こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの4/24のMad Moneyはどうだったでしょうか。

今の状況はやっぱりボウリングを思い起こさせるで。いろいろないい決算発表がきっかけとなって、ボールがピンにあたって、その後次々と倒れていく、いわゆるピンアクションが見られたんや。今日のこのピンアクションにのったら大きな儲けが生まれたはずや。下手したらここ何年も見たことのないほどの素晴らしいピンアクションで、先頭のピンが次々に後ろのピンをなぎ倒す様子はまさに痛快や。ストライクの連発や。ホワイトハウスがいつもの下げコメントをやらなかった結果、好決算から力強いラリーが生まれ、ダウは+1.23%、SP500は+2.03%、そしてナスダックは+2.74%と大きな上昇の日になったんや。

複数日にわたる意味のあるラリーには多くの要因が絡むが、その一つはそもそもある程度の絶望感があったということがあげられるで。月曜日、ホワイトハウスは新しい底にトライするかのように、トランプ大統領がウォール街で唯一と言っていいほど普遍的に尊敬されている人物、Fed議長のパウエルを攻撃したんや。ご存じのとおり、パウエルはトランプの最初の任期中に指名されたんや。在任中、彼は多くの正しい決断を下して、前財務長官のSteve Mnuchinとともにパンデミックから経済を実質的に救ったんや。まだ記憶に新しいやろ?

でももちろん彼にも誤算はあるで。COVID 収束後の利上げ開始が遅れて、インフレを助長したという批判がある。でも総合的に見れば、彼の実績はほぼ最高レベルや。何よりパウエルは「効果的で独立したリーダーシップ」の象徴なんや。政府の各部門が色あせて、政治家への敬意がかつてないほど失われた今、ほぼ全員から敬意を集める人物はこの人しかおらんのやないか。彼は非の打ち所がなくて、いかなるときも動じず、毎日勤勉に職務を遂行して、正しい判断を下そうとするんや。そしてどの Fed 議長よりもアメリカの労働者を思いやっているんや。それにもかかわらず、トランプ大統領は彼を嘲笑し、公然と解任を検討しているというたんや。しかもそんなことは違法行為だというのに。

大統領が Fed 議長を解任できるのは「重大な理由」がある場合のみやが、彼にそのような理由は皆無なんや。パウエルは “Mr. Smith” のように高潔で、Frank Capra の映画にそのまま登場してもおかしくない人物なんや。要するに、トランプがやったのは行き過ぎた誹謗中傷やった。ウォール街の見方では、もしトランプが本当に パウエルを解任すれば、アメリカは真の“Banana Republic”への道を進むことになるということや。ここで言う Banana Republic は Gap 傘下で Old Navy の二段階上に位置するあのブランドのことではないで。この業界で、選挙で選ばれた政治家が金利を操作することを信頼する者はおらんのや。もし大統領が簡単に Fed 議長を解任できるなら、金利は常に低く抑えられ、長期的に深刻なインフレを招くやろう。

だからこそ、大統領がパウエルに攻撃を仕掛けたときはウォール街の狼たちさえ恐怖を覚えたんや。ところが大統領が、意外に簡単に、「パウエルを解任する計画はない」と矛を収めたことで、そこからのラリーに必要な燃料が投下されたんや。株式市場には、もう一つ追い風があったで。それはそもそもここまで、ほとんどすべてのチャートが、株価が上昇する見込みなど嘲笑うかのように崩壊していたということや。景気後退関連の一握りの銘柄以外は総崩れになっとったんや。

すべてのチャートが「空が落ちてくる」と告げる中で、少しでも好材料が出れば驚きは最大化されるんや。そこへ、中国とのディールが進展している、という噂がホワイトハウスから流れたことは、悲観という名の負の沼、底なしの悲観論が渦巻く中で、状況を一変させる追加の好材料になったんや。ディールの進展を中国側は否定しとるから、ここのところは実際どうなのかわからん。でも、更に好材料が、最も意外な場所、すなわりそれぞれの企業の決算からもたらされたんや。

今巷では景気後退の話題でいっぱいや。ヘッジファンドのベア派が好き放題に弱気論を振りまく中、決算シーズンが本格化しとる。「企業が真っ赤に染まった本性を露呈する」とベア派は豪語しとったわけやが、実際には真逆だったために、ボウリング場でピンが豪快に吹き飛ぶラッキー・ストライク状態になったんや。昨晩のMad Moneyでも取り上げた銘柄を再度例にとろうやないか。

株式市場を地獄の比喩で語れば、まるで Dante の『神曲』の九層の地獄。最下層・第九圏にいるのが、“混迷の極み”と化したエンタープライズ・ソフトウェア銘柄だったんや。その代表格のServiceNowは、かつては最高のパフォーマーの一角やったが、ここのところの決算では激しく失望を招いて株価は大きく下落しとったんや。ところが昨晩 ServiceNow が発表した決算は、CEO Bill McDermott の底力を見せつけるものやったで。1四半期で通常1年分に相当する大型契約を獲得し、株価は今日15%も急騰したんや。

次は Vertivや。データセンターの心臓部を作る企業としてかつては大地をも揺るがす存在やったが、中国企業が「より少ないハードウェアで AI モデルを構築できる」と豪語すると、データセンター関連株は総崩れしたんや。Vertiv もジュラシックパークの恐竜の絶滅種さながらと見なされとった。ところが昨日、この会社の業績が前四半期比で加速していたことが判明して、さらに今日の Nvidia と Amazon の経営陣の発言でそれが裏付けられたで。今晩は Alphabet も投資(capex)計画を再確認しとる。火曜に 72ドルを下回った Vertiv の株価は、今日は 83ドル台に乗せとるんや。

そして最後を締めくくるのは GE Vernovaや。国家電力網を再構築して、何十万人もの雇用を生む、まるで新生 WPA(公共事業促進局)のような壮大なビジョンを掲げとる。この会社は世界最高品質のタービンを製造しとって、それをここアメリカで作っとるんや。もちろん、これらの好決算だけが強気相場の福音を広めたわけではないで。かつてのアナログ半導体の王者 Texas Instruments が産業用半導体の底打ちを宣言して、同じタイミングで最良の半導体製造装置メーカー Lam Research が完璧な上振れ決算を発表したんや。昨夜まで半導体株は、夏の終わりのセミみたいに死に体やと皮肉られとったが、いまや完全復活や。

さて、本物のインダストリアル&テック・ラリーには「安全資産は最後に買われる」、つまり、ふだん休むことのないディフェンシブ銘柄がダメになる、という条件が不可欠なんやが、その動きもまさに今日見られたんや。Procter & Gambleが失望続きの数字を発表して、株価は勢いよく売られたんや。あとは、この会社が売っとる芳香付き柔軟剤でも PepsiCo の下げは隠せないで。しかも、保健福祉長官のケネディーJrがげートレードから青・赤・オレンジを、ナチョチーズトルティーヤチップスから黄色を、さらには Pepsi-Cola から茶色さえ取り除こうとしとるんや。

結論やが、安全とされるディフェンシブ銘柄が下げ、最もアグレッシブな銘柄が雄叫びをあげて上昇したんや。ホワイトハウスが品位を保つか少なくとも沈黙して、同時に中国との間ではWWE ばりの演出を見せて、わいらの敬愛するFed議長のパウエルが貶められなければこうなる。皆さん、これこそが生粋の強気相場や。ボーリングのボールは猛烈なスピードで転がり、ピンが四散しとる。この勢いのボールでは、もはや立っていられるピンは何一つないぐらいなんや。
このまま順調にいくといいのですが。
応援よろしくお願いします。