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【ジム・クレイマー】次に1兆ドルの大台を超える非テック銘柄は!?え?Eli Lillyじゃないの!?【Mad Money】

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こんにちはマカベェです。

ジム・クレイマーの9/16のMad Moneyはどうだったでしょうか。

 

つい最近まで、次に1兆ドルの大台を超える非テック銘柄は Eli Lilly だと、ほとんど皆が思っとったんや。無理もないで。彼らは驚異的な見通しを持つ減量・糖尿病治療の“ワンダードラッグ”を開発したからや。ところがこの株式市場は、毎日のようにわいらを翻弄するで。たとえば今日はダウは-0.27%、SP500は-0.13%、そしてナスダックは-0.07%と下落の日になったんや。これはちょっとした異変やったで。そして、もしかしたら次に1兆ドルへ到達しそうなのは Eli Lilly ではなく、むしろ銀行の JP Morgan の株になるんやないかということになってきたで。

 

現時点で Lilly の時価総額は約7,240億ドル、対して JP Morgan は8,500億ドル超や。JPMは年初来29%高で、これは途方もない動きや。インフレが最近やや加速しているにもかかわらず、多くの人が「今回のFedの会合で0.25ポイントの利下げがある」と見込む、その極めて重要な会合の直前だというのに、銀行株がここまで時価総額を積み上げとるんや。いったい何が起きているのか。まず、1兆ドルの壁を越えるのは本当に難しいということを理解する必要があるで。今そのクラブのメンバーは9社しかないんや。

 

Nvidia が驚異の4.2兆ドル、僅差で Microsoft が3.8兆ドル、Apple が3.5兆ドル、Alphabet はちょうど3兆ドルを超えたところ、Amazon は2.5兆ドル、Meta は2兆ドル、Broadcom は1.7兆ドル、そして Tesla が1.4兆ドル。最後に、糸一本でぶら下がるように Berkshire Hathaway が1.06兆ドルで踏みとどまっとる。Berkshire を除けば、いずれも多かれ少なかれテック企業や。わいも、次は Lillyの番やと思っとったんや。GLP-1関連の規模はそれほど巨大だからや。

 

今日 Lilly は、バージニア州リッチモンドに50億ドルを投じて製造工場を建設する計画を発表したんや。これは、がんや自己免疫疾患を標的とする医薬品向けのアメリカ国内4工場のうち第1弾となる施設や。さらに、まだ承認は得ていないものの、現行の注射剤版を上回る規模になり得る経口版GLP-1薬のためにも、別の工場が必要になるんや。すでに承認済みの慢性体重管理、糖尿病、閉塞性睡眠時無呼吸に加え、心不全、高血圧、慢性腎臓病といった適応が承認される可能性まで考慮すれば、なおさらや。

 

だから、こういうことを考えると、なぜ“次に1兆ドルのゴールラインを最初に越える”という賭けのオッズが Eli Lilly を本命視していたのかは分かるやろう。ところが Lilly の株価は足踏みしとる。理由の一つは、業績自体は振るわないものの非常に優れた化合物を持つ、手強い、あるいは必死とも言える競合 Novo Nordisk の存在や。加えて、Fedが利下げに向かうなら製薬株は買うべきではない、というのが通説なんや。景気サイクルのこの段階では利下げが経済を加速させるはずで、いわゆる「安全株」である製薬株は敬遠されがち、つまりこの局面では“毒”になり得るんや。しかも大統領はこの業界に敵対的な姿勢を示しているようにも見える。もっとも、アメリカ国内で工場を建設していることは Lilly の助けになる可能性があるけどな。

 

一方で、じっと機をうかがっていた競走馬が最終コーナーを回ったかのように、JP Morgan の株は目を見張る上昇を見せとる。何が原動力なのか分かりにくいものの、息をのむ展開や。まず、激しく上げているのはこの銀行だけではないということを理解しようやないか。たとえば長らく低迷していた Citi Group はついに100ドルの大台を超え、Citi Group 株は43%の上昇や。それ自体が目覚ましい動きやし、Wells Fargo と Bank of America もそれぞれ15%以上上昇しとる。いわゆる投資銀行の Goldman Sachs と Morgan Stanley も猛烈に走っとって、Goldman は37%高、Morgan Stanley は24%高や。

 

でも、もし本当のロケット燃料は何かと問われれば、それはわいらが“株価収益倍率”、PERと呼ぶもの、つまり企業利益に対して支払う価格に対する引き上げ、すなわちマルチプル拡大や。いま人々は単純に銀行株により高い値付けを許容しとるということなにゃ。マルチプルは株式売買の核心や。利益予想が変わらなくてもPERのマルチプルが上がることがあって、これを“マルチプル拡大”と呼ぶんや。これだけでも株価は上がり得るし、逆にマルチプルが同じでも利益予想が上がれば、やはり株価は上昇するんや。銀行株の場合はその両方が同時に起きとるんや。そうや、利益も伸びて、PERの倍率も拡大しとるんや。

 

通常なら金融株の足を引っ張りかねないFOMCまで24時間を切った局面でこれは驚くべきことや。現時点では、市場は銀行株にとってFOMCは重要ではないと言わんばかりやが、これは馬鹿げとる。実体としての銀行にとってFedは非常に重要なんや。先ほど述べたマルチプル拡大が、こうした動きの一因であるのは確かや。JP Morgan の株は一貫しておよそPERは14倍程度で取引されてきたんや。S&P 500 の目安である22倍を大きく下回ってきたんやが、それが利益予想と歩調を合わせて持ち上がってきたんや。いま JP MorganのPERは今期予想ベースで14倍から15.7倍へ上昇しとる。

 

Goldman Sachs と Morgan Stanley も巨大な上昇を見せとって、それぞれ利益の17.5倍、16.9倍で取引されとる。これはいわゆる「一斉見直し(ホールセール・リビジョン)」で、勢いは増すばかりや。Wells Fargo の超強気の銀行アナリスト、Mike Mayo は本日付で「Goliath is Winning(巨人が勝っている)」という見事なレポートを出して、これら銀行の目標株価を軒並み引き上げたんや。資本市場が非常に好調で、トランプによる規制緩和や、足元で目立って良好な信用健全性といった強い追い風があることを明確に示しとるや。彼のお気に入りは Citigroup で、CEO のFraser がこの銀行を無名同然の状態から救い出した、と買いとるんや。

 

わい自身は Wells Fargo も好みで、CEO の Charlie Scharf が規制面の苦境からこの銀行をよみがえらせたんや。一方で JP Morgan には特別なものがあるで。与信、資本市場、トレーディング、そして何より“統治手腕”において、CEO の Jamie Dimon はどの業界でも稀なレベルで手腕を発揮しとるんや。JP Morgan は常に一流の銀行やったが、今や働く場としても素晴らしく、そのグローバルな到達範囲は比類がないんや。時価総額が他の大手銀行よりはるかに大きいのには理由があるんや。

 

じゃあこれが続くのか?率直に言えば、「来期予想に対していくらで取引されているか」という意味のフォワードPERを見ると、答えは力強いイエスや。というのも、この銘柄はまだ、2026年予想利益のわずか15倍で取引されているからや。Goldman Sachs と Morgan Stanley はおおむね同水準で取引されとるが、Wells Fargo、Bank of America、Citigroup は来期予想ベースでPERが10~12倍程度とばかげて低いんや。これは持続不可能で、いずれ上がるはずや。結局のところ、来期予想に照らした割高・割安を裁くのはPERであって、今あなたが見ているのは“激安”そのものや。

 

というわけで、わいの元々の予想はおそらく外れるやろう。次に1兆ドルの壁を越える非テック銘柄は Eli Lilly ではないかもしれん。それにしても、なんという“外れ方”やろうか。大手製薬主導の相場より、銀行主導の相場の方がわいにはずっと好ましいで。結論やが、わいは長年、銀行株により高いPERが付くのを待っとったんや。銀行が勝っているとき、より広範な市場にとってもそれは素晴らしいサインになるんや。明日、もしFedの影響で主要指数が打撃を受けても覚えておいてほしいで。一度マルチプル拡大が始まると、そう簡単には逆回転しないんや。これは苦闘の末に得た上昇で、わいはまだ序章にすぎないと見とるで。

 

 

Eli Lillyも遅かれ早かれ行くでしょうね。

 

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