【ジム・クレイマー】愛されすぎている株と嫌われすぎている株！自己満足に陥るな！【Mad Money】

今のマーケットは好かれる株はどんどん上に行くが、嫌われる株はどんどん下落するよな。そういう区分けがはっきりしているところが大統領選挙以来のダイナミクスになっとる。今日はダウは-0.47%、SP500は-0.60%、そしてナスダックは-0.64%と下落の日になったわけやが、このマーケットが一息ついている時を利用して、セクター別に整理しておきたいと思うんや。どのセクターが過剰に愛されていて、どのセクターが過剰に嫌われているのか、それを見極めておこうやないか。

今の愛され具合と嫌われ具合の差と言えば、まるで『狩人の夜』のあの「愛」と「憎しみ」のナックルタトゥーのようなんや。もしわいが何を言っているのかわからないなら、Amazonプライムで見てほしいで。ではまず、愛されとるセクターから見ていこうやないか。今マーケットが夢中になっとるセクターといえば、高価なエンタープライズソフトウェア株達や。わいはこれらの株が大好きなんやが、具体的にはSalesforce、ServiceNow、Workday、Datadog、Atlassian、こういう銘柄や。これらはトランプが選挙に勝ってからというもの、パラボリックな動きをしとる。たとえ今日それぞれの株が少し下落していても、でもここまで大きく上がってきているし、大企業にソフトウェアを販売しているなら問題ないんや。

ただ、わいのファンドはSalesforceを持っとって、この株のファンとして言うが、今の株価はの急騰具合は持続不可能で、さすがに一息つく必要があるで。わいはこの株が好きなものの、このような一直線の上昇はわいを不安にさせるから、株価が一息ついてくれてほっとしとるんや。わいは一直線の上昇じゃなくて、階段状の、段階的な上昇が好きやで。ServiceNowに関しては、AIを使って企業のワークフローを改善するなど、多くのことを行うとても優れた企業や。ServiceNowは現在、利益の75倍弱で取引されとる。このバリュエーションの高騰から、わいのファンドではこの株を買い候補リストから外さざるを得んかったんや。

コラボレーションソフトウェアを作っとるAtlassian（TEAM）は、この月初に素晴らしい決算を発表してから全体的な上昇を開始したんや。でももう、今では利益の77倍で取引されとる。この高さはわいにめまいを起こさせるで。エンタープライズソフトウェアは、中国へのビジネスの露出があまりない傾向があって、これはトランプの2期目に向けてプラス要素や。わいは最近CNBC Investing Clubで、トランプ2.0によって助けられる、あるいは損なわれる可能性のある企業について検討したんやが、エンタープライズソフトウェアはそういう意味では無傷なんや。だから確かにエンタープライズソフトウェア株にプレミアムが与えられるべきと思うが、でも現時点では既に高すぎ株価になっているものが多いから、そういう株はちょっと下がってから買うべきだと思うで。

2番目の愛されすぎているグループとして、サブスクリプションモデルの会社たちを挙げたいで。私もこれらの株も好きですが、例えばCostco、Netflix、Spotify、Amazonや。彼らは皆、会員費ビジネスで大きな継続的収益源を持っとって、それらの株は大きな勝者や。Netflixは最も多くの熱狂的なファンを持っとる。アナリストが新しい広告モデルがとてもうまくいっていることに基づいて目標株価をどんどん引き上げとるんや。それで株価が上昇した後、翌日には別のアナリストが同じ理由で目標株価を引き上げて、それでも株価がまた上がったりする。常に同じ情報で株価が上がるのはフェアではなくて、だから株価が伸び伸びになったら気をつけんとあかんのや。

Spotifyはどうや？今年ずっと上昇しとったが、火曜日の夜に決算を発表した後、なんと約60ポイントも更なる急騰を見せたんや。『ジャックと豆の木』の豆の木のような伸び具合や。ただ上へ上へと上がっていくようや。そう、まさに投資家に愛されすぎとる株なんや。後はDisneyもそうよな。今日の決算でストリーミング事業で素晴らしい成長を見せた数字を発表して、株価が6ドル以上、つまり6.2％も急騰したんや。今はサブスクをやっている会社で数字が良いものは、どんどん株価が上がっていく状況なんや。

2番目の愛されすぎているグループとして、銀行を挙げたいで。今年の大半で銀行株はブルマーケットやったが、選挙後に本当に火がついたように上がっとる。わいはこの動きが実際に正当化されると思うで。なぜなら、トランプ政権が始まったら、銀行の規制当局はバイデン政権ほど厳しくなく、これまでよりも多くの買収や合併が承認されるやろうからや。今日のニュースで連邦取引委員会がMicrosoftの反競争的な行為に対する調査を開始する準備をしているという情報が流れたが、冗談か？と思ったで。

Lina M. Khan委員長のFTCでの任期は9月に終了したんや。後任が指名されていないからそのままずるずる来とるが、ホワイトハウスが後任を指名した瞬間に彼女は職を失うで。トランプが就任すれば、FTCの環境は大きく変わるやろう。今この際になって、Microsoftの訴訟資料を作るために伐採されるすべての木々を思うとわいは心が痛むで。規制当局のトップや銀行検査官の交代によって、金融株はバイデン政権下よりもトランプ政権下で単純に価値が高くなるんや。

だから、ここまで大きく銀行株は上がってきたように見えるが、彼らの株価はまだまだ安いんやで。Wells Fargoの株価は選挙以来13％上昇したが、まだまだ利益の14倍未満で取引されとるんや。平均的なS&P銘柄は利益の23倍で取引されとるから、いかにWells Fargoが安いかわかるやろ。S&Pが劇的に過大評価されていると考えている人もいるかもしれんが、どちらにせよWells Fargoの株価はまだまだ安いんや。JPMorganも同様に低いPERを誇っとる。規制当局の姿勢が緩和して、より多くのIPOや買収・合併が行われれば、来年は爆発的な成長を遂げる可能性があるし、わいは実際それが起こると思うんや。

愛されすぎている最後のグループとして、CavaやSweetGreenのような、地域から全国へ成長しているブティックレストランがあるで。DutchBrosもShakeShackもBrinkerもTexas Roadhouseも、すでに一時のかなり割安な状態から株価は適正価格に達したにもかかわらず、勢いを保ち続けとる。わいはこれらの株がずっと好きだったんやが、でも今のここでの買いはお勧めできんな。

それでは、対照的に嫌われとるセクターにいってみようやないか。まずは製薬株や。わいが思うに、このセクターはただただひどく嫌われとるで。まるで彼らには安全な価格帯がないようや。トランプ政権下ではワクチン否定論者であるRobert F. Kennedy Jr.が保健福祉長官に任命されるらしいが、これは間違いなく大手製薬会社にとって悪いニュースや。だから彼らの株価が下落しているという面はあると思うが、まあでもワクチンを製造している会社の株を除いては、その嫌悪感というものは株価に大分織り込まれていると思うけどな。まあでもとにかくRobert Kennedy Jr.はワクチン反対派や。

Merckは優れた医薬品のパイプランを持っとって、でも現在、来年の利益のわずか10倍強で取引されとる。Seagenから画期的な癌治療法を取得したPfizerは、現在9倍のPERで、配当利回りはなんと3.65％や。この会社は大きなワクチン事業を持っとって、ワクチンを「史上最も偉大な公衆衛生の進歩の一つ」と呼んどるんや。それでも、何か良いことがあればこれらの株が上昇する可能性があるが、これらの株はまるでバーニー・サンダースが社会医療を掲げて選挙に勝利したかのように取引されとる。あまりにも低迷しとる。

ただ、嫌われ具合でいえば半導体セクターはかなり嫌われとるで。Skyworks、Qualcomm、Qorvoはすべて大打撃を受けました。同様にNXP Semi、ON Semiもひどい状況です。AMDでさえ厳しい状況で、数少ない、IntelとNvidiaとかだけが選挙後も好調や。Intelはすでに大きく下落していたからで、Nvidiaは高性能チップへの異常な需要があるためや。このセクターへの嫌悪感は、新しいAI搭載のPCがまだ普及しておらず、スマホビジネスも依然として低迷しているという認識から来とると思うんや。

半導体製造装置のセクターはそろそろ底をうとうとしとったで。約1か月前、ASMLという半導体製造装置メーカーが決算で将来の見通しが暗いと述べて、ガイダンスを下方修正しで、半導体製造装置のセクターを大混乱に陥れたんや。でも今日はASML株は上昇して、良いニュースだなと思っとったんや。でも今日の引け後、Applied Materialsが弱気なガイダンスを発表して、時間外取引で急落しとる。まだまだこのセクターの嫌われ具合は続きそうや。

結論やが、今のマーケットには過剰に愛されている株がたくさんあって、その多くはその愛に値するものの、今の株価レベルでは推奨できなくなってきているバリュエーションが高くなってしまっている株が多い。対照的に、底なしの穴に落ちているように見えるセクターについてはわいはどんどん興味が出て来とるが、でも彼らの下落はまだ止まってないかもしれん。わいらはトランプ次期大統領からのさらなる明確なメッセージを待っとる状態や。そこまでは、今は冷静さを取り戻すときと思うで。愛されすぎている株に対処する時は、自惚れずに自己満足に陥らないようにしようやないか。自己満足や、今の上昇が当然やと思う姿勢は確実にあなたを傷つけるんやで。