こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの11/20のMad Moneyはどうだったでしょうか。

11月が始まってから相場が難しくなってきていることは、みんな分かっていたよな。でも、ここまで難しいとは。すごいよな。今日のようなリバーサル(反転)なんか、「もう耐えられない」と感じてしまうようなタイプの動きや。わいは、そういうときは「何もしないでじっとして、持ち続ける」ことを勧めるで。何もしないことは罪ではないんや。わいの本『How to Make Money in Any Market』でも書いとるが、ときにはじっとするのが最善の行動であることもあるんや。今回のように、もしあなたが痛みに耐えられないのなら、まさに今はそういう局面なんや。

しかも、今日は「不意打ち」やったで。というのも、寄り付きでダウは428ポイント高、SP500は1.4%高、ナスダックはほぼ2.2%高で始まったのに、そこから総崩れになって、最終的にダウは-0.84%、SP500は-1.56%、そしてナスダックは-2.15%で引けたんや。これだけのスウィング、そうそうあるものではないで。もしあなたの手元にキャッシュがないのなら、まだ一部をひねり出すことはできるし、そうすべきかもしれん。でも注意してくれよな。わいがいつも言っている通り、処分するなら「勝ち組」ではなく「負け組」の株を売ってキャッシュを作るんや。そのうえで、勝ち組銘柄を下げていく途中で買っていく、これは許容できる戦略や。

今日の相場を「建設的」にあえて捉えると、「会社自体は非常にうまくいっていたとしても、株価は別物であり、動きがかけ離れてしまうことがある」ということを思い出させてくれたで。典型的な例が、世界最大の株である Nvidia や。昨夜、Nvidia はこれまで見た中でも屈指と言える決算を発表したんや。発表前には、「どこかでしくじるんじゃないか」「期待外れの数字を出すんじゃないか」と、ものすごい不安が渦巻いとった。しょぼい数字を出して、株価が大暴落するんじゃないか、と。

ところが実際にはどうなった?Nvidia は驚異的な売上高、利益、粗利率、顧客の数字を出してきたんや。すばらしい内容やった。それなのにどうなった?株価は結局、下がって終わったんや。もっとも、その前に昨夜も今朝もいったん大きく上昇しとったんやけどな。Nvidia の株価は195ドルで寄り付いたんや。きのうよりおよそ8ドル高い水準や。でも、引け値は180ドルやった。これはひどい値動きや。寄り付きで飛びついた人たちはいっぱいいたやろう。かなり多くの人がそうしたことは、大きな出来高からもわかるで。でもそういう人たちは完全に「粉砕」されたんや。

なんでわいが、こうした巨大な日中の値動きパターンをしつこく強調するのか。それは、このように「大きく上がって寄り付いたあと、市場全体が崩れて、その銘柄も一緒に沈んでいく」というパターンになると、プロたちはそれを非常にタチの悪い局面だとみなすということを言いたいからや。もし、あなたの会社が「これ以上ない最高の決算」を出したにもかかわらず、その株がその日の取引をマイナスで終えるとしたら?その先に、さらなる痛みが待っていると考えるのが自然や。なぜなら、「最高のニュースでも上がらないのなら、いったい何が材料になって株価が再び上に戻るというのか?」という話になるからや。

もちろん、今回は必ずしもそうならないかもしれん。でも「パターン認識」は重要や。そして今のところ、そのパターンはひどいものや。わいはこの点をごまかさないで。一方で、Nvidia に対するスタンスを変えたとも言ってないんや。わいは今でも「Nvidia はOwn it, don't trade it」と考えとる。ただ、下落の痛みは理解しとるで。でも痛みというとそもそも、Nvidiaの株価がまだ2ドル台だったころから、多くの痛みがあったんや。では、こうしたパターンを目にしたとき、あなたは何をすべきなんや?NFL のクォーターバックがレシーバーを順番に確認していくのと同じように、「チェックダウン」をせんとあかん。

いろいろ確認しようやないか。まず最初に確認すべきなのは、「Nvidia で何か見落としている点があったのか?」ということや。それが、この決算を一見してみた時よりも悪く見せてしまっている可能性がある。わいはカンファレンスコールのトランスクリプトをまず一度読み、そのあと会社側と話をし、もう一度コールを読み、友人たちと夕食に行ってから、アナリストノートを横に置いて三度目を読んだんや。その上で、「見落としは何もない」と自信を持って言えるで。半導体への需要は極めて強烈で、グロスマージンも素晴らしい。

「ネガティブなことばかり言う連中」が言っていることとは違い、顧客たちは Nvidia のチップをいくらあっても足りないという状況で、しかもそれを使ってしっかり儲けとるんや。繰り返すが、顧客側がこれらのチップで非常に良い利益を上げとるんや。その中には、Meta のようなケースも含まれていて、Jensen Huangが説明していたように、「実際の利益成長がはっきり示せるユースケース」が存在するんや。じゃあ他に何をチェックすればいいのか?

第二に考えるべきなのは、Nvidia 以外の銘柄群に、Nvidia の弱さを説明できる要因があったかどうかや。つまり、Nvidia から少し離れて周辺の「コホート(同じグループの銘柄)」を見て、今回の弱さを説明できるものが相場全体にないかを探る必要があるで。わいがよくやるのは、さまざまな銘柄の「日足チャート」を Nvidia のチャートに重ねて眺めることや。そこで分かったのは、もっとも基本的な半導体銘柄での深くはっきりした下落やった。ここ数週間、そうした銘柄は猛烈な勢いで上昇してきたんや。Micron、SanDisk、Western Digital、いずれもストレージ関連のプレーで、数か月にわたって放物線的な急騰を見せてきたんや。

そういう意味ではもはや主役は Nvidia ではなく、これらの銘柄のほうがモメンタム株になっていたと言えるんやが、今週の初め、Morgan Stanley のアナリストが忌み嫌われる言葉である「スーパーサイクル」という表現を使ったんや。この言葉が出てくると、ほとんどの場合「天井」を意味するで。過去2回の「スーパーサイクル呼び」がまさにそうやった。ひとつは「シェール採掘のスーパーサイクル」、もうひとつは「石炭スーパーサイクル」や。どちらも、結果的には長期的な天井となり、二度とその高値が見られることはなく、その後はクラッシュしたんや。

今回も同じや。これらストレージ関連株は、ここ数日でほぼ「合図どおり」に暴落しとる。いわくつきの「supercycle」呼ばわりと歩調を合わせるように。このストレージ関連のプレーヤーたちは、今やコモディティになっとる。現在は供給不足モードで、「需要を満たすだけのストレージを供給できていない」ために株価は上がってきたが、でもおそらくそのうち、この「不足」が何らかの方法で解消されつつあることを知るやろう。たとえば、半導体製造装置への投資が一気に進んだ結果かもしれん。そして、価格は再び均衡へと戻り始めとる。ここで言う均衡とは、「より低い価格水準」という意味や。

では他には何をチェックすればいいのか?「時価総額が宇宙一大きいNvidiaが、今日のリバーサル相場の原因になっているのではないか」という懸念に立ち戻ると、第三に確認すべきことでわいが気づいたのは、Nvidia の値動きと非常に強く相関しているものがあるということや。それが仮想通貨、特に Bitcoin や。Bitcoin に賭ける極めて投機的な手段は山ほど存在しとって、その中には、借金をしてレバレッジをかけるようなものもあるで。そうした手段は、Bitcoin の値崩れが起きたときには壊滅的な結果をもたらしかねないんや。

そして、そうした Bitcoin 関連ビークルが崩れてくると、Nvidia にまで波及することになるで。なぜなら、両者の株主にはかなりの重なりがあるからや。実際、その典型例が Strategy(旧 MicroStrategy) や。仮想通貨をかき集めたこの会社は、公開資料によれば、世界の Bitcoin の約3%を保有しているとされとる。これはとてつもなく大きなポジションで、しかもその投資は 80億ドル超の負債によってレバレッジをかけているんや。これは常軌を逸したリスク量や。

今朝 JP Morgan は、Strategy が一部のインデックスから外される可能性があると述べたんや。というのも、この会社は実質的にBitcoinに賭けるためのスキームであって、実体のある事業会社ではないからや。そのレポートは「すぐに起こる」とは示しておらず、「早くても1月半ばだろう」としとったが、それでも、インデックスファンドには莫大なお金が流れ込んどって、そのインデックスの中に Strategy が含まれているんや。こうしたインデックス連動の自動的な売りが Strategy にかかるプレッシャーは、壊滅的なものになりかねないで。

一度こういう銘柄がインデックスから追い出されると、そのインデックスに連動する資金は自動的に引き揚げられるんや。これが、「こういう株を保有する余裕なんてあなたにはない」とわいが繰り返し主張してきた理由のひとつや。そして問題は Strategy だけではないで。Bitcoin 関連の会社は山ほどあり、どれもが、一緒に取引されている「コモディティ」である Bitcoin と共に動いとる。その Bitcoin は重要な 90,000 の水準を、まるでバターをマチェットで切るかのように一気に割り込んだんや。

みんなが必死にしがみついているような状態になると、何が起きるか分かるよな。Bitcoin はテック株全体を引きずり下ろすことがあり、その相関が高いのは、プレーヤーたちがレバレッジを効かせまくっているからや。そういう人たちこそ、あなたにとっての「宿敵」や。Bitcoin が崩壊すると、借金をして Bitcoin を買っていた人たちは、キャッシュを作るために保有資産を売らざるを得なくなるで。そこにはしばしば Nvidia のような株も含まれるんや。さらに、2倍・3倍レバレッジの Nvidia 連動商品という「ジャンク」も、Nvidia 株をかき乱しとる。悪いのは会社そのものではなく、こうした商品側や。

第四に確認すべきことは、「Nvidia やテックとはまったく関係ないところに、相場を悪化させている要因があるのか」という点や。答えはかなり単純で、「景気が元気すぎるように見える」ということや。雇用が増えすぎているように見えるんや。雇用統計の信頼性には相変わらず問題があるが、それでも今朝は強い数字が続いて、一部では「これでは今年は利下げなしだ」という声も出とる。多くの銘柄は利下げを必要としとる。なかでも最たるものが、もっとも投機的な銘柄たちや。

たとえば、量子コンピューティング関連株、代替エネルギー株、レアアース関連株、実現可能性が低い原子力関連株、利益もないのに極端にレバレッジのかかったデータセンター関連株、Bitcoin デリバティブ、こうした銘柄は軒並み大きく売られとる。わいは以前からはっきりと言ってきたが、これらの銘柄がwashoutを迎え、地に足のついた水準に戻るまでは、相場全体が安定するのは難しいんや。投機株はまさに「地球に引き戻されつつある」ところで、でももちろん一直線に下がるわけではないし、「ディフェンダー」たちがテレビに出てきて擁護を展開するたびに、まだまだ逃げ場はたくさん残るやろう。

でも、そうした「高い期待を前提にしたグループ」にとっては、ここでほぼ「ゲームセット」やとわいは見とるで。これまで何度も何度も繰り返してきたが、「魔法のような投資の年」は終わったんや。じゃあここからどうすればいい?わいは、どんな買い判断をするにしても、少なくとももう1日待つべきやと思うで。今日のような砲撃のあとでも、相場はまだ「売られすぎ」ではないんや。でも今夜のうちに「自分が何を買いたいのか」をリストアップしておくべきや。わいがわいのファンドでやっているように、明日に備えておくんや。というのも、明日は間違いなく「お買い得」がいくつも現れると見ているからや。

すでに景気後退銘柄、たとえば消費財メーカーなどには、少し買いが入り始めとる。ただ、わいはそういう銘柄は「嫌われているときに買う」のが好きや。そして、Magnificent Seven と呼ばれるビッグテックたちも、少なくとも株価だけを見ると、もはやそれほど「magnificent(壮大)」には見えん。これはチャンスの匂いがするで。結論やが、わいは「明日、何が下げ止まるか」を見たいと思うで。短期間に行き過ぎた下落をしていて、期待値が低く、にもかかわらずチャンスが大きい銘柄、そういう銘柄こそ、下げている局面で買いたいと考えとる。特に、今まさに Bitcoin と一緒くたに投げ売りされている「高品質なテック株」、そういう銘柄を、わいは「下落」を利用して拾っていきたいんや。ただ今は少なくともまだ待つべきなんや。
下落が止まりますように。
応援よろしくお願いします。
