こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの11/13のMad Moneyはどうだったでしょうか。

悪者のツケは誰かが払わんとあかん。それが自分でもしょうがないんや。ここ2か月のあいだ、この番組をいつも見てくれている人はご存じやろう。わいはデータセンターやAIに関連した、より投機的な銘柄に対して慎重な姿勢を取るように口酸っぱく言うてきたで。インサイダー売り、公募増資、借入、そして売上のない事業を目にしたときには、一歩引かざるを得ない、と何度も言ってきたんや。一方でわいは「2025年は魔法の投資の年だ」と公言しとった。つまり、データセンターに関わるものであれば、多くの銘柄では、ただ買っておけば儲かる年や、と。

ところが今週、そしてこれは自分でも非常に大きな方針転換やと認めるが、その「魔法の投資の年」のコンセプトにわいは自ら終止符を打ったんや。昨日のMad Moneyでも、わいはそれが終わり、死んだと宣言したやろ。結果としてはそれが「いい読み」になってしまったんや。今日はダウは-1.65%、SP500は-1.66%、そしてナスダックは-2.29%と大きな下落の日になってしまったんや。これらの数字のどこにも魔法はないんや。今日はひどい相場やったが、とりわけテック、特にデータセンター関連とAI関連株にとっては惨憺たる展開やった。資金はサイドラインの様子見に退くか、テック以外の高成長銘柄の方へ向かっとるんや。

わいはAIに関わる「本当に収益を上げている企業」を見捨てたくはないし、わいの運用しているファンドもそんなことはしてないで。でもわいはバブル的な熱狂を見ればそれと分かるし、わいが警告してきた通り、今回の熱狂はほぐれ始めているように感じるんや。わいは何を怖れているのか?答えは単純や。ある「年」や。わいは2000年という年を実際に経験したんや。1999年にわいは、数千万ドルの赤字を出している会社を上場させたんや。その株は63ドルで公開され、61ドルまで下がったあと、その日のうちにまた63ドルまで戻ったんや。しかし程なくして、株価は2ドル台まで落ち込んでしまったんや。

当時わいは自分のヘッジファンドを運用してから、他の人たちの動きを見て、ほぼすべてのポートフォリオを手仕舞いして、空売りに転じたんや。なぜなら、他の連中の動きから明らかだったからや。何百ものドットコム企業が次々と上場し、どこもかしこも追加で資金を集めようとしている一方で、内部者たちは自分たちの株を売りさばいていたんや。それは誰の目にも明らかだったんや。わいは「もし同じことが再び起こるのを見たら、必ず皆さんに警告すると誓う」と心に決めとった。だから今回も、公募増資やインサイダー売りが株価の天井で見られるようになった時に、まさにその警告を発したんや。

2000年4月には、ドットコム株の保有者たちの足元から、じゅうたんが引き抜かれたことが明らかになったで。その結果、機関投資家の資金は食品株やドラッグ・医薬品関連株へと逃げ込んだんや。どこか似ている話に聞こえんか?ヘルスケア株は直近9営業日連続で上昇しとる。もちろん、当時との比較が完全に同じというわけでは決してないで。例えば昨夜、ネットワーキング企業である Cisco が素晴らしい決算を発表したんや。ここには大きなアイロニーがあるで。Cisco は、2000年の天井圏では市場で最も時価総額の大きい企業だったんや。

昨夜のカンファレンスコールで、CEOのChuck Robbins は、今回の局面が90年代と類似していると見なせるかどうか、という質問を直接受けたんや。彼はこう答えとる。引用するで。「これはよくいただく質問です。特に、私たちはあの時代を実際に経験していますからね。いくつか違いがあると思います。このトランジションが進んでいるスピードは、当時よりもさらに速いと感じています。」一方で、Chuck は次の点も指摘したんや。更に引用するで。「この分野に投資している企業は、どれも巨大で、バランスシートは強固で、キャッシュフローも潤沢で、そして利益もきちんと出しています。支出の多くは、非常に強い企業から生じているのです。でもこれを存在そのものを揺るがす問題だと見ている人たちもいます。」

彼は、.comバブルの時代とは違って、ビジネスモデルのない賭けをしている企業の数はそれほど多くない、と述べたんや。もちろん勝者と敗者は必ず出てくるにせよ、という前提付きでな。わいは、それはほとんど正しいと思うで。でも、ちょっと「うーん」とも感じたんや。そこで、Chuck に疑問を投げかけたんや。「もしかすると、物事はそこまで完璧ではないんじゃないか?」と。というのも、わいが今懸念しているケースが2つあるからや。ひとつは、量子コンピューティングや代替電力といった周辺領域の企業の一部で、彼らは長年にわたって赤字を垂れ流してきた歴史があるんや。実際、今も赤字を出しとる。

そしてもうひとつ、ものすごく大きな企業があって、見るからにひどいバランスシートを抱え、狂ったようにお金を使いながら巨額の損失を出しとるんや。そうや、わいがここで話しているのは OpenAI、ChatGPT を生み出した会社のことや。この会社は、とてつもない額を使い、同時にとてつもない問題を生み出しとる。成長スピードが信じられないほど速いことには疑いの余地はないで。ユーザーは8億人、エグジット時の売上ランレートは200億ドル。でも、それでもなお、彼らに必要な水準にはまったく届いていないんや。

わいはこの業界で OpenAI を「三文芝居の会社」だなんて思っている人を一人も知らん。ほぼ全員が「群を抜いて最高」だと認めとる。でも、最高であるがゆえに OpenAI は何千億ドル規模もの約束をすることができてしまい、その結果、CFO が先日「場合によっては連邦政府によるバックストップ(下支え)が必要になるかもしれない」と発言するまでになったんや。実際、彼女はこの表現を二度使ったんや。その後、彼女は発言を撤回したし、おそらく本当にあの発言を後悔しているやろう。わいにはわかるで。

でも、問題はそこではないんや。その発言が何を引き起こしたか、や。あれによって、「OpenAI に対して支払い義務やコミットメントを負っている企業は、将来大きな問題を抱え込むことになるかもしれない」と感じさせてしまったんや。そう、OpenAI は実際「大きすぎて潰せない(too big to fail)」存在になってしまった、とわいは思うで。ただ、誰もそれを口にしたがらない。そして業界の全員が、OpenAI からの援助やおこぼれを狙っているようにも見えるんや。わいはそれを確かな不安要因として見とるで。

しかも、より陰湿でたちの悪いレベルの行動があるんや。それがインサイダー売りに関するものや。これはあちこちで見られるし、代替電力関連企業、量子コンピューティング関連銘柄、そしておそらく最悪なのは AI 関連の暗号資産系企業での公募増資、セカンダリー・オファリングや。これは .com 時代を非常に強く思い起こさせる動きで、実に冷や水を浴びせられるような状況や。2000年そのものから抜け出してきたような話をひとつお見せしようやないか。

Bit Deer Technologies Group という会社があるで。自らを「Bitcoin マイニングと AI クラウドにおける世界有数のテクノロジー企業」と称している会社や。この会社は、金利4%の転換社債型シニアノートを400万ドル分発行して、その価格決定を行ったばかりや。また、5.25%転換社債型シニアノートの一部保有者向けに、1060万株超のクラスA普通株式についても発行価格を決めたんや。Bit Deer は、調達資金のかなりの部分を、以前の取引で発生した約3億ドルの転換社債の返済に充てる予定や。そして、実際にどれくらいの資金が手元に残るのかは、それほど明確ではないんや。残りについては、データセンターの拡張に使う計画だとしとる。

Bit Deer を特別に悪く言いたいわけではないで。おそらくまともな会社なんやろう。それでも、この会社はこれまでに本当に山ほどお金を失ってきたんや。そして今回の資金調達だけで株価は20%も叩き落とされたんや。これはまさに2000年と同じパターンや。この株は10月15日には27.80やったが、今は11や。これもまた、2000年の時と同じような動きや。今回の Bit Deer の資金調達で起こったことは、2000年当時に繰り返し起きていたことと全く同じや。巨額の赤字を出している企業が、手に入るならどんな条件でもいいからと、株式や社債、転換社債を売り続けて資金を集めていたんや。

もちろん、こうした種類の公募・社債発行がうまくいくケースもあるかもしれん。Bit Deer が次の Core Scientific になるかもしれんし、あるいは IPO 後にうまくいった Coreweave のような存在になるのかもしれん。でも、Cisco の次の存在になるとは、わいはまず思わんで。これらをすべて合わせて考えると、今わいらが「淘汰フェーズ(shakeout mode)」に入っているのは明らかやと思うで。今日のような相場があるたびに、投資家は赤字企業への資金提供を臆するようになるんや。そして多くの赤字企業は、その結果、支払いに行き詰まり始めるんや。

2000年には、こうしたタイプの企業が、最終的に市場全体という大きな建造物を崩壊させる結果になったで。今回はそこまで同じ展開になるとは、わいは思ってないんや。なぜか?わいらがいつも話題にしている大手ハイパースケーラーたちは、「使い道がないくらいの資金」を持っているからや。彼らが今後も狂ったようなペースで支出し続けるのでなければ、やけどな。もしそうなったら先のことは誰にも分からなくなるで。でも、OpenAI が上場して数百億ドル規模の資金を調達するまでは、そして量子コンピューティングや原子力関連、Bitcoin 関連の企業から、実質的な成果が見え始めるまでは、「year of magical investing(魔法の投資の年)」が再開することはない、と言わざるを得ないんや。そしてそれは当分ないやろう。

今日のような日は、世紀の変わり目の春、2000年前後を本当に強く思い出させるで。当時は、テック関連のあらゆる銘柄から資金が一斉に逃げ出し、その資金が Merck や Bristol Myers にどっと流れ込んでいったんや。まさに今日見たのと同じ光景やった。わいがお昼の CNBC Investing Club のミーティングで話したように、わいらはポートフォリオを分散させて運用しとる。ひとつの「Bit Deer 的な」バスケットにすべての卵を入れないためや。その方が痛みは小さくて済むで。もしそういった株が上がり続ければ、わいらが稼げる額は少なくなるかもしれんが、その代わりに下がったときには、はるかに早く立ち直ることができるんや。

わいらが ファンドで保有しているデータセンター関連株は、どれも資本基盤が非常にしっかりしとるんや。Magnificent Seven は、支出を続けるだけの体力を十分に持っとる。でも OpenAI には、少なくとも帳簿上は、そういった現金はないんや。だからこそ、彼らは資金を調達するべきなんや。特に今は、CFO の過度に正直すぎる、あるいは不運な、あるいは不適切とも言えるコメントのせいで、「政府によるバックストップが必要になるのではないか」という懸念が、あまねく広がってしまっているんやから。

もし OpenAI が資金を手に入れれば、どうなるやろうか?そのときは、関連銘柄が再び大きく息を吹き返すことになるやろう。でももしそういうことがなければ、2000年との比較が、これからも Mad Money で延々と語られ続けることになるやろう。結論やが、今の時点で「魔法の投資の年」の棺には、すでに一本どころか複数の釘が打ち込まれている状態や。これと同じような日があと数回続けば、そのときは、わいが大好きな Steven King の本さながらの世界になってしまうで。 Bit Deer や、その他あらゆるクリプトやAIたちが惨殺されてしまうんや。そういう本だったら読んで楽しみたい人は楽しめばええ。でも現実でそれをもう一度体験させるのだけは勘弁してほしいで。
ここから更に荒れるのでしょうか。。。
応援よろしくお願いします。
