こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの8/12のMad Moneyはどうだったでしょうか。

また起きたで。メディアというエコーチェンバーの中で、否定的なコメンテーターに焚きつけられた投資家たちの話や。先週だってあったやろ。悲観の大波にのまれてしまって、結果として、年内でも指折りの好調な一日を取り逃がしたことが。今、多くの人々は投資の語彙で最も重要な三語をどうしても受け止められないようや。Stay the course(方針を貫け)。逃げればすぐにまた飛び乗れると思うとき、人は誰もじっとしていたくないんやが、でもまた飛び乗るのは途方もなく難しかったりするんや。

今日だって、午前8時30分、想定よりインフレが低いと示す指標、CPIが出たよな。関税の影響が一部品目の価格に現れ始めとって、コアCPIの加速に寄与したというのは見られたが、でも総合CPIの結果は市場予想を若干下回ったんや。利下げの後押し材料として今日はダウは+1.10%、SP500は+1.13%、そしてナスダックは+1.39%と大きな上昇の日になったんやが、このCPIに関しても発表前からネガティブなことが散々言われて、この数字が出る前からネガティブ・バイアスがかかっていたせいで、今日のような上昇を逃してしまう人が出てくるんや。

今のような相場でStay the courseができないと、得られるはずの大きな利益を逃してしまうんや。特に今は、9月にも利下げがあり得るという見方が出てきているからな。それが、人々が一度売ってしまうと戻って来られない理由になってしまったりする。こういう時は多くの場合、売ってしまったらその後戻ろうとしても株価が上がった後で、だからもう遅くて戻れなかったりするんや。列車は駅を発ってしまって、あなたは置き去りにされて、次の列車を待ち続ける羽目になるんやが、下手したら次の列車なんてものは来なかったりする。

では1週間前にさかのぼって、何が人々を悲観的にしたのか見てみようやないか。まず、何か月も前から意識されていた8月7日が目前に迫っていたのは不気味だったよな。そうや、関税の話や。多くの人々は大規模な関税の話ばかりしとったんや。関税と結びついた“sweeping”という言葉を何度聞いたことやろう。関税は大恐慌の直前よりも高い水準になる、という話が何かい出たやろう。大恐慌を持ち出す理由はたった一つや。人々を怖がらせたいからや。

そして公平に言えば、メディアは人々を怖がらせるのが大好きなんや。なぜなら、そのほうが新聞が売れ、視聴率が取れるからや。わいはビジネスメディアで40年以上、長年記事を書いてきて、そのことを学んだで。これは本当に問題や。というのも、多くの人々を株から遠ざけてしまい、一方で踏みとどまる胆力のある人には絶好の買い場を生み出すからや。ビジネス・ジャーナリズムではそういうことが起こるんや。そして、こういう話題に輪をかけるように、トランプ大統領はインドに50%の関税を課すことを決定したんや。

インドのこの件で記者たちは更に大騒ぎしたで。大統領は、わが国が友好国を得るために積み上げてきた長年の努力を台無しにしているのだ、と。まあ、それは事実かもしれん。でも昨年、わいらはインドとの貿易で460億ドルの赤字やった。あと、ウクライナ戦争が終わらない理由の一つは、インドや中国がロシアの原油を買い続けることで資金を供給しているからや。最近のインドがどれほど「良き友人」なのかを正確に言うのは難しいよな。そういうこともあって、インドへの50%関税も、「だから株は売るべきだ、撤退するのだ」という理由にされたことの一つやった。少なくともそう見せかけられとった。

これらの関税は衝撃的やったが、でももっと恐ろしい出来事もあったで。また一つ、聞き飽きるほど繰り返されたことやが、前の前の金曜日に弱い雇用統計が出た後の労働統計局の長官の解任をめぐる件や。雇用統計の改定値が弱くて、でもわいは、弱い雇用指標が続けばFedが利下げを余儀なくされて、万歳、と思っとったんやが、トランプ大統領が自ら雇用統計に点数をつけ、数字を信用していないとは計算外やった。ところで、あの数字は信頼できるで。ただ、確定するまでに2~3か月かかることがあるだけや。

まあでも大幅な数字の改定は驚いたよな。あんなに大きく改定されることは素晴らしい、とは言い難いで。わいはだからそれを「最適ではない」と呼ぶで。とはいえやっぱり議題に上がったのは、トランプが激怒して労働統計局のトップを解任したことや。なんとまあ。記者たちの猛烈な反発。こんなものは見たことがなかったで。「大統領は独裁者で、これからも本当の数字を出したくないのだ」という調子や。いやいや。トランプは雇用を増やしたいし、どうであれFedに利下げを望んどったんや。でも世の中はそんなふうには動かないんや。

トランプはいろいろこれからもやるやろう。Fedに新しい人物を呼び入れて数字を「調整」させようするかもしれんし、そんなことはわいは気に入るはずがない。でもそれは株式市場には大して関係ないで。政府が業務を民間企業にアウトソースして、より速く、より良くやってくれるならわいは歓迎するけどな。労働統計局の仕事とかもアウトソースしてほしいで。でも繰り返すが、それは株価とは無関係や。それから忘れてはいけないのは、トランプは、Intelの新CEOであるLip-Bu Tanに即時辞任を要求したことや。

この辞任要求は、共和党トム・コットン上院議員がIntel会長宛にTanの中国企業との関係や過去の輸出規制違反問題などについて懸念を指摘した書簡を送付して、問題が浮き彫りになった直後のタイミングやった。Lip-Bu TanはIntelの前はCadence Design SystemsのCEO・会長を歴任しとって、その時期に中国の軍事大学への製品販売が問題となった経緯がある。Tanは個人やベンチャーファンドを通じて多数の中国企業へ投資しとって、一部は中国軍とも関連しているとされとる。

彼が米中のあいだで忠誠が割れているとされるから、という理由でトランプは辞任要求したんやが、でも大統領はその結論に至るまで、どれほどの検討をしたんやろうか?明らかに大したことはないやろう。というのも、Tanがホワイトハウスを訪問して、トランプ大統領と直接会談して、自身の経歴説明とインテル・アメリカ政府の協力関係について話し合った後、トランプは態度を翻して、「Tanは偉大なアメリカ人だ」と呼び始めたからや。いきなり、Tanの成功、台頭は驚くべき物語だ、と言いはじめたんや。おっと、トランプにとって、この件は第2幕のしきりなおしということか。

こういうことがあって、その後明らかになったのは、政府が中国向けに出荷されるNvidiaやAMDのAIチップ販売から15%の取り分を取る計画があるということやった。当時わいが耳にした話では、これが最後の一押し、まさに「とどめ」みたいになった。政府が民間企業の利益を取り上げようとしているように見える。先月、Nvidiaが中国でAIチップ販売のゴーサインを得たときに時価総額が1,500億ドル増えたことなど関係ないんや。わいに聞こえてきたのは「とんでもない取り上げだ」という声だけやった。

「神聖不可侵」だったはずの、ビジネスと政府の不干渉の関係の終わり、とかなんとか聞こえてきた。なんだって?勘弁してくれ。こうした出来事の一本一本が、この相場の上に暗く不穏な影を落とすんや。“方針を貫く(stay the course)”みたいなことを言っていたらバカを見る、株なんて持っていたら損をする、そう思わされるんや。大統領があなたの利益を取り上げ、名だたる経営者の辞任を求め、労働統計局で自分に敵対しているとみなした幹部を解任し、あらゆる国に抜本的な関税を課す。グリーンランドだけは例外で、彼はそこを取り込むつもりだからとかなんとか。そんな状況で、誰が株を保有できるというのか。

ともあれ、わいがこの一連の出来事について何を考え、何を言ってきたかを話そうやないか。今まで番組を見てくれている人ならわかっとると思うが。結論は単純や。わいは映画『The Fugitive(逃亡者)』のMarshall Sam Gerardのようなものだと自分で思っとる。Dr. Richard Kimballが「妻を殺していない」と主張したとき、Gerardはこう言うたんや。「“I don’t care.”(知ったことか)」わいは結局こうした政治ネタには関心がないんや。わいの関心は、あなたがお金を稼ぐ手助けをすることや。

もちろん、トランプのやり方を見ていると、正直それはわいのやり方ではないと思うんや。でも、大統領があなた個人の感覚からすれば非常識だと思えることをしたとしても、それは株を売る理由にはならんのや。特に今日のように、「売るべきではなかった」とはっきり分かる日にはなおさらや。信じてほしいんやが、もし本当に「今は撤退すべきだ」とわいが思うなら、わいは屋根の上からだって叫ぶやろう。実際、過去にそうしたこともあるんや。うまくいったこともあれば、まずかったこともあった。まずかった時はなぜまずかったのか?それはわいが心配していた事柄が、あっさりと取り消されたりしたからや。つまりわいの誤りやった。

トランプのやることの多くは、問題になれば元に戻せるとわいは考えるで。結局のところ、彼はそういうふうに動く人だからや。さらに重要なのは、こうした話題の大半が、企業そのものや彼らの利益と結び付かないという点や。企業はこれまで以上に莫大な利益を稼ぎ、あなたに素晴らしいリターンを与えとる。彼らはサプライチェーンの組み替え方も、気まぐれな大統領への対処法も学ぶんや。ありがとう、Jensen Hunagと Tim Cookよ。彼らは、あなたが儲けられるように必要なことをやってくれるんや。彼らはあなたを豊かにしたいんや。

ところが多くの人は、その視点が欠けているし、儲けることを自分自身で妨げてしまう。国が燃えているとでも思って、株を売るのに忙しいんや。たとえネガティブな言説が正しかったとしても、それでも、それは株を売る理由にはならないこともたくさんある。株式市場は、そういう話題を気にかけないということもある。だから資産運用の観点からは、むやみやたらにネガティブに吹聴されることを頭の中に住まわせてはいかんのや。個人的な感情としては気になっても、や。

結論やが、政府が「産業全体を国有化する」と宣言しない限り、わいらはMarshall Gerardの忠告を受け入れるべきなんや。そして念のために言えば、Dr. Richard Kimball は妻を殺してないんや。でもそのことは、Palantir Technologies の株価が確実に200ドルに向かうこととは、もちろん何の関係もないということなんや。
好調さが続きますように。
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