こんにちはマカベェです。 ジム・クレイマーの10/16のMad Moneyはどうだったでしょうか。

今日は本当にひどい一日になったで。でも少なくとも、Fedに「できるだけ早く利下げしたい」と思わせる材料がついに現れたんや。それは銀行の焦げ付き融資や。信用損失ほどFedの対応を早めるものはないで。なぜなら、それは景気が悪化しつつあることを示す明確なサインだからや。いまが金融緩和に転じるべき時期だという初期警戒もありながら、最近銀行システムは疑わしい与信を十分に積み上げて、Fedがすみやかに利下げに踏み切れる状況になったんや。

もちろん、銀行でこれほど深刻な信用損失が出れば、株式市場の反応は悪いで。Fedが、おそらく積極的に緩和に動くまで、銀行は資金の借り手に厳しくなり、レイオフの嵐が見えてくるかもしれん。そういう状況のせいで今日は、ダウは-0.65%、SP500は-0.63%、そしてナスダックは-0.47%と下落の日になったんや。こういう状況でもなお、Fedは景気刺激のために利下げするか、インフレの再燃を防ぐために金利を据え置くかという綱引きの最中におるんや。でも地方銀行が不良債権で痛んでいる以上、利下げを選ぶハードルは大幅に下がったで。

低金利には多くの効用があるんや。住宅の購入負担を軽くできるのもその一つや。正直に言って、住宅業界はいま長年で最悪の不況にあるんやが、その業界を再加熱できるかもしれん。低金利は更に企業の事業拡大を容易にして、配当株を債券市場と比べて魅力的にすることもできるんや。アメリカ国債利回りがどんどん低下したら株の配当がより魅力的になるやろ。そしてまさに今日、債券金利が低下したんや。そしてそのこともあって、たとえば消費財株の多くは本格的な底入れの様相を見せ始めとるで。

例えばCampbell’s とか、もしかすると General Millsとかや。これらは PepsiCo に追随しとる。PepsiCo は、配当の増額ではなくて株価下落によって利回りが4%に上がったあと、業績が予想を上回ったことで株価が10ポイント超も急騰したんや。ここで更にいくつか予想を挙げようやないか。Kimberly Clark は底打ちの可能性があるで。Proctor and Gamble はすでにそのプロセスに入り始めとるかもしれん。でも、もっと即効的な点として、低金利は借り手のデフォルト回避を容易にするんや。だからこそ、地方銀行を苦しめてきた不良債権問題にとって低金利は歓迎されるんや。

今週の JP Morgan の決算の際のカンファレンスコールで Jamie Dimon が言及した「ゴキブリ理論」をもう一度言っていこうやないか。サブプライムのオートローン貸し手 Tricolor Holdings が破綻して、自動車部品メーカーの First Brands も破綻申請をした件に関連しての話や。Jamie の言葉を借りれば、「ゴキブリを1匹見たら、たいてい他にもいる」ということや。案の定、数匹のゴキブリがすぐに姿を現したで。Zions Bank の2件の大型不良債権と Western Alliance Bancorp の不良債権は、当面の重荷となりそうや。

これらの不良債権には不正が絡んでいる可能性が大いにあるということなんやが、そんなことわいには関係ない。焦げ付きは焦げ付き、どこまでいっても焦げ付きや。そして実はそれは株式市場にとっては良いことかもしれん。なぜなら、こうした不良債権は銀行以外のどの企業の利益も傷つけないからや。痛みは限定的にとどまる、とわいは考えるで。いまの銀行は、少なくとも融資に関しては、以前よりずっと慎重だとも思っとる。でもわいは先週、Fedで、中小銀行が成功するために何をすべきかというテーマのパネルを司会したんやが、そこでインタビューした3人の経営者は皆、利下げを懇願しとったんや。

地域銀行指数が今日6%超下落したことは、金利を引き下げるべきだという非常に説得力のある論拠になるで。わいは銀行家たちの言葉を信じるで。わいにとっては、今回の与信不安がむしろ主張を明確にしてくれたという風に映るんや。では、銀行の与信問題が起きたとき、大手機関投資家は何に群がるんや?彼らは往々にして、金融業界の「良い、悪い、ひどい」を区別しないんや。直近の銀行危機を思い出してほしいで。小規模なものやが、2023年春、多くの銀行が低金利債を大量に保有していたことでバランスシートにストレスがかかって、金利が急騰した局面に資金流出が起き、4行が破綻したことがあったよな。無保険の預金者が素早く資金を引き上げたことも事態に拍車をかけたんや。

当時はちょうど、いわゆるMagnificent Sevenへの資金流入が始まった時期でもあったで。信用収縮の見通しにトラウマを負った投資家は、借金に頼る必要のないほど資金力の厚い企業に殺到したんや。まるで国家のように主権的で自立した大手テック企業へ、事業拡大のために資金調達をする必要がない企業へと多くの人が避難したんや。それが今回も起き得るか?そこの判断は難しいで。ここ4日間テック企業の経営陣にインタビューしてきた立場から言えるのは、わいらはテックの将来像そのものよりも、「テックはバブルかどうか」という話題に多くの時間を費やしているということや。

多くの人が、Magnificent Sevenの各社がAIに投じた資金があまりに巨額なために、ついに資金繰りが苦しくなると仮定しとるんや。でも、わいのように「わいらは第4次産業革命に乗り出していて、その支出は必然や」と考える人に出会うことはあまりなかったんや。この論争は、ストレスのかかった分野から成長分野へのローテーションを妨げかねないで。ひとたびAIがまわりだせば、企業は従業員からより多くの成果を引き出せるようになり、より速く、より効率的に成長できるようになるやろう。

でももちろん、別の考え方をする人たちも大勢いる。つまり、少ない人員で成長できるなら、大幅に人員削減して、横ばいの売上からより多くの利益を捻出すればいいじゃないか、という主張や。効率が上がりAIを使えば、同じ売上でも1株当たり利益は高くなり得る。そういうことがいりまじって、すべてが流動的で、どれだけの「ゴキブリ」すなわち問題案件が潜んでいるのか、わいらには分かりにくいようになっとる。AIのもたらす見返りは、強気派が言うほど明確ではないのかもしれん。というのも、重要な意思決定に使うにはまだまだ信頼性に欠けるかもしれんからや。

あなたもわいも、ChatGPTがしょっちゅう間違うことを知っとるよな。でも、もし不良債権が本当に「ダメな銀行家」や不正に起因しているのだとすれば、Fedの利下げは善良な銀行を単純に助けることになって、実体経済を押し上げるやろう。「実体経済って何だ?」と思うかもしれん。わいが前に言ったことを覚えてくれとるか?いまの経済は三分割されとるんや。ひとつはデータセンター関連の経済。ふたつめは投機家が群がっているSpeculativeな経済。そして三つ目は実際の経済や。

結論やが、わいが想定する利下げシナリオでは、その「実体経済」銘柄が勝者になると思うんや。これらの銘柄は長いあいだ不遇をかこってきたんや。地域銀行の不良債権こそが彼らを解き放つ引き金になって、与信の「騎兵隊」、すなわちFedの利下げは、まさに間に合うやろう。一方で、投機的な銘柄については、今日多くの銘柄が叩き売られたわけやが、もしあなたがそういう銘柄をまだ持っとるんやったら、少なくとも一部は今からでもしっかり利確してほしいで。そのグループではもう十分に利益を出したやろ?せっかくの儲けを吐き出したくはないはずやで。

利下げを期待したいですね。
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