こんにちはマカベェです。 ジム・クレイマーの7/15のMad Moneyはどうだったでしょうか。

わいは決算シーズンは大好きや。決算後株価が急騰した時なんかはまさに歓喜の殿堂や。でもわいは決算シーズンは大嫌いや。決算後株価が急落すると心が締め付けられる。決算後ひと息ついて椅子にもたれ、足を投げ出して勝利を味わっていたかと思うと、次の瞬間には自分の愚かさに激怒して椅子を投げている。45年間もこんなことを続けてきたんやから、少しは自分に甘くしてもよさそうなものやが、それはわいの流儀ではないんや。今日は決算シーズンが本格的にはじまったわけやが、今日だっていつも悲喜こもごもの決算シーズンの例外ではなく、良いニュースと悪いニュースが入り混じった日になったで。

今日はダウは-0.98%、SP500は-0.40%と下落の日になったんやが、ナスダックは+0.18%と上昇した。その背後にはNvidiaのニュースがあったんやが、まずはちょっと過去に戻って振り返っておきたいで。4月に飛び込んできたのは驚くべきニュースだったんや。トランプ政権がNvidiaに対し、「H20」と呼ばれる高性能チップを中国へ供給するのを停止するよう命じたんや。このチップは、CEOのJensenがAIの祭典であるGTCで披露するような最上位モデルほどではないにせよ、Nvidiaの技術を基盤に何かを築きたい人々には十分に強力で価値のある半導体や。

中国は世界第2の市場で、Jensenが「500億ドル規模」と語った市場からNvidiaが締め出されるということで、その四月のニュースにわいは気が滅入ったんや。でも、そのH20の販売禁止が続いたまま5月下旬にNvidiaが決算を発表したとき、JensenはこのMad Moneyに出演してくれて、こう語ったんや。「Nvidiaの投資には信念を貫いてほしい。大統領はアメリカに勝ってほしいと考えている。そして彼もまた、この半導体市場がいかに重要で巨大かを理解している。アメリカにもたらす収益は莫大だ。今年だけで500億ドルだ。Boeingに匹敵する。彼らが作る航空機に匹敵するんじゃなく、Boeingという企業まるまるに匹敵する規模だ。これはとてつもない市場なんだ。」

多くの人にはまだまだ荒唐無稽というか、イメージが掴みにくい話に聞こえたかもしれん。でも何十年ものあいだ、Jensenに逆らって損をしなかった例はないんや。Jensenとホワイトハウスとの間では継続的に意見交換が行われて、それはこの前の週末も続いたんや。わいらには彼と大統領との協議がどのように進んだか詳細は分からんかった。ただ、Jensenが強力な主張を展開したことだけは確かや。彼は極めて説得力のある主張をしたやろう。例えばまず、世界の基軸通貨がドルであることをわいらが誇りに思っているという事実から話を始めてもええやろう。これは、ワシントンがどれほど債務を抱え、混乱していようとも、わいらが金融界で最も重要な優位性をいまだ保持している証なんや。

時価総額4兆ドルに到達したNvidiaを率いるJensenは、大統領の称賛を受けつつホワイトハウスに斬新な提案を持ち込んだんや。彼はこう言ったやろう「H20チップを中国に販売すれば、世界の半導体の標準をアメリカが握ることになる。その結果、中国に住む世界のエンジニアの半数を含む誰もが、我々のハードウェア上でプログラムを書くようになる。世界は我々の半導体を“標準半導体”として扱い、中国を含む他国が独自のチップを開発する必要がなくなるのだ。」

中国を含めて世界中の誰もがNvidiaのチップで物事を動かすようになれば、アメリカの覇権はますます盤石になる。わいが思うのは、何年ものあいだ、中国政府は国内メーカーに補助金をばらまき、わが国の産業を次々となぎ倒してきたということや。だからこそ、わいらはレアアースで中国に依存する羽目になっとるんや。でも今回の Nvidia チップに関しては、相手が喉から手が出るほど欲しいものをわいらが握っとるんや。まさに好位置に立っとるわけや。ということで今の状況は Nvidiaの凄さを物語っとるが、同時にアメリカにとって驚異的な勝利要因の一つとなっとるんや。

「中国にNvidiaの半導体を渡して、もし中国が それを軍事転用したらどうする」と言う声もあるやろう。でも Jensen の理屈は鉄壁や。中国がアメリカ製チップを軍備に使うなど、常識的に考えれば自殺行為になりかねないやろう。同じように、わいらが命綱のところに中国製チップを使うこともあり得ないで。少なくとも。願わくば。そして、結局トランプ大統領が Nvidia を支持し、Jensen が求めていたH20チップの中国への輸出ライセンスが認可されるとの報が流れた時、Jensen は絶好のタイミングで中国にいたんや。中国は Nvidia の H20 チップに数十億ドルを支払うことになることになったんや。

わいはこの朗報を X に投稿して、「ナスダック先物は反転するはずや」と書いたのが昨夜 9 時 30 分や。喜々として眠り、5 時間後にワークアウトのため起きると、先物は見事に切り返しとった。気分は最高や。でも同時に、もしかして決算シーズンのまさにスタートの前に舞い上がりすぎたんやないか、と考え始めてもいたんや。そこで飛び込んできたのが、 BlackRock の決算発表や。わいは株価 600 ドル台から BlackRock を推してきたが、そんなことは今は関係が無い。問題は「最近どうなのか」や。

決算は見出しは良好に見えたものの、資金流入が 120 億ドルと物足りない数字に市場は失望したんや。運用残高 12.5 兆ドルのこの巨人は、ここ数週間で金融株のスターだったんやが、資金流入の鈍化を嫌気して今日は 6%近く急落してしまった。早朝取引で株価が 20 ドル高く始まったのを見た瞬間、わいは「この決算に浮かれる連中は死に体や」と悟ったで。本質はなんといっても資金流入のところやからや。でも、寄り付きで 90 ドル近くも下がるとは思わんかった。まるで屠殺場や。

例えばBlackrockのビジネスの方向性自体は依然好ましいと感じていても関係ないんや。わいのファンドで BlackRock を保有しとって、まだまだこの株を推してきたわいはメンバーの信頼を損ねてしまったんや。これで、Nvidia の朗報による高揚感は、一瞬で遠い記憶となってしまった。大口顧客の離脱で資金流入が落ち込んだと判明しても慰めにはならん。わいが推していた BlackRock は市場の期待を裏切り、わいの面目丸つぶれや。そして更に今日の Wells Fargo の惨状がある。もはやどんなコロンでも隠せない悪臭が漂っとる感じになっとるんや。

Wells Fargoは過去の不祥事で Fedから行動を厳しく制限されてきたんやが、資産上限も撤廃されて、ようやく攻勢に転じる準備が整ったんや。にもかかわらず、決算で生じた急激な構図の変化については説明不足だったんや。株式市場が注目したのは、もはや重要視されていないはずの純金利収入(Net Interest Income)の大幅な未達だけやった。しかしこれは、預金を積極的に呼び込み、貸し出しを増やす“攻め”に出れば解消できる問題なんや。Wells Fargo は再び成長志向の銀行になりたいのであって、単なる「預金箱」をもはや目指しているわけではないんや。わいはそれ自体は良い動きやと思う。

ところが経営陣はこの移行を説明する準備ができていなくて、株式市場は恐怖に陥ったんや。わいもゾッとしたで。本当に一日が台無しな気分や。45年間繰り返してきた通り、わいはこれを仕事にしているのに、今日だって家に帰って安いスコッチでもあおり、罪滅ぼしをするしかないんや。BlackrockもWells Fargoもいずれ上昇することにはわいは自信があるんやが、その前に弱気筋を振り落とす必要があって、それには時間がかかるで。ここから新しい株主層を築かんとあかんからな。

それぞれの企業側ができることはまだまだあるやろう。たとえば「売り手はここを誤解している」と説明するとか、Wells Fargo においては巨額の自社株買いを開始するとか、そしてその枠は実際にあるからな。でもとにかく決算シーズンに“やり直し”という救済措置は存在しないんや。もし BlackRock や Wells Fargo が市場予想どおりの決算を出していれば、今日の株価が高かったとは限らないにせよ、少なくともわいの決算シーズンスタートを台無しにはしなかったやろう。これこそプロにとって恐ろしい決算シーズンの浮き沈みや。わいはNvidia を的中させて有頂天だったわけやが、BlackRock と Wells の結果で一気に奈落に落とされた気になったし、そしてそれは完全に自業自得なんや。

結論やが、わいは今のところ、傷をなめながら自責する「わいのファンドの情けないマネーマネジャー」と化しとる。それでも Nvidia という一枚のイチョウの葉で身を隠しつつ Wells と BlackRock を保有し続けるつもりや。しかし、わいのこの決算シーズンの成績は今のところ「1勝2敗」や。3本中1本しか当てていない。投資の世界では、それはひどい数字や。言い訳の余地はない。わいはこれを噛み締める。そして進んでいく。特にメンバーの人はわいのその姿勢をわかってくれるはずや。負けた時に自分をごまかしてはいけない。きちんと受け止めて、ショックを受けて、そして学ぶことで立ち直っていくんや。

ごまかさないって、つらいですよね。
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