こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの2/27のMad Moneyはどうだったでしょうか。
ゆがみが至るところで、あまりに多く発生しとる。何に注目してもゆがみが伺える、今までになかった状況や。過去、こういう時はなかったから、だからわいらは今の状況を過去に照らし合わせて比較することが難しいんや。だから今何がワークして何がワークしないのか、判断することも難しい。わいは週末のCNBC Investing Clubのはじめてのアニュアルミーティングでも、個々の会社がどれぐらいよくやっとるかを、前年に比較して議論しようとしたんや。ただそれはやろうとトライして、やっぱり無理やな、となったんや。単純に比較することが思考を進めることにフィットしない。なぜなら過去に前例がない状況に今わいらはおかれとるからや。
今日はダウは+0.22%、SP500は+0.31%、そしてナスダックは+0.63%とプラスの日になったな。ただこんなプラスの日があとどれぐらい続き得るのかわいにはさっぱりわからんで。さっきも言うたようにそこまでいろいろな歪みがひどくなっとるからや。ゆがみゆがみと言うとるが、実際わいが具体的には何のことを言うとるのか、例をあげてみようやないか。なんで今のマーケットは一筋縄ではいかないのか。なぜFedはインフレ戦争にすんなりと勝てないのか。なぜマーケットはそのことをここまで警戒しているのか。
わいらはつまるところ、Fedが心配していることを心配しとる。なぜならFedがインフレをやっつけるためにまたマーケットに打撃を与えると警戒しとるからや。ただじゃあFedがどれぐらい、何を心配しとるのかということでさえ、あまりに多くの歪みにさらされて捉えづらくなっとるんや。歪みのもととして、最も代表的なものからあげようやないか。もうこんな状態で一年がたってしまう。そうや、ロシアとウクライナの戦争や。ロシアがウクライナに攻め入って、はじめは制圧されるのも時間の問題やと思われとったが、そうはならんかった。まだまだ戦争は継続中で、この状態が多大な経済の歪みを生み出しとる。
ロシアは経済制裁にさらされとる。そしてそのことが食品価格やエネルギー価格にもろにつながっとる。ロシアとウクライナで世界のカロリーの13%を担っとって、それが難しくなった状況で、さらにエネルギー危機も発生した。そのエネルギー価格の上昇がただでさえ打撃をうけとる食品価格に更に跳ね返ってくるということもおこった。インフレに苦しむわいらにとっては、食品価格の高騰もエネルギー価格の高騰も大問題や。なんという人為的な、でも大きなゆがみなんや、この戦争というものは。
そして一方でバイデン政権は石油価格に関しては逆の歪みを生み出すもととなったんや。戦略的石油備蓄からどんどん石油を解放したんや。$120あった原油価格が$70台にまでおちた。なんという歪みや。石油は世界で最も重要なコモディティーの一つや。そして原油価格は健全な、機能し得る経済にとってキーとなるファクターや。それがこんなにゆがまされたら、これからを予測するのが難しくなるのは当然やろ。原油価格はどっちにいくんや?$150か?それとも$50か?Fedは原油価格は上昇することをおそれとるが、やけど彼らは原油価格をコントロールできるわけではないで。
ロシアがウクライナに攻め入った時、小麦価格がめちゃめちゃ上がったんや。やけど今では小麦価格は戦前よりも下落しとる。ロシアの小麦が今年は豊作だったこともあってな。じゃあわいらのスーパーの商品の価格ももっと下落するんか?どうやろうか。小麦のマーケットも完全に歪んどるんや。ここから小麦価格が上昇したらインフレの観点からやばいことになるのは間違いがないが、歪みのせいでこの先を予想するのが難しいんや。
全ての歪みがネガティブなわけではないで。わいらは車の価格が上昇しとる景気後退というのは今まで経験したことがない。やけどそれがわいらが今経験しとることや。車の価格はめちゃめちゃ上がったんや。半導体不足の問題やサプライチェーン問題もあったし、需要の高騰もあったんやが、今も需要はめちゃめちゃ強くでスティールメーカーは値段をつり上げとる。こういう歪みに対してFedはどうすればええんや?
車業界に関しては状況をより複雑にしとるのが、各社がEVへの参入を急いどることや。今売っとる車で電気自動車版をどんどん売り出そうとしとる。電気自動車版の方が値段がずっと高いから、これはまた車価格の高騰につながるんや。こんなことも以前おこったことがあったか?今はじめておこっとることやろ。完全に以前はなかった歪みや。そしてその上で、COVID時代に前代未聞のお金配りがおこなわれたやろ。景気刺激策で皆のポケットに現金がねじこまれ、タックスクレジットとしても多くのお金が配られた。そして今膨れ上がる学生ローンをどうにかしようという雰囲気になっとる。
わいは学生ローンに関しては助けが必要やと心の底から信じとる。今高等教育の費用は馬鹿げとるぐらい高くなりすぎや。一年に10万ドルなんてどういうことなんや?ただ学生ローンにお金を注入するとなると、それはそれは巨額になって、インフレを助ける方に働いてしまうんや。こういう方策を、バイデンがオバマの副大統領だった2009年のリーマンショックの時にやるんなら素晴らしいんやが、やけど今皆が困っとるのはインフレなわけやから難しいんや。ここも歪みをふせぐために歪みを放置する事象や。
次の歪みとしては、ハウジングや。普通やったらFedが利上げをしたらローン金利が上がるわけやから、ハウジングは下火になって家の値段はさがるはずや。やけど何が発生しとるかと言うと、債券を買う投資家が大量にあらわれてそこまで金利が上がらんという歪みによって、ハウジングの勢いが衰えないんや。なんでそんなに投資家が債券に殺到しとるかというと、彼らはリセッションを予期しとるからや。そうなってくるとローン金利は戻っていってしまう。そうなったらハウジングの需要は大きなカムバックをしてしまう。Fedがこんなに金融引き締めしとるのに、やで。なんという歪みや。
家の値段が上がり続けたら、Fedは金利を上げ続けるしかなくなってしまうやないか。このハウジングマーケットの歪みは、長年の状況から生み出された、アメリカの家不足という状況もあるんや。まだまだ家を買いたいミレニアル世代が列を作っとるからな。このハウジング業界の歪みは車業界の歪みよりずっと大きいで。とにかく債券投資家が債券を買いまくっとる状況にわいはFedは驚いとると思うんや。そういう状況が続けばそこまで長期金利が上がらん状況になってこのゆがみは大きくなるばかりになるということなんや。
更なる歪みは例えばWork from homeの状況や。COVID時代皆家から仕事をして、そのためにパソコンやら家具やらを多く揃えてホームオフィスをセットアップしたんや。リテーラーはそれに必要なものをどんどん売らなあかんということで商品をどんどん仕入れて売ろうとしとったんや。そこでおこったのがmRNAワクチンの成功や。ワクチンを皆うつことによってオフィスに戻れるようになった。そこで大きくだぶついたのがパソコンとか家具とかの在庫や。
それだけやないで。COVID自体にYOLOが叫ばれたんや。You Only Live Onceや。人生は一度きりということで、COVID時代にいけなかった分の反動もあり、人生を楽しむための旅行や外食等の出費を皆がより惜しまないようになったんや。過去にこのようになったことはなかったで。まさに時代の歪みや。今旅行関係の出費はどんどん高くなっとるが、航空券もホテルもめちゃ高くなっとるが、誰も不満を言うてないように見える。YOLOのエトスを皆持っとるからや。このYOLOの歪みはいつまで続くんや?誰にもわからん。だって過去にこんな時はなかったんやから。どうやってYOLO変数を金利の方程式にあてはめたらええんや?
このような歪みはわいはあと何個もあげることができる。これらのゆがみを全部計算にいれて消費者の行動やインフレの先行き、Fedの行動を正確に予測できる人なんかこの世におらん。どのゆがみがいつ正常に戻るのか、誰にもわからん。ここまで言うてきた歪みのどれ一つをとっても、その前から予想できた人もおらんのや。そしてこれらの歪みは時にFedの金利関係なしに歪みが継続するから、それで金利もゆがむことになるんや。多くの会社のバランスシートはまだまだ強くて、Fedはまだまだ金融引き締めを継続しても、倒産が相次ぐなんてことにはならんやろう。
結論やが、今の経済において、こうワークすべきという形でそのままそっくりワークしとるものはないんや。ということは過去の知見を参考にすることは難しいし、これからを予見することも難しいんや。今は歴史に学ぶ事が難しい時や。今のような状況になった時は過去になかった。Fedはインフレ戦争に勝とうと利上げをしとるが、大きな、そして多くの歪みの前には、定石的な動きが見られなかったりするんや。そのことを頭にいれてこれからも株式投資をしていかんとあかんと思うで。
歪みという言葉が何回も出てきた回でした。
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