オプションは恋だのほざいてきた。
これが恋の苦しさか。
深紅のチャートに目も真っ赤。
紅に染まった俺をなぐさめるやつはもういない。
ああ、袖にされる悲しさよ。
ああ、ふられる侘しさよ。
世界で俺は独りぼっちだ。
そうだこんな感じだったのだ。
これが恋なのだ。
日常に埋没していた俺の感性が引きずり出される。
意識的な深呼吸なしでは呼吸は浅くなるばかり。
ここは富士山の九合目か。
止まらない冷汗と涙のランデブー。
ちっぽけな人一人の事情など誰も気にしない。
世界は変わらずまわるまわる。
オプションの締め切りは迫る迫る。
仕事には変わらずおわれるおわれる。
さあ、撤退をしなければならない。
さあ、敗戦処理をしなければならない。
敗戦を受け止めて、北北西の方向へ消えゆくのみだ。
口先だけじゃ何も変えられない。
分かってるけどヤッパ損切辛いやいやいや。
まず、今日唯一あがったWYNNのコールをそうそうに手じまい。
死ぬことだけは避ける。
例えわずかだとしても復活の種を摘み取ってはならない。
後は明日ちょっとでも戻ったら二束三文で撤退していく。
この撤退戦がうまくいっても大勢はかわらないだろう。
臥薪嘗胆の時を経なければ、種銭を増やすのは困難だろう。
それでも俺は行く。
不思議と後悔はあまりない。
今は感じてないだけかもしれない。
後から怒涛のように押し寄せてくるのかもしれない。
これも恋なのだ。
それでは聞いてください。
Yamazaki Makabeeで「One more time, one more chance」
これ以上いくら失えば
心は許されるの
どれ程の損切りならば
もういちど立て直せるの
One more time
チャートよ うつろわないで
One more time
ふざけあった 時間よ
くいちがう時はいつも
僕が先に折れたね
わがままな下落が
なおさら狂おしくさせた
One more chance
損失に足を取られて
One more chance
次のコールを選べない
いつでも捜しているよ
どっかに上がる銘柄を
ただの順張り ただの逆張り
こんなとこにいるはずもないのに
願いがもしも叶うなら
今すぐ先週に戻りたい
買いたいコールは もう何もない
プットだけを抱きしめて みせるーよー
今日の結論:こんなとこにいるはずもないのに