【ジム・クレイマー】困惑のマーケットが戻ってきた！マーケットの不合理につきあうんやないで！【Mad Money】

何にもないのに製薬銘柄やユーティリティー銘柄があがって、二日連続シクリカル銘柄やテクノロジー銘柄がやられとる。昨今多くの新しい投資家が株式市場に参入してきとって、ほとんどの場合彼らは上がっていく株しか見てないんや。この二日間はここ10か月の間に投資を始めた人には、嫌な予感を引き起こしたやろう。なぜなら彼らは、古くからいる投資家が何を知っているのか、自分たちが知らないことをわかっていることを理解したやろうから。そしてお金というのは素早く失われ得るものだということを。

多くの若者投資家が、エキサイティングやと彼らが思う銘柄を買ってきたんや。いわゆる、ネクスト・テスラを探せというやつや。美辞麗句を並べ立てるSPACとかや。ちなみになんでそんなことができたのかというと、トランプ政権下で、がばがばのアプローチがとられたからや。誰でも簡単にSPAC上場できたんや。マネーマネジャーがセレブリティを担ぎ上げてコンセプトを立ち上げる。会社じゃなくてコンセプトだけなんやが、それが立ち上がってしまって、多くの人のポートフォリオに打撃を今与えとるんや。

多くの人はまた、パンデミックのために作られたような株の熱狂につかまったんや。Zoom (ZM)とかDoordash (DASH)とかDocusign (DOCU)のような銘柄や。今まで最も早くできたおたふくかぜのワクチンでさえ何年もかかったことを考えると、こんなにCOVIDのワクチンはめちゃめちゃ早くできるということを思わんかった人は多くおるんや。

あとはショートスクイーズに捕まった人もおるで。GameStop (GME)やAMC (AMC)やUWM Holdings (UWMC)や。今はClover (CLOV)とかUS Well Services (USWS)が進行中や。GameStopは実際ええアイディアで今もワークしとるんや。やけどUWMCは失敗やし、WalmartとのディールがCLOVをよみがえらせるとはわいは思わんのや。こういう風にお金を儲けること、あるいは儲けようとすることは、それ自体短命に終わってしまうんや。Staying Powerがないんや。だってルールがないんやから。意地悪さと狂気と怒りが渦巻くんや。

やけどわいらには今、新しくお金を失う道が、金利の低下に伴って現れたんや。そして多くの人がそれにとらわれとるんや。わいらはグレート・リオープニングのフェーズにいるんやなかったんか？良好やレジャーや金融や工業や石油といった関連銘柄が上がり続けて、製薬会社や消費者製品株は下がり続けるんやなかったんか？その答えはYesのはずなんやが、物事はいつも正しい、思った方向にいくとは限らんのや。ひとえに株式市場よりもずっと大きい債券市場がどうなっとるかということなんや。今は、債券市場はとてもミステリアスや。そして、リオープニングは停滞してて、景気はスローダウンしとって、インフレは勢いを失っとる、そういうシグナルを発しとるんや。ただ問題はそれらのどれも、起こってないようやということや。債券市場が示しとることは、わいらはロックダウンの状態に戻るか、ワクチンの配布が遅れるか、ゴムからプラスチックからガソリンから穀物から全ての価格を上げとるインフレが、崩壊しとるということや。パウエル議長はインフレは一時的やというとるが、やけど今政府が刷っとるお金の量を考えるとインフレはまさにわいらの社会が直面しとることや。

債券が発しとるシグナルは、パウエル議長は正しくて、経済成長のスパートは終わって、インフレはクラッシュする一歩手前やということやが、その判決として、多くの株が下がっとるんや。食料品、薬、ユーティリティー、エッセンシャルなリテール、これら以外のほとんど全ての株が下がっとるんや。例えば先週アナリストがSellに格下げしたClorox (CLX)は、インフレの影響をかぶったり、COVIDのワイプの売り上げの勢いが落ちるやろうことを理由に格下げされたんやが、今日は上がっとるんや。一方で図晴らしいリオープニング株と言われとったMarriott (MAR)とか、Norwegian (NCLH)やCarnival (CCL)のようなクルーズ株はやられとるんや。先週めちゃめちゃ強かった銀行株もあかん。石油株をあかん。あかんものだらけや。

そういう状況でどうするか？わいは今上がっとる株は、ええ配当を持っとったり安全性が高かったりして好きなんやが、と同時に、今の状況が数日のローテーションだけで、また債券市場が今の動きは間違っていたよというシグナルを出すことを恐れとる。もっと重要なことは、こういう動きに慣れて、翻弄されんようにすることや。わいはブームを予想しとると以前から言っとるが、毎日毎日株価が上がり続けるわけやないで。クールな新製品を発表したApple (AAPL)のような株でもや。新しく参入した投資家たちよ、これまでが一直線やったんや。あなたたちが参入する前の古い市場では、普通はこういう行きつ戻りつがあるもんなんや。株式市場は人を当惑させるものなんや。思った通り、筋書き通りいかんものなんや。

このマーケットに40年いるものとして、今日のような、理解に苦しむ日を向かえると、あまり事態が急旋回することはないで。SPACや、利益じゃなくて売り上げベースで議論されるようなバリュエーションのバカ高いテクノロジー株や、そういうところにお金が急に流れ込むことはないんや。まだまだ多くの株が新高値圏にいる今、わいはあなたのキャッシュポジションの積み上げを更に増やした方がええと思うで。今までの勝者をここで売るのは遅くはないで。マーケットの不条理につきあうことこそ、そんなことなんや。