こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの12/4のMad Moneyはどうだったでしょうか。
今夜最初に言っておきたいのは、わいは決してテクノロジー嫌いではない、ということでや。そんなことは全くないで。わいは1982年、Texas Instruments が最先端で、National Semiconductor が小さなシリコンの悪魔たちを一変させていた頃から、ずっとテクノロジーを愛してきたんや。でも、今日はダウは-0.07%、SP500は+0.11%、そしてナスダックは+0.22%だったわけやが、最近はテック株に対するわい自身の前提が揺さぶられとるで。
わいの著書『How to Make Money in Any Market』の中で自分でも推している前提ですら、揺さぶられとるんや。たとえば、「長期で保有するのにいまなお最良の株はテックたちだ」という考え方。今でもそう信じてはおる。本当に。ただし、こうも言わねばならん。長期で考えんとあかん、と。なぜなら今、このごった煮状態のセクターに新しい資金を投じるのは、愚直すぎる行為に思えてしまうからや。
特に、いま一番株価の動きがいいテック株ほどバランスシートや損益計算書の内容が悪く、本当に優良な銘柄が「うっ」と言いたくなるようなクロスファイア(撃ち合い)の真ん中にいる現状では猶更や。繰り返すが、わいはテック株に背を向けようとしているわけではないで。ただ、銘柄を選ぶとき、わいは「取りやすいお金」、イージーマネーが好きで、「激戦地」は避けたいんや。
最近わいはだから、皆さんの注意を「取りやすいお金」があるグループ、たとえば銀行株とか輸送関連株、そしてここまで絶好調のヘルスケア関連へ向けようとしとる。Fedが利下げモードに入っている今、持つべきなのは、緩和マネーの恩恵を受ける銘柄や。競争相手のいない鉄道会社、クレジットカード会社、旅行・レジャー関連、あるいは急成長中の小売、たとえばドルストアのようなところや。ドルストア各社は今、燃えに燃えとるで。ここはあまり「激戦区」の銘柄が多いわけではない、せいぜい数社といったところや。
ところがテックとなると話は別や。第一次世界大戦のソンムの戦い初日みたいな光景は、見ればすぐにわかるで。そしてわいは、この今の狂気の中でやりすぎてしまうような真似はしたくないんや。間違えたくないんや。今、わいらが経験しているのは、まさに残酷な塹壕戦や。そこで、いくつかの「激戦地」を一緒に見ていきたいと思うで。
まずは Amazon Web Services から始めよう。今まさに AWS は、とんでもなく大きなカンファレンスを開催しとる。Reinvent 2025 と呼ばれるイベントで、ラスベガスで行われとる。「What happens in Vegas, stays in Vegas(ベガスで起きたことはベガスにとどまる)」という言葉があるが、今回ばかりは、リアクションが会場の建物の外にすら出ていない、という意味で、まさにその通りやった。株価の反応が全くと言っていいほどなかったんや。
これは、昨年 AWS のトップを Adam Selipsky から引き継いだ Matt Garman にとってのショーやった。わいはテクノロジー専門家ではなく、あくまでゼネラリストやが、その視点から言うと、Matt は番組の中で、Amazon Web Services が現在提供している新しいガジェット、ソフトウェア、オンランプ(導入支援の仕組み)を次々に披露してみせたんや。率直に言って、わいはこれは素晴らしいと感じたで。でも、株価の動きを見る限り、そのように感じたのはわいだけだったようや。
2つ目は Salesforce や。今夜は CEO の Mark Benioff に出演してもらうが、いやあ、わいは今回の決算が本当に気に入ったで。昨夜決算を発表したとき、その内容はわいはぶっちぎりやったと思ったで。Benioffは AgentForce 向けのマルチイヤーのプログラム構想を示して、Salesforce がエージェントAIの領域を事実上一人占めにできるかもしれない、ということを示唆したんや。これは、歴史上最大級のマーケットのひとつになり得るかもしれん。
このことは顧客サービスにおける「聖杯」やで。接客のその場で、あなたのことをすべて把握していて、即座に手助けする用意ができていて、決してミスをしない「説明の行き届いた販売員」がいる。しかも複数の言語に対応しながら、実際には販売員ですらない。人間ですらないんや。Salesforce は今やその「聖杯」を手に入れたんや。
AgentForce のボットがあなたの電話に出て、最初の瞬間からあなたについてすべて把握していて、どんな人間よりも良いサービスを、ミスなく、しかもコストはほんの一部で提供できるんや。ついでに言えば、医療保険も不要、休暇も不要や。これは驚異的や。だからこそ、世界最高の小売企業である Costco と、最大のドラッグストアである CVS がそろってこのテクノロジーを採用していて、しかも大変気に入っていると聞いとるで。
これは Salesforce にとって新たな事業ラインで、すでに年間換算で5億ドルの売上規模に到達しとる。わいは、AgentForce が今後12〜18か月のうちに、この会社そのものを作り替えてしまう可能性があると考えとるで。会社名を AgentForce に変えるべきだとすら思うくらいや。なのに決算後の反応はどうだったか。発表直後、株価は一気に20ドル以上も急騰したんや。そう、20ドル超えや。
でもその後、その上げ幅をすべて吐き出してしまったんや。文字通り1セント残らずや。もちろん午後には持ち直して、最終的には高く引けたんやが、それでも一時は1ドル安い場面があったんや。この動きは狂っとったで。投資家たちがあとから正気を取り戻したとはいえ、今日 Salesforce の株価が一時的にでも下落していたという事実だけで、このテック市場がいかに厳しいかがよく分かるんや。
3つ目の例やが、かつてはシリコンバレーには、暗黙の「引き抜き禁止ルール」が存在していて、その結果として、株式報酬で潤った幹部たちが大勢生まれたんや。そこへ登場したのが Meta の Mark Zuckerberg や。彼は今や猛烈な勢いで人材を引き抜き、業界最高のロースターを築き上げとる。Apple からも非常に優秀な幹部たちを狙っていて、その中には、Apple の「液体ガラス」ポートフォリオを担当していた人物も含まれていることが、最近分かったんや。
これはわいとしても非常に興味深いところや。「一体どういうことだ?」という感じや。こうしたことが自由市場経済において本来あるべき姿だというのは分かっとるが、実際には、これまでビッグプレーヤーたちは本気で給与水準で競い合おうとはしてこなかったんや。ところが今や、サラリーキャップ(上限規制)のないフリーエージェンシー状態や。悪夢やで。
その一方で、Zuckerberg は Metaverse へのベットを削減しとる。わいはあの投資はずっとブラックホールのままかもしれんと思っとった。というのも、Meta ほどの稼ぎがある企業で、本当にレイオフなんて必要なのか?という疑問があったからや。しかし、どうやら「必要」だったようや。最近ずっと考えているのは、Zuckerberg は Elon Musk を「本当に優しい人」に見せてしまうくらいだ、ということや。
さて、上場企業の中で最大の「公開バトル」に話を移そうやないか。ヴェルダンとガリポリの戦いを合わせたような激戦に感じられるものや。わいが言っているのは、Jensen Huang と Nvidia が直面している苦難のことや。まず最初に言っておきたいのは、世の中には Jensen Huang が3人か4人はいるに違いない、ということや。彼はどこにでも現れるで。議会、ホワイトハウス、Joe Rogan の番組、また引き続き Joe Rogan の番組。
彼は常に、最前線に立たされとる。この男は、まるで映画『Paths of Glory』のラストにおける銃殺隊の前に立たされる兵士のような立場にいると感じるで。不当な処刑に向かって、目を見開いたまま進んでいくようなものや。わいは Jensen の運命を、毎日、まさに自分の運命のように感じとる。正直なところ、どうやって彼が正気を保っているのか分からんで。それでも彼は、ユーモアも失わずにやっとる。自分だけが中国でビジネスをすることを許されていない人物で、両サイドから締め出されているというのに、や。
批判者たちを信じるなら、彼のチップは Google 向けの国産チップより劣っている一方で、人民解放軍の手に渡してはならないほど信じられないほど高度だ、という話になる。こんなの全部でたらめや。Nvidia の半導体は優れとる。企業はそれを買うことで何十億ドルもの利益を上げとるんや。これは「死荷重」のような設備投資なんかではまったくないで。
もし彼が本当に法外な値段をつけているのなら、自前のチップも作っている Alphabet が、なぜそれでも Nvidia の大口購入者であり続けているんやろうか?わいには理解できないで。なぜ誰もそこを論じないのか。いつも言っていることやが、Nvidia株は「トレード」するのではなく、「保有」したい銘柄や。Own it, don't trade itや。今日は株価がほぼ4ドル上昇したが、それでも今の Nvidia は実に苦しい銘柄になっとる。Jensen がグローバリストと偏狭なナショナリストの間を行ったり来たりするなかで、あちこちから“味方の銃火”さえ飛んでくる状態や。本来なら、ホームグラウンドの芝生の縁をゆっくり歩きながら、チームメイトとセルフィーを撮って談笑していてもおかしくないはずなのに、や。
最後に、あらゆる時代のなかでも「究極の激戦区」と言えるもの、OpenAI の話で締めくくりたいと思うで。この会社は、ChatGPT によるチャットボット分野で常に先頭を走り続けている、という前提のもとに、1.4兆ドルものインフラ投資コミットメントを勝ち取ってきたんや。ここ3年ほど、つまずくことはないように見えていたし、投資家たちは彼らにひたすらお金を投げ込んでいたんや。
ところが突然、Google が Gemini 3 を統合した形で打ち出してきて、「OpenAI は王冠を手放しつつある」という見方が一般的になってきたで。もちろん、来週にも OpenAI が新バージョンを出して、Gemini 3 を一気に飛び越える可能性だってあるんや。ただし、このゲームに残り続けるには莫大な資金が必要で、その資金を本当に調達できるのかどうか、わいらには分からん。
CEO の Sam Altman は、「逆ミダス王(触れるものすべてを金ではなく鉛に変えてしまう人物)」になってしまうのか、それとも「髪を切られたあとの聖書のサムソン」で満足せざるを得ないのか。どちらにしても、良い結末とは言えないで。実際のところ、ここで話している企業群は銀行ではないから、「大きすぎて潰せない(too big to fail)」的なメタファーは成り立たないんや。それでも、このグループ全体にはどこか存在論的な危うさが漂っていて、まるで「グループ全体が勝者総取り(winner-take-all)」のゲームに巻き込まれているかのようや。
一方で、Union Pacific はどうや?Goldman Sachs や JPMorgan、Johnson & Johnson、さらには Bristol Myersでさえ、この相場の中でも依然として上昇の余地があるで。結論やが、わいは、歴史上最高のセクターであるテクノロジーを、丸ごと「売買禁止」にしろなどと言っているわけではまったくないで。ただ、今そこには、あちこちで砲火が飛び交い地雷の爆発が起きているような激烈な競争があり、その勢いが収まる気配はまるでない、ということを言いたいんや。それは見ていて実に面白いことやが、しかし残念ながら、株というものは「エンタメ1株あたり利益(entertainment per share)」で評価されるわけではないんや。だからこそ、たくさんのテック株を持つこととは別に、金利が下がる局面で大きく勝ちやすい、“退屈な会社”の株にこそ、焦点を当てるべきなんや。
イージーマネーを狙いたいですね。
応援よろしくお願いします。