こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの3/10のMad Moneyはどうだったでしょうか。

なんということや。ここまで積み上げてきた株価の上昇分をあっさりと消し飛ばしてしまうとは。まるで、リセッション、景気後退の可能性を見越して、数カ月、場合によっては数年分もの利益を一気に奪い去るようなものや。そして多くの人が、景気が落ち込む局面でも好調なセーフティ株に乗り換えるというわけや。そうや、なんでこんなに株価が落ちるのかというと、今が、リセッション対策の世界になっとるからや。そういう世界では、売りたい人は、売買さえ成立すれば売値がいくらであろうと関係なかったりする。だからこそ、今日のようなひどい日が生まれるんや。

今日はダウは-2.08%、SP500は-2.70%、そしてナスダックに至っては-4.00%と、暴落の日になったといってもええやろう。ナスダックとしては2年半ぶりの最悪の一日で、Mag7は驚異の5%下落やったんや。もうどの株も全然Magnificentでもなんでもないで。もう今は、The Magnificent Sevenという呼び名をやめようと思うくらいや。それにしても、こうした長期の勝ち組銘柄から抜けた資金の一部は、ヘルスケアや石油関連、特に配当利回りの高いところへ回ったんや。景気減速時に強いヘルスケア株を買うのは理にかなっとるが、石油関連株は高配当でもあまり筋が通らないんや。数パーセントの配当では、今回のような局面で守り切れないんや。

さて、安全資産を買って景気敏感株を売る行為自体には、それなりの理由はあるで。実際、今夜はDelta Airlineの株が完全に壊滅状態やったんやが、それは業績予想の引き下げが発表されたからや。第1四半期の収益成長率予想を従来予想の7-9%から3-4%に引き下げて、営業利益率予想を従来の6-8%から4-5%に、EPS予想を従来の$0.70-$1.00から$0.30-$0.50に下方修正したんや。ビジネスと個人消費の双方が弱いということで、恐ろしいほどの業績不振や。マクロ経済の不確実性が高まる中で、消費者および企業の信頼感が低下して、国内需要が弱まっている証拠なのかと思うよな。なんともお粗末や。

一体何が起こっているのか?これを紐解くには歴史を知ることも大事や。わいらはただ歴史にとらわれたいわけではないが、でも同時に、歴史的視点を持ちつつ考えることが大切なんや。まず、大統領が態度と戦略を変えたことで、マーケットそのものが変わってしまったんや。トランプ第一期は、トランプは株式市場を好み、株価が下がるのを嫌がっとったんや。一方でトランプ第二期は、貿易相手国の強欲なパートナーを相手に、輸入品に大幅な関税をかけながら貿易を再構築しようとしとる。

ちなみにわいはこれまでも行ってきた通り、この強硬な貿易策そのものには賛成の立場や。でも反対なのは、そのやり方なんや。みな知っとる通り、トランプ大統領はMcKinley大統領を敬愛しているとされとるよな。最も標高の高い山の先住民名であるDenaliを、25代大統領を称えてMount McKinleyに戻したのもその表れや。これは2015年にObama大統領がMcKinleyの名称を廃してDenaliに戻したんやが、トランプがまたMcKinleyに戻したというわけや。

わいらが今トランプ大統領の考えだと思っていることのほとんどは、当時の銀行やビジネス利害を代表していたMcKinleyと同様のものやったんや。まさにトランプ第一期はMcKinleyそのものやった。トランプ第二期は、実はまだまだMcKinleyなんやが、それに加えて、1896年の大統領選挙で敗れたWilliam Jennings Bryanでもあると思うで。彼はポピュリストやった。今のトランプは彼にも似ているで。BryanはDemocrat Populist Partyの候補として出馬して、巨大資本に対抗して労働者を支援する姿勢を示したんや。

重要なのはここや。トランプ第一期目はそれこそMcKinleyと非常に近い思想で、ウォール街もそれを好んだんやが、でもトランプ二期目はWilliam Jennings Bryan寄りで、偉大な平民と呼ばれた大統領に似ることをウォール街は好まないんや。彼の「金の十字架演説」は今日でもアメリカ政治演説の古典として知られとるが、トランプがそうなるのを株式市場は好まないんや。だから率直に言って、トランプは株式市場を殺しにかかっとるで。彼自身が市場に注意を払っていないと公言しとる。週末に彼は、株式市場は焦点ではない、とはっきり言うたんや。

結局、バイデンと同様に、トランプは株主がたいてい富裕層だと考えているようや。彼らは十分稼いできたのだから、残りの99%がもっと豊かになるべきだ、とでも言いたいんやろうか?実際のところはわからんが、驚くべきことに、彼とバイデンが初めて意見の一致を見せたようにも感じるで。つまり、株式市場なんて関係ない、という点で、や。さて、真面目に考えようやないか。わいはここのところずっと、Walmart White Houseやと言うてきた。Everyday Low Priceならぬ、Everday Low Stockだと。つまり、大統領は株価に毎日お得な値下げをもたらしている、と。大統領は株主にまったく譲歩していないんや。

そして今日になって、ようやくみんながわいのこのコメントがジョークでないことに多くの人が気づいたようや。この“毎日株価下落”はまさに現実なんや。ジョークではないんや。スーパーでの値下げはうれしいが、株式市場での値下げは歓迎されないのは当然や。非常にシンプルや。こんな状態がいつまで続くのか?わいにはわからんのや。トランプが株価が壊滅状態だからといって、貿易相手国に対して手加減するとは思えんで。彼が黄金の十字架に、つまりは高い株価のために、その貿易政策を犠牲にするとは考えられん。

でも多くの投資家はこの展開を予想できなかった。トランプの態度変化にショックを受けた“金持ちの投資家”—つまりWilliam Jennings Bryanが攻撃した“大資本家”たち—が今恐怖心に駆られとる。ほんの一晩で、彼らは不況が迫っている、それも早急に来ると決めつけたんや。彼らの見立てはこうや。アメリカは消費主導の国やから、Walmart White Houseがもたらした混乱で消費者が終わってしまうやろう、と。同時に、テック業界の大きなテーマであったデータセンターの拡張やAIも突然呪われたかのような状況になってしまった。中国発のDeepSeekが、より少ないハードウェアでより多くのコンピューティングパワーを得る方法を見つけたという話があったよな。

NVIDIA株にしても、今やまるでミーム株のように取引されとる。本当にミーム株や。だから売り叩かれとる。もしかすると、Oracleの今日の好調な決算が多少流れを変えてくれるかもしれんが、でもさっき言ったDelta航空の業績の大きな下振れがそれを打ち消すやろう。では、本当にリセッションは来るんやろうか?確かに、経済は急激に落ち込んでいるように見える。関税を好む大統領は今、Smoot Hawley Tariff Act(1930年に成立した悪名高い関税法)並みかそれ以上の関税を“貿易上の敵対国”にかけようと脅しとるよな。そう、あの法案が原因で世界大恐慌になったとも言われるやつや。

たとえホワイトハウスが歴史を顧みないとしても、わいらは歴史を知っとる。彼らの目には、トランプがあの伝説的なHerbert Hoover大統領と同じ道を辿っているように映るんやろう。Hooverは経済学者たちが「Smoot Hawleyは経済を破壊する」と散々警鐘を鳴らしたにもかかわらず、農民や労働者のためという名目で同法案を推進・署名したんや。結果的に輸出は60%も減少して、わいらは国家の歴史上最悪の大恐慌に突入したんや。Hooverは1932年になってようやく「撤廃すべきだった」と後悔したが、時すでに遅しやった。わいは、これほど大げさに比べるのはどうかと思わんでもないし、Herbert Hooverと同列に扱われるのは嫌やろうが、でも歴史が繰り返されんやないかと怖れるのは当然や。

じゃあわいらはどうすればええんか?株価がこれ以上まだまだ下がると思って、売り手に加わるべきなんか?わいは今日株を売っている売り手たちは手遅れにはまだなっていないが、すでに後発組に近いと思うで。彼らは誰よりも先に売り抜けようとして必死になった結果、ひどい価格で売る羽目になってしまった可能性があるし、買いに関しても今リセッション耐性株に飛びつかなければ後々もっと安い水準で買えたかもしれないという可能性もある。わいらのマーケットは奥行きがあるとはいえ、これほど集中した売買をすべて吸収できるほど深いわけではないんや。

もしかすると明日も今日と同じ、あるいはもっと悪い展開になるかもしれない、そんなふうに売り手たちは考えているやろう。そうでなければ、こんなに激しく売り叩く理由がないで。もしかしたら、売り手は大統領がヨーロッパや日本、韓国の自動車産業に追加関税を課すという具体的なプランを知っているのかもしれん。ちなみにわいもそれを待っとるんや。あなたはどうや?あれらの国々の貿易障壁はひどいものや。あるいは大統領は、新しいカナダのリーダーであるMark Carneyを攻撃するのかもしれん。もしくは、トランプが中国に対して農家を守る姿勢を貫くと知っているのかもしれん。もう彼が言い出しそうな言葉が聞こえるようや。

「都市を焼き払え、そして農場を残せば、都市は火がついたように蘇る。しかし農場を破壊すれば、国中のすべての街の通りに草が生い茂るだろう」おっと、これはWilliam Jennings Bryanの金の十字架演説そのままやな。失礼したで。わいは、人々が二つのことを忘れていると思う。一つ目は、金利が下がるということ。これは良いニュースや。二つ目は、歴史に通じたFedの議長がいるということ。彼はWilliam Jennings BryanもHerbert Hooverも知っとるし、金の十字架演説も完全に暗記しとるやろう。わいも昔、それを暗誦していたものや。彼はSmoot Hawley Tariff Actについても知っていて、わいらが危うい立場にあるかもしれないことを理解しとる。

果たしてパウエルはトランプに打ち勝てることができるのか。今はたぶん逆にトランプがパウエルを何かしらの理由で攻撃する準備をしていると思うけどな。とにかく金利を引き下げろ、という感じかもしれん。でもとにかくDeltaのニュースで旅行需要のメッキがはがれたのかもしれんし、あなたはMag7銘柄に戻りたいのかもしれんが、もうMag7なんて存在しなくなっとるんや。かつてわいらがそう呼んでいたものは、もうその名に値しない感じになっとる。同時に、リセッション派の人々がSmuckerやColgateを買い続けられるかはわからん。それらの銘柄だって好調というわけではないんや。そうや、もう悪夢やという状態なんや。

でも、結論やが、すべては“Walmart White House”が作り上げた状況だということを忘れないでほしいんや。世界中のほぼあらゆる株式市場が、わいらの株式市場を今は圧倒しとる。みんな、わいらより良いパフォーマンスを出しとる。今誰がトランプ大統領に助言しているのかわいにはわからん。ただ、彼がやっていることは重要な仕事だと承知はしとる。わいはフリートレーダー(自由貿易主義者)でもなければ、フェアトレーダー(公正貿易主義者)でもない。むしろ関税賛成派や。でも、現状、蜂蜜のほうが核兵器よりも多くのハエを退治できると思うんや。すなわち、もっと考えて、何かを頼んだり説得したりする際に、厳しい態度や批判よりも、優しさや親切な言葉の方が効果的であることを思い出すべきや。大統領は必要とあれば関税を撤回できるやろうが、基本的に彼は自分の関税政策が正しいと信じとるやろう。だからこそ、今後も何の手心も加えず、ただ力ずくで押し通すやろう。でもわいはあえて言っておきたい。大統領、成し遂げることは良くても、その方法はより優れた方法があるのではないですか、と。
下落はいつまで続くでしょうか。
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