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【ジム・クレイマー】静かに加速するベアマーケット!そのシグナルが示すもの!【Mad Money】

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こんにちはマカベェです。

ジム・クレイマーの1/6のMad Moneyはどうだったでしょうか。

 

今がブルマーケットやと思っとるか?いやいや、まだまだ大きなベアマーケットが続いとるなと気づいている人は、マーケットをしっかり観察している一部の人だけかもしれん。ここ数日にわたってあるセクターの株価は下落し続けとる。どんどん下がっとるんや。Accelerated Computing や AIといった、いま最も注目されているテーマの追い風を受けている優れた半導体・ソフトウェア・データセンター関連企業の株だけ見ていてもそういうことはわからんのや。

 

そういう好調なテクノロジー銘柄がどんどん相場を押し上げるという面があって、今日もそういう日やった。テクノロジー銘柄の比率が少ないダウは-0.06%と下落したが、SP500は+0.55%、そしてナスダックは+1.24%と大きく上昇した日になったんや。株価平均だけを見ているとわかりづらいかもしれんが、着実に特定のセクターではベアマーケットが進んどる。わいはこれを「The Great Selective Bear Market 24-25(選択的な大ベアマーケット 24-25)」と呼び始めとるんや。今日はそのベアマーケットのでも最悪級の日の一つやったんや。

 

このベアマーケットは多くのセクターを巻き込んどって、消費財、エネルギー、ヘルスケア、素材株など、昨年大幅にアンダーパフォームした銘柄群が再び打撃を受けとるんや。確かに、最悪級というと、多少誇張して言っとることは承知しとる。ただ、わいはこのマーケットでの重要な入れ替わりが起きていることを指摘したいんや。ベアマーケットに含まれとる銘柄は去年、マーケットに悪影響を与えたが、今年に入ってすでに多くが引き続き赤字圏に沈んどる。これはただのベアマーケットの継続というよりは、むしろ実際には加速といっていいぐらいや。なぜこんなことが起きとるんや?たとえば、Procter & Gambleは今日さらに 2.7%下落もした。素晴らしい企業なのに、なぜなんや?Colgateは2.9%の下落や。Cloroxに至っては、今日だけで3.3%も売り込まれとる。理由を挙げていこうやないか。

 

まず一つ目は「金利」や。長期金利が急上昇するとこういう銘柄にはダメージなんや。そして実際Fedが短期金利を下げ始めてから、実際には債券金利は上がり続けとる。配当株は本来、ある程度のディフェンシブに働くものよな。でも債券利回りが上がると、債券が配当株の主な競合となる存在になってしまい、だから配当株は脆弱になってしまったりするんや。今週はまだまだ長期金利が上昇しそうな気配があるから、しばらくこの状況が続くかもしれん。というのも、財務省が今日3年債を売り出したんやが入札は失敗気味で、しかも明日以降の10年債とか、水曜日の30年債とか、大量に発行される債券が控えている状況やからや。債券価格が下落すれば利回りは上昇して、配当株の環境はますます悪化していったりする。たとえそれぞれの企業に実際の問題がなかったとしても、や。

 

二つ目の理由はドル高や。これらの消費財メーカーの多くは海外事業の規模が大きい傾向にある。Cloroxは国内事業が中心やから厳密には当てはまらんが、ご存じのとおりわいらの株式市場では、同じセクター内の銘柄は一括りにされがちや。ドル高がProcter & Gambleのような巨大な国際企業を苦しめると、その影響は同じセクターのCloroxにまで波及してしまうんや。そして同セクターにいる銘柄を必要以上に引きずり下ろしてしまうんや。ETFで一斉に取引されていることも相まって、な。

 

加えて、あまり皆が語らない最も厄介な問題がある。それは価格設定、すなわちPricingや。たとえば、Amazonで消費財を買うときの大幅値引きに気づいとるか?ドラッグストアで見かけるような商品が格安で売られとるよな?Costcoがどれほどの価格圧力を他の企業にかけとる?あのCostco店内はまるで別世界のように価格が低いやろ。Walgreensは追いつこうと必死に、自社サイトで低価格を出しとるが、多くの人はそのサイトにさえ行かないのが現実なんや。実際、WalgreensやDollar General、Dollar Tree、Targetといったリテールは利益率が圧迫されている可能性がある。これらのリテールの株価は軒並み大打撃を受けとるんや。

 

Walmart、Costco、Amazonは規模が大きくて、多くの日用品をより安価で提供できる。それに対抗するのは至難の業や。他のリテールが苦しむなら、その仕入れ先であるメーカーも当然、圧力を受けざるを得ない。こうした企業は、ポストコロナの期間に価格設定の自由度が大きかったかもしれんが、ついにそれが通用しなくなってきたんやないやろうか。消費者は、Procter & GambleやColgateのような企業がコロナ禍で押し上げた高価格に、もう耐えられなくなったのかもしれん。これらのメーカーが設定している価格下がってくるしかないかもしれん。そうなったらやっぱりこれらの株は売り、ということになる。

 

そういう株の株価は安く見えて魅力的に見えるかもしれんが、債券価格が下がって利回りは上昇して、ドル高という状態がさらに続くか、もしくはさらにひどくなっていくかもしれない現状では、そしてそれぞれの企業の業績が上向くのを見るまでは、わいは買いに入るのはリスキーやと思うで。ということで今は直感に反するような状況なんや。Procter & Gamble、Clorox、Colgateがリスキーという状況。わいの人生の大半では、これらは安全株と見なされてきたのに、今は安全とは言えないんや。

 

いまのマーケットは価格を問わず、とにかく「成長」を重視して、それに株価が報いている状況や。つまり、本当の需要と価格決定力がある企業には、高い株価を払ってでも投資家が群がるという状況。一方、価格決定力を失っていたり、利回りが国債と比べて低すぎる企業は敬遠される。この状況がすぐに変わるとは思えんで。じゃあ一般消費財以外にベアマーケットはどこにある?例えばヘルスケアや。このセクターは高値から大きく下落しとるで。わいはJP Morgan Healthcare Conferenceを楽しみにしとるが、株価がひどいありさまなのに驚いとる。

 

ここ六カ月で、Humanaは28%下落、長年好調だった病院運営のHCAでさえ7%下がっとる。Cignaは12%安で、良好な経営で知られていたCenteneですら5.5%安の荒れ地状態や。バイオテクノロジー企業を見ても、Vertex がここ六カ月で15%下落。とても素晴らしい企業なのに。Dow銘柄であるAmgenは17%安、Regeneronは31%安、Biogenは32%安で、Modernaに至っては恐ろしいほどの64%ダウンや。この銘柄がCOVID時代はあんなに強かったなんて嘘みたいや。

 

そして食品関連にもベアマーケットがきとる。ここ一年でHormel Foodsが4.6%下落、The J.M. Smucker Company、General Mills、Conagraはそれぞれ-15%、-5.4%、-4.7%や。さらにHershey、Campbell’s Soup、Kraft Heinz、Mondelezが、それぞれ-11%、-7.1%、-20.8%、-20.3%や。まるで総崩れの状態や。これらのセクターが打撃をうけとるのも同じ構図からや。金利の上昇、ドル高、価格圧力、この三点セットやが、このセクターはここに、GLP-1受容体作動薬の影響も加えたい。

 

わいらは、これらの食品企業がGLP-1受容体作動薬の影響に対応できず苦戦していることを知っとるが、先週のCornell Business Schoolの研究によると、GLP-1受容体作動薬を服用している人は、食料品の支出が6%減少したそうや。加工食品は、人がそれを「欲しくなる」ようデザインされてとる。でもGLP-1受容体作動薬の注射を打つと、何も欲しくならないんや。もしかすると、売上減少はまだ始まったばかりかもしれん。それが株価が示していることなのかもしれん。

 

他には何がある?まるで不毛の地と化しているセクターに不動産セクターがあるで。今日だけでもFederal Realtyや Kimcoのショッピングセンター銘柄は大打撃を受けとる。これらの企業は金利と連動しとって、長期金利が急上昇したことでダメージを受けとる。実際の事業自体は素晴らしいんやが、でも関係ないんや。結局、株価にとって重要なのは金利なんや。そして金利が高くなると大打撃を受けて、真のベアマーケットが襲っているのが住宅関連株や。LennarもToll BrothersもPulteもD.R. Hortonも二けた、そのほとんどは20%以上、この三カ月で下落しとる。これはどういう意味やと思う?わいはようやく住宅価格が下がるかもしれんと思っとるで。それも継続的に。誰もそんなことは考えていないようやが。

 

とはいえ最悪なセクターはまだあるで。素材・鉱業セクターや。プラスチックやら何やら、まるで鋼材も十分に需要がないように思える。つまり何かが起きとるんや。何も知らなかったらリセッションやと思うやろう。化学、紙、銅、鉄鋼はいずれも確実にリセッションを織り込んどるような動きや。そうでなければ説明がつかない下落ぶりなんや。ここ三カ月で、NucorもNewmont MiningもFreeport-McMoRanもCleveland-Cliffsも20%以上下落しとる。石油株も軒並み厳しい状況や。

 

ということで、ざっとベアマーケットを見てきたわけやが、結論としてここでわいの仮説を述べておこうやないか。あまり語られない視点なんやが、今Fedの委員達は「まだインフレは抑えられていない」と言い続けとる。確かに、物価上昇はある。スーパーに行けばわかることや。でも、これらの大きくアンダーパフォームしているベアマーケットセクターを見れば、もしかしたらFedは望みすぎてはいけないのでは、とわいは思うで。実体経済の大きな部分を占める企業群が株価を大きく下げとるんや。ということは、彼らの業績は予想以上に落ちとる可能性があると思うし、インフレは予想以上に早く落ち着く可能性があると思うで。

 

 

不調なセクターにも目を向けないといけないですね。

 

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