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【ジム・クレイマー】確固たる根拠が無いのであれば、予測をしてはいけない!予測外れの失望下落!【Mad Money】

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こんにちはマカベェです。

ジム・クレイマーの12/19のMad Moneyはどうだったでしょうか。

 

もし予測できないなら、無理に予測してその予測にこだわったりしたらあかんで。おかしな話に聞こえるかもしれんが、Wall Streetの世界では、予想を立てるなら必ず現実はそれを上回らんとあかんのや。さもなければ株価は叩きのめされてしまう。今起きている売りは、そういう期待が外れた結果としての売りなんや。こういう売りの時はなかなか反発ができなかったりする。昨日の大きな下落の後に、今日は、ダウは+0.04%、SP500は-0.09%、そしてナスダックは-0.10%と株価は全然戻らんかった。

 

ということで、昨日の振り返りからちょっとやっておこうやないか。12月17、18両日に開催されたFOMCでは、主要政策金利を0.25ポイント引き下げることが決定されたんや。これで3会合連続の利下げとなって、フェデラルファンド金利の誘導目標レンジは4.25-4.5%になったんや。ただ、FOMC後に公表された最新の四半期予測では、2025年の利下げについて何人かが前回より少ない回数を予想してて、FOMC参加者の中央値では、金利の誘導目標レンジは2025年末までに3.75-4%になるとの予測が示されて、いわゆるこれは、来年には0.25ポイントの利下げが2回しか実施されないんやないかということになって、これが予想よりも随分少なかったりして、後はパウエル議長の物言いもタカ派的で、だからマーケットは動揺したんや。

 

正直に言って、わいはパウエル議長は素晴らしい仕事をしていると思うで。彼はわいが見てきた中でPaul Volcker以来、唯一の、困難な状況を制御し正しい行動をとる力を持ったFed議長だとわいは感じる。彼はその言葉に常に忠実で、それが彼やFRBという機関の信頼性を維持するために欠かせないんや。彼が何かすると言えば、マーケットは彼を信じる。なぜなら彼には大きな信頼性があるからや。でもその彼が、昨日はある種の後退を余儀なくされたと思うんや。ごくわずかなものではあったんやが、わいがいけてなかったと思ったのは、彼が事前に自分の見解を効果的にマーケットにコミュニケートしなかったことや。

 

25ベーシスポイントの利下げを決めるのは難しい判断だったと思うが、それは彼自身が難しくしてしまったとも言えるんや。彼は、住宅ローン金利や自動車ローン金利を下げることで、この国に残るもっとも手強いインフレ要因の2つを解決できると信じていて、だからFedが利下げをすべきだと考えたとわいは思う。でも、9月の最初の利下げ直後、長期金利は下がるどころか上がってしまったんや。その事実は何を示しているかというと、大口債券投資家が利下げの必要性を信じていなかったということなんや。むしろインフレを懸念しとったんや。

 

そのこと自体は構わない。Fedは一時的に債券市場に逆らってもええやろう。でもパウエルは2回目の利下げ後に軌道修正して、さらなる動きにはより弱い経済指標と低インフレを見極める必要があるとマーケットに伝えるべきやったと思う。でも彼はそうせんかった。代わりにパウエルは、データがそれを裏付けないにもかかわらず、3回目の利下げがあるかのようなシグナルを出し続けたんや。Fedはデータ重視であるべきなのに、そのときデータは利下げを正当化していなかったんや。でもパウエルは自らの予測に縛られてしまった。その予測を確実に実行する必要に迫られたためや。

 

昨日株式市場が大きく下げたのは、多くの人がパウエル議長がこれからも利下げを続けると信じていたのに、彼が「様子見」に転じたことに衝撃を受けたからや。それで彼はようやく無理な流れから抜け出したんやが、でもその代償は大きかったと言えるやろう。多くの人がFedの信頼性を疑問視してしまったんや。VIXの大幅な上昇が、その威力を物語っとる。もちろんパウエルの信頼性は回復するやろうし、株式市場も回復するやろうけどな。もし長期金利が高止まりすれば、住宅建設業者は家の建築数を大幅に減らすかもしれんが、世代交代的な動きが起きて、より多くの物件が市場に出回ることになるかもしれん。今後パウエルは時間稼ぎをしながら立て直しに取り組むやろう。

 

ということで、パウエルですらこの有様や。予測を立てること自体が悪いわけではないんやが、今回でもわいらは、その予測が満たされなかったときにどのような失敗が見られるかというのを目撃したよな。Fedは3回目の利下げを強く示唆するような予測を声高に行うべきでは無かった。密かにでも行うべきではなかった。結局データはそれを支持せんかったわけやから。データがどうなるのかの予測はやっぱり難しいんや。もし予測できないなら、予測なんてしないことや。わいが冒頭で言ったのはそういうことや。

 

じゃあボラタイルな銘柄を考えてみようやないか。まずは今日とても目立った銘柄、Micronや。有名な半導体メーカーや。CEOのSanjay Mehrotraが率いとる。Sanjayを知っている人なら、彼が慎重な産業人であり、誰かを失望させることなど決して望まないタイプだということも知っているやろう。それがわいが彼を好きな理由でもある。彼は決してあなたが特定の銘柄に浮かれすぎるように期待を煽ったりはしない。かつてわいがMicronのストーリーがあまりにいいから先走りしそうになったとき、彼がわいを抑えようとしたことがあったほどや。

 

でも、そう遠くない過去に、彼は2つの予測を行った。一つは「AIデータセンター事業は素晴らしいものになる」ということ、もう一つは「AIを搭載したPC事業が好調となり、それには多くの半導体が必要になる」ということやった。残念ながら後者は現実にならなかったんや。AI PCは期待外れとなってしまったんや。今や半導体市場には過剰なチップ在庫が積み上がってしまっている。Sanjayは予測を立て、それを達成できなかったんや。あるいはそれに近づくことすらできなかったんや。とても残念なことで、だから、株価は今日16%も下落してしまった。

 

状況から見て、Micron株には多くのトレーダーが入っとったが、彼らは今ではこの株には関わりたくないと思っているやろう。株価は今、新たな基準水準へとリセットされているような状態やが、いずれにしてもかなり下がった状態や。これを、同じくAIやPCとの関連がありそうなBroadcomやMarvell Technologyと比較してみようやないか。これら2社は株価が素晴らしいパフォーマンスを示しとる。両社とも、PCやスマホ向けビジネスに関して良いことを予測しようとはしなかったんや。

 

Micronにおいては、Sanjayが良い数字になるだろうと述べていた分野に関して、せいぜい「緩やかな回復」を予想するのがやっとの状態や。でもBroadcomやMarvellは決算発表時に急騰したが、それは彼らのAI事業が絶好調だったからや。そして、それ以外の事業については、宣伝されていた以上に悪くなることはなかったんや。なぜなら彼らはそうした分野が回復するとか、すぐに上向くとか、そうした主張を一切しなかったからや。良い予測がたてれないところは、予測をしない、ということや。もしMicronが、少なくともPC事業について事前にもっと控えめだったなら、つまり過度に期待を煽らなかったら、株価は依然として下がっていたかもしれんが、少なくとも二桁の下落にはならなかった可能性が高いとわいは思うで。

 

そういう意味ではCEOは発する言葉に気をつけるべきや。世界中のあらゆるCEOが気を張っているべきや。あのIntelでPat Gelsingerが引き起こした惨状を見ればそれは明らかやろ?彼はわいが見てきた中でも最も急進的な「過大な約束をするCEO」の一人になってしまったんや。Intelに関して言えばわいが望むのは、わいらアメリカ政府がIntelへの補助金からきちんとした見返りを得ることや。彼らは一銭たりとも無駄にできないはずや。今のところ、それはそこそこうまくいっていると思うが、でもGelsingerは、最後の最後までわいらを安心させ続け、その結果としてバランスシートがとんでもない事態になっとるんや。人々は、Gelsingerが発した安心させるための言葉によって巨額の損失を被ったんや。

 

彼だけではないで。誰だって、Estée LauderのCEOのFabrizio Fredaのようには決してなりたくないやろう。彼はあの悪名高い「インフレクションポイント」という言葉を用いたことで知られとるんや。この高級化粧品やスキンケアの企業は成長軌道に戻るはずやった。それは今年2月のことや。株価は下落しとったが、ここが変曲点という彼女の言葉をわいは信じてしまった。でも結局この会社の問題は構造的なものであり、そう簡単には上向かないとなって、株価はどんどん下落してしまったんや。

 

まあ時には避けられないこともある。こんなに債券金利が上がっている中でホームビルダーの株が好調であるはずがない。Toll Brothersの不調でわかっていたはずやったが、案の定、Lennarも今日は続落や。住宅業界で高い住宅ローン金利に逆らえる者など誰もいないんや。さて、今のマーケットには、AIだけではなく、原子力分野、量子コンピューティング、仮想通貨といった、それらに関する報道自体が誇大宣伝か、あるいは他者によって煽られているんやないかと思われる多くのセクターがあるが、これらに関連する株を保有する人はやっぱり今何らかの利益確定をしなければ、失望はほとんど避けられないやろう。

 

結論やが、企業、そしてFedでさえも、もし予測が確固たる根拠を伴わないのであれば予測すべきではないんや。それを声高に叫ぶべきではない。別にガイダンスがあまりに保守的であっても、誰もそれを責めはしないし、それで責められても、後から倍の失望をうむよりええやないか。十分な見通しがないのであれば、黙っていればよい。わいらはその沈黙が何を意味するのか理解できるんやから。とにかくあやふやな予測を出されてそれを信じる人が多ければ多いほど、大きな悲劇につながるということが、今のこの動きでわかったことなんや。

 

 

難しい問題ですね。

 

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