アメリカ発ーマカベェの米株取引

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【ジム・クレイマー】今は重大すぎる局面!大振りするな!【Mad Money】

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こんにちはマカベェです。

ジム・クレイマーの5/30のMad Moneyはどうだったでしょうか。

 

さて、わいらにはボールペンで緊急気管切開をしているような感覚を覚えずに済む日が必要やと思うんや。今日もまた、大きなペンがこちらに向かって突き刺さってくるような場面があったで。トランプ大統領が中国に極めて敵対的な投稿を連発して、株式市場を押し潰したんや。「私の非常に高い関税で、中国は米国市場への参入が事実上不可能になった。中国を救うために迅速な合意を結んだ。全ては急速に安定し、通常の取引に戻った。しかし、悪いニュースは中国が合意を完全に破ったことだ」と述べて、自身の政策の効果を強調しつつ、中国の合意違反に強い不満を表明したんや。

 

更に、「一部の人にとっては驚きではないが、中国は我々との合意に完全に違反した。いい人を装うのはここまでだ!」と投稿して、今後は中国に対して厳しい対応を取る姿勢を強調したんや。これでSP500 は一時 1.2%も下落したで。その後、トランプ大統領が Elon Musk とのお別れの記者会見で「近く習近平と話す」と述べたことで損失の大半が消えて、結局今日はダウは+0.13%、SP500は-0.01%、そしてナスダックは-0.32%やったで。SP500 は 1990 年以来で最高の 5 月を記録したんや。これは驚異的な数字や。

 

ここまでいろいろな重大事項があり、綱渡りのような状態が続いとるが、緊急気管切開の出番はまだなさそうや。それでも今は重大な局面に思えるで。こういう時は深呼吸をして、なぜこれほどまで事態が重大に「感じられる」のか自問する必要がある。そう言うのは、来週のゲームプランには大きく心配する要素が見当たらないからや。それでもわいは壁際に立ち、銃口を向けられている気分がするんや。その銃口が指す先は金曜日発表の非農業部門雇用統計や。

 

ここ数週間、小売各社の決算を聞くかぎり、価格のふたは吹き飛びそうや。6 月にはあらゆる商品で値上げが避けられないんや。では何が起こり得るやろうか?金曜日に強い雇用統計が出れば、Fedが短期金利を下げる余地はなく、長期金利も上昇するやろう。弱い雇用統計が出ても、関税がインフレ要因だと承知している Fed はやはり利下げしないやろう。今日 JP Morgan の CEO、Jamie Dimon も同趣旨の発言をしとる。ニューヨークで開催された「J.P. Morgan Global Markets Conference」での講演で、「関税の本格的な影響はまだ表面化していない」と言って、市場がインフレや景気後退リスクを過小評価していると警告しとるんや。

 

彼は「関税はインフレを加速させ、アメリカ経済の成長を鈍化させる可能性が高い」と述べて、たとえ雇用統計が弱くとも、Fedはインフレ懸念から利下げに慎重になるだろうとの見方を示しとる。また、「現状の関税水準でも十分に厳しい。アメリカはすぐに国内生産へ転換できず、インフレ圧力が続く」と指摘しとる。それにしても、トランプ大統領は世界全体に同時に関税をかけると決めた際、何を考えていたんやろうか?エネルギー価格が大幅に下落し、すべて丸く収まるとでも?それとも今週末の OPEC+ 会合で原油が 60 ドル台から 50 ドルに急落とるんやろうか?そうであって欲しいところやけどな。

 

あるいは小売業者が「新しい大統領の下では利幅を削るのが宿命だ」と受け入れるとでも考えたんやろうか?振り返れば、インフレが確実に上昇すると確信できる時期など記憶にないんや。そうや、数多くのカンファレンスコールを読めば、短期でも長期でも金利が下がることはなく、生活のあらゆる場面で価格が上がり続ける限り、Fed は利下げしないと分かるんや。小売業者が関税コストを肩代わりしてくれる、それだけが唯一の望みやが、そんなことをする理由が彼らにあるやろうか?小売業はもともと利幅の薄いビジネスで、その余裕はないんや。

 

わいの希望は、月曜にパウエル議長がニューヨークのInternational Monetary Conference(IMC)で基調講演をやる時に、わいよりもうまく状況を説明してくれて、わいらが銃口をのぞき込んでいるような気分にならないことや。近ごろはあらゆる制度の強さが疑問視されとって、それでも価格上昇が迫っているのは確実や。小売各社はほぼ例外なく値上げを示唆しとる。ただし Costco は除くけどな。ちなみにCostcoの決算は素晴らしかったな。物価安定を維持するのが Fed の仕事やが、利下げで物価が安定するわけではないんや。

 

しかもトランプ大統領は関税を下げたいと言っているわけではなく、むしろ一段と高い関税で中国を「罰したい」、ほとんど禁輸に近い措置を望んでいるように見える。今回耳にする値上げは、その第一弾にすぎないかもしれん。じわじわと広がっとる。事態は重大やで。さて、残りのゲームプランとしては注目決算を言っていこうやないか。まず月曜朝には Campbell's の決算が出るで。かつてなら、PER 11 倍、配当利回り 4.5% なら買いや、と言ったやろうが、今はこういう株は見送らんとあかん。缶詰の中身はもちろん、缶そのもののコストまで上がって、粗利益率が圧迫されとる。さらに GLP-1 系の減量薬が満腹感を強めて、人々が Goldfish クラッカーをたくさん食べなくなる、そういうことになるかもしれんのや。

 

火曜の朝には Dollar General の決算があるで。これまで巧みに価格を抑えてきたんやが、果たしていつまで持ちこたえられるやろうか?この週の水曜には Dollar Tree と Five Belowの決算が続くで。いずれも家計が苦しいときに駆け込む、最後の砦系のリテールで、低価格商品を見つけ出す達人たちや。でも中国製品に関税がかかって、かつての低コスト商品が使えなくなったために、今は他国から同等品を探し回らねばならず、その国々は予想以上に交渉力を持っているかもしれん。

 

3 社とも関税発動前に大量仕入れできたおかげで、今回は好決算やろう。ただしガイダンスが問題や。関税体制の下では、大幅な値上げか、利益率の大幅低下かの二択になるんや。株価には厳しい展開かもしれん。Costco のように巧みに立ち回れれば良いんやけどな。Costco は扱うアイテム数を絞り、超大量仕入れをやっとって、サプライヤーが強欲になれば即座に入れ替えられるんや。これは他社には真似できないんや。わいの望みは、ダラー系ストアが一度値上げしてその水準を維持しながら安い仕入先を見つけるまで耐えることやが、ホワイトハウスが「すべて国産」を求めている限り難しいやろう。国産品は外国産より高くつくからな。

 

火曜の夜には CrowdStrike の決算もあるで。直近でサイバーセキュリティ銘柄が続けて決算を報告しているだけに、株式市場は相当ナーバスになりそうや。決算が芳しくなかったのは Palo Alto Networks、Okta、それに SentinelOneや。対照的に勝者はひとつだけ、Zscalerやが、こっちはまさに大勝利と言えるやろう。前四半期に CrowdStrike は失速したんやが、わいは Investing Club のメンバーに「買いの好機」と伝えたんや。今は株価はその決算発表時を上回っとる。ハードルを越えるのは難しいと見とるが、でもわいのファンドでそれでも保有を続ける理由があるで。まもなく、あの大規模障害の発生から1年が経過するんや。覚えとるか?あの CrowdStrike のミスで世界中の端末が停止した件や。それでも見事に復活したんや。あれを乗り切れたのなら、わいはこの株を、Own it, don't trade itというで。

 

木曜日には、悲喜こもごもの決算が控えとる。まずはJack Daniels を製造する Brown‐Forman と Cracker Barrelの決算や。レストラン再建への期待と今の歴史的な割安水準ということで、Cracker Barrel には前向き材料があるように見えるで。一方、酒類は底打ちしていないとわいは考えとる。先月のビール需要はひどいものやったし、GLP-1 系減量薬の広がりで若年層は健康志向になって、価格も下がらないんや。わいは Brown‐Formanには近づきたくはないで。Cracker Barrel について言えば、バリュー系レストランの株価は Darden も Texas Roadhouse も上昇したんや。今日の Brinker も素晴らしかったんや。CEO は店舗の再活性化に注力しとって、わいの好みや。

木曜日の引け後には、誰もが名前を聞いたことがあるわけではないものの時価総額 1 兆ドルのテック企業 Broadcom の決算があるで。わいはソフトウェア部門の高い利益率のおかげで好決算になると予想しとるで。 さらに Lululemonの決算もあるんや。中国ビジネスが大きくて、下手したら実際ここが明るい材料になっとるんや。わいは以前株価は底入れかもしれんと言うたが、依然として割安だと見とるで。そして金曜には「ゴルディロックス」、すなわちちょうど良い雇用統計が必要や。

唯一市場に悪影響を及ぼさないシナリオは、「雇用者数ゼロ増・賃金伸びゼロ増」や。これを望むなんて信じられるか?でもわいはそれを願っとる。もし本当にその数字が出れば、株式市場は急反発して過去の損失を埋めて、5 月の好調相場が続く可能性があるで。雇用増ゼロ、賃金増ゼロ、これを応援するなんて奇妙に聞こえるやろうが、要はこれは野球ではなく「あなたのお金」の問題や。ロングポジションは維持しつつ、大振りしすぎないでほしいで。今は局面が重大すぎるからな。

 

 

まだまだいろいろ荒れそうですね。

 

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