こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの3/22のMad Moneyはどうだったでしょうか。
今日は上昇の日になったで。ダウは+0.74%、SP500は+1.13%、そしてナスダックは+1.95%やったんや。なんでこんなに株式市場は上がっとるんや?今上がるべきじゃなくて下がるべきなんやないんか?インフレは過熱しとるし、金利はどんどん上がっていく状況にあるし、そしてロシアが核兵器を使う確率がゼロじゃないときとる。プーチンの狂気のせいでな。こんな状況なのになんでマーケットは上がっとるんや?売り手はどこに行ってしまったんや?二週間前までは売り手が買い手を圧倒しとったやろ?その売り手たちはどこにいってしまったんや?
二週間前と比べて状況は何か良くなっとるか?良くなってないどころか悪くなっとるやろ?なのに株式市場は上がっとる。これを理不尽やと思うか?これは理に適っとることなんか?実はその答えはYesなんや。もし希望を持って将来を見ればの話やけどな。わいはずっとここまで、希望は株式市場での戦略にはなり得ないと言うてきたんや。やけど今マーケットを俯瞰で見た時に希望というのは興味深いマインドセットになるんや。ちょっと説明させてくれ。
わいが40年以上前にこのビジネスに入ってきたとき、ダウは1000やったんや。今はどうや?35000やろ。そこまでの間、マーケットは上昇に値しないと思われる時でも上昇することがいっぱいあったんや。やけどそういう動きだけだと流石に35倍まで株価が上がることはないんやけどな。二週間前と比べてインフレは過熱するばかりで、ウクライナの状況も悪くなるばかりやが、なんででも希望が今あるんや?先週FOMCの後、パウエル議長が0.25%の利上げを発表して、それを挟んでここ数年で一番の株式上昇や。昨日パウエルは、よりタカ派的な、0.5%の利上げも辞さないという発言をしたのに、昨日はそれで株式市場は下がったが、今日は上がっとるんや。どこに希望が感じられるや?
先週まではパウエルは利上げをやりすぎで経済停滞を引き起こす、もしくはハト派すぎてインフレを退治できない、こういう真逆の二つの心配をウォール街は抱えとったんや。その心配が実際のFOMC後のパウエルの発言と0.25%の利上げ、そして昨日のややタカ派のパウエル発言でかなり小さくなったんや。パウエルは思慮深さ無しにどんどん利上げはしないんやないか。同時にパウエルは近い将来の景気後退を否定したんや。一方でパウエルは昨日の発言で、インフレファイターとしての顔もきちんと見せたんや。
まだまだインフレは過熱しとる。皆物価高に戦々恐々としとる。それを退治するのは大変や。どうやって皆、パウエルは経済を壊すことなしにインフレが退治できると信じることができるんや?一つは大きな機関投資家は、今の経済はそうは言っても力強くて、利上げに対処できると思っとるということや。リモートワークからノーマルに戻り、リオープニングでめちゃめちゃ消費が増えるという目論見があるしな。ということで希望が蔓延しとるというのはこういうことやろうと思うんやが、わいは実はそれほど、例えば今日のマーケットで買いあがるほど希望を持っとるかというと、そこまで無邪気ではないんや。
わいは単純に今のマーケットの上昇が示唆するほど将来はバラ色ではないと思うで。どうあったって、一昔前の、ちょっと悪いところがあっても高成長だったら目をつぶってどんどん買うというようなメンタリティーには戻るべきではないんや。そういう株にも買いが今入っとって、それはここまでそれらの株が大きくやられてきたからやが、だからといってそういう株がまた活躍するような経済状況になる前にパウエルはもっともっと金融引き締めせなあかんということになるに決まっとるわけや。だからそういうことがおこる前に、そういう株を持っている人はここで売らなあかんし、ここでそういう株を買ったらあかんのや。
さて、わいはこういう質問をたびたび受けるんや。「その会社が素晴らしかったら、どういう状況であれいずれはその株は上がっていくんじゃないか?なんでそんなにFedの動向や金利の動向をいつも気にしないといけないのか?」こう聞きたくなる気持ちはわかるで。わいもその会社の価値はその会社自身がどれぐらい素晴らしいかに依存するべきやという気持ちはある。やけど物事はそう単純じゃないんや。株式という資産クラス自体が他の資産クラスと競合しとるという視点を持たんとあかんのや。そういうことを抜かすと、なぜ個々の会社の素晴らしさだけが株価に織り込まれないのかが見えてこないんや。
ということで今マーケットをコントロールしとるのは、インフレの過熱とそれに対するFedの姿勢や。そこに希望を感じとる大口の機関投資家は株を買うやろう。やけどだからといってほいほいそれに乗れるかというと、それはまた別問題なんやで。
最近は言っていることが本当に一貫していますね。
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