもしれん。さっきわいは株式市場を荷車、そしてそれを動かす馬を債券市場に例えたが、この日、わいらはもしかしたら馬が気難しくて手に負えないんやないか、そういう様を垣間見たんや。そのことで多くの株の買い手が少し後悔をしたみたいなんや。

 

国債やが2、5、10、30年もの全ての満期のもので金利が急上昇して、まるで将来への期待感の前借を返さんとあかんみたいになったんや。株式に関して主に焦点となるのはベンチマークである10年物国債や。その利回りは12ベーシスポイント上昇して4.43%に跳ね上がったんや。「4.31%と4.43%の違いは何か?誰が気にするのか?」とあなたは思うかもしれん。でもその動きの大きさと速さを見ると、連邦政府が既に債券市場で数兆ドルを借り入れていることに気づくやろう。そしてそれは、トランプの減税がまだ行われていない時のことや。まるであなたの財布にあるクレジットカードのようなものなんや。

 

債券金利はただただ上がっていくんや。そういう時に誰ももっとお金を使いたいと思わなくなるんや。わいは普段、この話題についてあまり話したくなくて、なぜなら本当に退屈やからや。でもこの点が重要なんや。だから話さんとあかん。なぜなら、それが株式市場の下落を引き起こす直接的原因になるからや。わいらは皆、最終的には何らかの区切りが必要だということを知っとる。誰だって、減税によって政府の収入がどれだけ減るかの計算はできる。でも一方で、低い税率によって刺激された成長が、将来的により高い税収につながるという希望がある。

 

ただ、重要なのは、その期待が実際に機能したことは、今まで重要な局面では一度もないということや。一部の人々は、TeslaのCEOであるElon Muskがトランプ大統領の支援を受けて、赤字を数兆ドル削減する方法を見つけるかもしれないと考えとる。多くの人が、Elon Muskが無駄を劇的に削減して、成長に反対する頭でっかちな官僚をばんばん解雇できると考えとる。でもわいはそんな絵空事は信じてないんや。予算のすべての一セント一セントには支持者がとるんや。だから、歳出削減はあなたの票を失わせるで。簡単にできるものやない。

 

また、多くの人々は、関税が多額の資金、たとえば数兆ドルをもたらして、減税による負の効果を相殺できるんやないかと考えとる。この理論も全く意味をなさないんや。ちょっと計算すればわかることや。関税だけでは、減税による失われた歳入を補うことは決してできんし、むしろインフレの基になるやろう。すなわちそれはただのリスクや。だから、今日の債券市場は潜在的な財源不足の減税に対して厳しい反応を示して、馬が荷車を引っ張り上げることが不可能になってしまっているということや。

 

そうなるとどうなる?金利が跳ね上がったら困るセクターはいっぱいあるで。たとえば、多くの住宅建設業者が金利上昇により打撃を受けたで。D.R. Hortonの株も今日は大きく下落した。ローン金利が上がったらハウジングセクターが打撃を受けるのは自明の理よな。製薬株も下がったで。彼らは、高い債券利回りをもたらすインフレ環境では業績が悪化する傾向があるんや。最もわかりやすい例を挙げよう。Home Depotの株を考えてみてほしいで。今回の決算でこの会社は予想を上回る売り上げ、利益、既存店売上高を報告したんや。

 

それらの数字は午前6時に発表された。株価は急速に408ドルから420ドルに上昇した。その上昇は当然のことのように思えた。でもその後、債券市場が介入し、株価を403ドルまで引き下げてしまったんや。経営陣がカンファレンスコールで、住宅ローン金利が6%に下がったときにHome Depotがどれだけ好調かについてコメントしたことも助けにはならんかった。長期金利が再び上昇していることに気づいた人は、住宅ローン金利はむしろ上がるんやないかと思ったことやろう。

 

さらに、明日消費者物価指数CPIがどうなるかに注目で、この数字が高かったらまた困ることになるで。なぜなら、わいらを債券市場から何とか救おうとしているのはFedだからや。でもインフレが加速すれば、Fedは金利を下げ続けることはできなくなるよな?Fedは短期金利をコントロールしとって、それはHome Depotのリフォーム・リノベーション事業にとって重要な住宅ローン金利と一致する傾向があるんや。Fedが金利を下げれなくなったらたちまちこのセクターは厳しくなる。

 

それでも、わいはこの会社が好きで、CNBC Investing Clubのメンバーには、弱含みの際にはHome Depotを買うつもりだと伝えてある。実際、やっぱり今回の決算の結果が無視できないほど良かったので、わいのファンドは今朝この株をいくつか買い増したんや。わいにとって、Home DepotはFedが金利を引き下げているときに買うべき最良の株や。わいは今日の下落はむしろ贈り物のように感じるで。今回の決算を見るとやっぱり、勢いは今やわいのようなHome Depotの強気派にあると思うんや。まだまだ株価が下がるようなら買い増していくで。

 

ああ、それと、Teslaについて触れないわけにはいかん。CEOのElon Muskが次期大統領と親しいという理由だけで何日も何日も上昇を続けた後、株価は今日は一息ついて、6%下落したんや。おそらくリフレッシュが必要な時やったんやろう。わいはここでElon Muskに逆張りはしないが、選挙の翌日からTeslaには会社の業績がどうなっているのかさえよくわかっていない有象無象のトレーダーが群がっていて、そういう彼らの一部がこの日は短期的なトランプ取引のとりあえずのひと段落ということで、どんどんこの株を売ったんや。

 

もちろん、いつものように、債券市場の動きに免疫があるように見えるポジティブな領域もあるで。今年のほとんどの期間、多くの人が半導体企業を大いに愛でて、一方でソフトウェア企業を軽視してきたが、その流れが逆転したような動きが見られたんや。AdobeやSalesforce.comが反発して、Microsoftも同様やった。わいはこの動きを全部理解できるわけではないが、電子商取引の支援企業のShopifyは決算を受けて21%も上昇して、新高値を更新したで。Live Nation Entertainmentも素晴らしい決算を受けてほぼ5%も上昇したんや。まあでも株式市場全体としては下落した。これは買い手の後悔なんやろうか?それとも債券市場に関連した利益確定売りなんやろうか?

 

結論やが、もしわいらが大幅な減税を受けると信じているなら、最終的には誰かが失われた税収を支払わなければならないことを忘れたらあかんで。たとえそれが退屈な話であっても、そこのところは考えておかんとあかん。世の中退屈な話はあふれとるが、うまい話はそうそうあるものやない。減税の埋め合わせは、政府がはるかに多くのお金を借りて債券利回りを上昇させる、ということと同義や。それにもかかわらず、株式市場はこの日は下がったがこの日までは長期金利の上昇を無視して上がってきて、ここからは穏やかなインフレ数値に応じて金利が再び低下することを期待するしかない。さもなければ、今日のような下落の日が増えることを覚悟せんとあかん。それは楽しいことではないが、ウォール街に無料のランチはないんや。無料でずっと食べ続けられる食べ放題はないんやで。

 

 

そうそううまい話はないですよね。

 

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