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【ジム・クレイマー】今の「3つの地雷」を何とかしないと、「魔法の投資の年」が終わってしまう!?【Mad Money】

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  こんにちはマカベェです。 ジム・クレイマーの11/11のMad Moneyはどうだったでしょうか。  

魔法のような投資の年やが、そろそろ気をつけんとあかんな。この1年、AIやデータセンター関連の株を買った人なら、ほとんど誰でもお金を稼げたんや。あまり深く考える必要すらなかったんや。今日はダウは+1.18%、SP500は+0.21%、そしてナスダックは-0.25%だったわけやが、ダウは高値を更新しているのに、ナスダックは下げたよな。どうやら “イージーマネー” の時代は、もうすでに終わってしまったのかもしれん。魔法が解け始めているのかもしれんのや。
 
だからといって、これは1999年から2000年にかけての状況と同じではないで。あのときは約350社あったドットコム企業の中で、意外な勝者は Amazon ただ1社で、Google はまだ上場すらしてなかったんや。今起きているのは、ただ足元で物事が行き過ぎてしまっているということで、そのせいで、AIやデータセンター以外の領域にある素晴らしい投資アイデアを取り逃しているかもしれん、という現実をわいらが受け入れなければならない、ということなんや。そんなこと、これまであったやろうか。
 
考えてみてほしいのは、今日だって、ダウがこれだけ急騰しているのに、AI関連銘柄や、かつて沸騰していた投機的な銘柄ばかりを持っている人たちは、あまりお金を稼げていないんや。これは新しいパターンや。そして、注意を払う価値のある新しいパターンなんや。何が起きているのか?過去3年間で最も偉大だった物語、すなわちAIとデータセンターの物語を、わいらに改めて考え直させているものは何なのか?それは3つの別々の出来事、3つの別々の事件や。それらが、データセンター分野の「勝者」は今後もっと狭まっていくやろうという強い懸念を抱かせとるんや。
 
ただし、2000年のように勝者が1社だけというわけではなく、勝ち組は半ダース程度、あるいはもう少し多いかもしれん。それでもなお、わいらがあれほど入りたがっていた、以前のAI関連銘柄の多くが、大きく出遅れる銘柄になるということや。いわば、戦場で真っ先に撃たれてしまう兵士のような存在になる、ということや。わいらはこれまで、先見性あるCEOと、非常に強力なバランスシートを備えた素晴らしい企業をいくつも見てきたよな。彼らはAIの驚異的なポテンシャルを理解しとった。Amazon も、Google も、Microsoft も、その可能性を見ていたんや。
 
Elon Musk が早い段階からこの分野に入り、ロボットや自動運転車など、さまざまな角度からAIに関わってきたこともわいらは知っとる。Meta は、自社のソーシャルメディア事業がAIによって「ターボチャージ」され得ることを理解しとった。そして Nvidia は、このムーブメント全体に動力を供給する存在やった。でも、この流れを牽引したもう1社の非公開企業があったんや。それが OpenAI や。先駆的なチャットボットの ChatGPT を擁するこの会社は、現在では週間平均ユーザー数が8億人を超えとる。これはとてつもない関心の大きさで、そのまま膨大な潜在顧客基盤でもあるんや。
 
そのおかげで、この会社はおよそ200億ドルの売上高ランレートを手にしているとされとる。200億ドルのランレートや。実に巨大な数字や。共同創業者でCEOの Sam Altman は、超新星のようなAI企業をワープスピードで作り上げるだけでは満足していないんや。彼は、それよりもさらに速く進もうとしとる。その結果、OpenAI は自らのコミットメントを果たすために、数千億ドル規模の資金を借り入れなければならないかもしれん、という地点にまで来とるんや。
 
そうや、これが「地雷その1」や。これまで、このデータセンター拡張は借金ではなくキャッシュで行われてきたんや。キャッシュで賄われている限り、たとえ業界全体が崩壊したとしても、それほど大きく心配する必要はなかったんや。でもそこに莫大な負債、つまりデット・ファイナンスが絡み始めると、話はまったく別物になってしまうんや。すべてがよりリスキーになって、すべてがより脆弱になっていくんや。それは、もはや石に刻まれたような、動かしがたい現実や。
 
9月9日、わいらは OpenAI の野心がどれほど大きいのかを思い知らされたで。Oracle が、残存履行義務(Remaining Performance Obligations, RPO)が4,550億ドルにのぼると発表したときや。クライアントとして Amazon と Google の名前は挙がったが、最大の顧客は名指しされず、その3,000億ドル分のコミットメントをしているのが OpenAI だと噂されたんや。そして Oracle がその3,000億ドルを自社のRPOに入れている以上、その契約が「鉄板」であることは間違いないんや。
 
問題は、OpenAI にはそんな金額の資金がない、という点や。つまり、どこからかそのお金を調達して、Oracle に支払う方法を見つけなければならない、ということや。Oracle との契約は鉄壁やからな。そのために、莫大な資金を借り入れるか、あるいは株式公開して大量の株を売るか、そのどちらかになるやろう。それによって「魔法の投資の年」がさらに続く可能性はたしかにあるが、わいは、後者ではなく前者、つまり借金のほうを選ぶやろうと見とるで。
 
ここで「地雷その2」や。OpenAI と組んで仕事をしている企業はあまりにも多く、もし何かが狂って、必要な巨額の借入れのあたりでつまずいたりすれば、巨大な大失敗になる可能性があるんや。ドットコムバブルのときのように。あるいは、19世紀の鉄道革命のときのように。鉄道は世界を変えた。それは間違いない。でも一つ言っておきたいのは、鉄道会社は莫大な借金を抱え、その多くが破綻したという事実や。わいは、AI に同じことが起こると言っているわけではないで。ただ、彼らには少しスピードを落としてほしい、と強く思うんや。
 
つい最近発表された、重要なデータセンター運営企業の決算がその象徴や。Coreweaveや。この企業は、Core Scientific という会社と契約しとったが、Core Scientific が複数のデータセンター建設において、自分たちの担当分を期日までに完了できなかったために、通期見通しを下方修正せざるを得なかったんや。本来なら巨大なビジネスになるはずだった案件が、予定どおりには完了しなかったんや。この「予想外の悪い決算」は市場参加者を驚かせて、「データセンターは一夜にして建てられるものではないし、コストも当初の想定以上に膨らみ得る」という現実への警鐘となったんや。
 
そして最後に「地雷その3」があるで。しかも、これが最大の地雷や。6日前、OpenAI の CFO である Sarah Friar が Wall Street Journal Tech Live カンファレンスで行った会話の中で、データセンター容量を構築しているこうした企業に対して、政府による「バックストップ(支援の最後の砦)」のようなもの、具体的には連邦政府のローン保証の構想に言及したんや。彼女は、それがすでに水面下で進んでいるかのような印象さえ与えたんや。これが皆を怖がらせた理由は、まず第一に、Sarah Friar が ウォール街とシリコンバレーの双方で重みのある経歴を持つ「大物」であるからや。
 
第二に、その発言の場は、これ以上ないほどハイプロファイルで、誰の目にも明らかな「公の場」だったからや。第三に、彼女はその発言をほぼ直後に撤回するチャンスを与えられたにもかかわらず、むしろそれを強調するような態度を取ったからや。その瞬間、OpenAI は「無敵のAI界のゴッドファーザー」ではなく、Humpty Dumpty の仲間入りをしたかのように見えたんや。彼女はその後まもなく、「自分の考えを混同させてしまった」として発言を修正しようとしたんや。でも、Sarah Friar は本物や。重大なことを担っている、極めて真剣な人物や。
 
彼女は思いつきで軽く発言したわけではないやろう。完全なプロフェッショナルであり、本来ならこうしたことの重さを誰より理解しているはずの人なんや。Humpty Dumpty が塀の上に座っているんやないかということや。それを心配せんとあかんのか、ということや。トランプ大統領とその取り巻きが、バラバラになった OpenAI を元どおりにくっつけようとする光景を想像せんとあかんのか、となったんや。今この業界で起きていることは、わいは好きではないで。そして、OpenAI には絶対に「塀の上」に座っていてほしくないんや。
 
わいは一貫して、NvidiaはOwn it, don't trade itやと言うとる。でもつい最近、AIブームにとって意味のある存在になり得るほど巨額の資金を持つはずの SoftBank が、Nvidia 株をすべて売却せざるを得なかったことを知ったんや。しかも大きな利益を出しての売却や。その資金を、OpenAIとか、さらなるAI投資に回すためと言われとる。でも、もし本当にAI向け設備投資が今後も続くと信じるなら、それを支えるチップを作っている Nvidia 以上に良い投資先は存在しないはずや。
 
だからこそ、SoftBank の売却はわいを不安にさせるで。もしかすると彼らはAI設備拡張に対して、あまりにも巨額のコミットメントをしてしまったのかもしれん。あまりにコストのかかる約束をしてしまったために、その負担を賄うため Nvidia で大きく利益確定売りをする必要が出てきたんやないか?それは「悪いお金を追いかけるために、良いお金をつぎ込んでいる」ことにはならないのか?このAIビルドアウトには、あまりにも多くの銘柄、あまりにも多くのセクターが関わっていて、そしてあまりにも多くの投機的な株が紐づいとる。巨大な電力インフラ拡張の一部であれ、データセンター本体もしくはその内部構造の一部であれ、あるいはデータ処理の高速化のための量子コンピューティングや原子力の一部であれ、や。
 
何が状況を「健全」に戻すんや?第一に、OpenAI が好調なIPO市場を活用し、何千億ドルもの資金を調達して、この混濁した状況を一気に澄ませることや。第二に、物事のペースが少し落ちて、目の前に「利益を生む本当のビジネス」が見えてきて、そのうえで、Nvidia や AMD のような「ツルハシとシャベル」を売る企業だけではなく、「マイナー(掘る側)」からも利益が出ているのが確認できるようになることや。AMD は今日、素晴らしいアナリストミーティングを行ったで。
 
第三に、「バカバカしさ」の終わりが見えることや。つまり、実際には一生利益を出せそうにない企業の株価が、「今にも大きな利益を出し始める企業」であるかのような水準まで、延々と上がり続けるような状況の終焉や。わいは「魔法の投資時代の終わり」を宣言しているんやろうか?こう言おうやないか。「今年の残りの期間については、“魔法”による投資ではなく、“利益”による投資の時代だと宣言する」と。そしてそれが現実になるためには、「勝者」はこれまでよりもはるかに少なくなり、「敗者」はこれまでよりもはるかに多くなるやろう。
 
結論や。こういう環境では、他の成長分野にも分散投資を始める必要があるで。そうすることで、王様も、王様の家来たちも、Humpty Dumpty を元に戻すために出動せずに済むかもしれん。もしかすると OpenAI が上場し、Humpty Dumpty は大きく落ちることなく済むかもしれん。でもそれまでは、この問題を注意深く見守っていく必要があるで。わい自身もそうしとる。でもその「目」は、そうやな、だんだん黄疸が差してきている、とだけ言っておこうやないか。
   
注意深さがより必要な時代になりましたよね。
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