こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの12/16のMad Moneyはどうだったでしょうか。
ときどき株の動きがあまりにも明らかに見えるけど、その明らかさは後になってからでないと気づけない、みたいな時があるよな。今週は皆、水曜日にFedがどう動くかを待ち構えていると思うが、そんな中ダウは-0.25%、SP500は+0.38%、そしてナスダックは+1.24%だったで。ナスダックの上がりは素晴らしくて過去最高値を記録しとる。さて、冒頭で言ったことやが、後から見たら明らかに見えるチャンスというものがあるよな。今回はそれを振り返ってみて、なぜ当時、それほど明白だったはずのチャンスを掴めなかったのかを考えてみたいと思うんや。そうすれば、今後似たような機会を逃さずに済むかもしれんから、価値があることやと思うやろ。
さて、はじめる前にわいも含めて多くの人が陥りがちなミスを指摘しておきたいと思うで。そのミスとは何かというと、ファンダメンタルズが常に絶対的に重要だと本当に信じているということや。経験上、ファンダメンタルズは必ずしも常に株価とぴったり創刊するわけでは無いということは皆知っとるやろ。例えば、"cult stocks"すなわり、カルト的な人気を持つ銘柄、と呼べるものがある。これらは、企業の実情やそのビジネスの状況と株価の動向が全く別のものとして動いている銘柄達や。
ああ、それは"meme stocks"みたいなものかな?と想像するかもしれんが、ミーム株とカルト株はちょっと違うんや。ミーム株はもはや全くファンダメンタルズも何も関係なくのりで動くところがあるが、カルト株はビジネスを重視しながらも非常に忠実な株主層を持っている会社の株のことで、そのことで、何年にもわたってビジネスの実態とは無関係に株が取引され続けることがありうるんや。その最も明白な例をあげておこうやないか、例えばTeslaや。
今回の大統領選挙以降のTesla株のラリーは、まさに今の時代を象徴するものやで。まさにこれこそがマーケットという感じや。後から考えたら、こんなに上がらない方がおかしいと思うか?確かにElon Muskは大統領選挙で全面的に動いていたし、大統領選で勝利した陣営に有利な状況の中、完全自動運転もすぐそこまで来ているかもしれないという状況で、政治のパワーがビジネスを力強く進めるだろうことは予想するのに全然難しくないで。今考えればTesla株を買っておけばよかったし、買うのは簡単だったはず、と思うか?もし株を買っていない人がいたら、何があなたをTesla株から遠ざけたんやろうか?
ちょっと振り返っておこうやないか。まずElon Muskが熱心なTrump支持者であるとわかったとき、メディアはどう報じたやろうか? 前大統領のトランプが一癖も二癖もある人物でしかも秘蔵情報を好むという話があるが、同様に、Elon Muskは明らかに天才的やが、それと同時に独断的で気まぐれだというエピソードには事欠かない。もしかしたらこの二人がなんらかの形で結びつく可能性より、衝突が起こることの方が確実なんじゃないかと報じられたんや。
一方でEV業界はどうやった?世界中で需要が頭打ちのように見え、アメリカではTeslaを含む全てのEV採用が鈍化しているようやった。中国での競合は熾烈を極めた。Elon MuskのTeslaは比較的コストの高い生産者や。アナリスト予想は下方修正が続いとった。さらに、Elon Muskがボーナスを巡って訴訟に巻き込まれて、もし敗訴すればCEO職に留まるか不明という状況もあったよな。彼が自分の巨大なビジネス帝国のどこか別の部分に注意を移してしまうのではないかとも思われた。
結果的には心配されたことは今現実では全くおこっていないわけやで、現実は全く異なる展開になっとる。ウォール街の数字至上主義者には見逃されやすいこととしてはまず、一般投資家が株式市場に戻ってきているということや。そしてかつてないほど大きな存在になっとる。一般投資家たちはウォール街のリサーチになど耳を傾けなかったりする。多くはウォール街のリサーチが何かさえ知らず、または無価値だと思っとる。そしてはっきりいって、一般投資家はアナリストたちがきちんと理解していなかったことをわかとった。それは、Elon Muskが言われていたよりもトランプととても近い関係にあり、彼に反対する勢力を何億ドルもの資金でくじいてきたという事実や。トランプが勝利する限り、Teslaは大きな勝者になるということを一般投資家は肌感覚で知っとった。
一方でビジネスでは、TeslaはGoogleが後ろ盾となっている競合のWaymoよりも多くの自動運転データを持っとって、おそらくトランプはこれに乗り気になって、Teslaをフル自動運転の勝者に君臨させるかもしれん。なぜならWaymoのような都市ごとの断片的アプローチとは違うアプローチができるTeslaをかって、ひょっとしたらアメリカ全土の高速道路網をTeslaに委ねるようなこともあり得ると思うからや。わからんけど、General Motorsが自動運転タクシー事業から撤退したような状況も、そういうことが重なって生み出されたのかもしれん。
とにかくElon Muskの存在が彼の物語に現実味を増していくんや。Teslaは単なる自動車企業以上の存在や。車輪の上に乗ったテック企業や。もちろんTeslaは年初来86%上昇しとって、そのほとんどは選挙後の上昇や。なぜなら、Elon Muskがトランプ次期大統領と親密なだけでなく、トランプの望む方向へ政府を再形成するのを手助けしているということやからな。多くのことをやっとるんや。Teslaの信奉者たちにとっては、Teslaのビジネスにある無限の可能性が想像しやすくなり、それはひいては、もはやPERに制約されることなく、彼らはTeslaにもはやいくらでも払う用意があるということになるんや。だからこんなに株価が上がるんや。株価が少し前の価格より高くても、実際にはそこまで今の株価に敏感じゃないんや。ビジョンに期待しとるわけやから。
次はNetflixや。あなたはNetflix株を持っとるか?持っていないとしたら何を考えとるんや?Netflixの番組について話さない週があるやろうか? 大手の地上波テレビネットワークは、火災や病院、警察といったテーマの高コスト番組を好んで作り続けとる。この手法は1970年代から同じで、その手法を繰り返し、毎年同じ失敗をしとる。でもNetflixはどうや?彼らは「Jake Paul vs Mike Tyson」のような作品を挑戦的に打ち出してくるやろ?わいはその対戦の視聴者数が莫大だったことに驚いたで。
わいが理解しようとして、「一体これは何だったんや?」と思うようなコンテンツでも、うまくいこうがいかなかろうが、そんなの最終的には関係ないんや。大事なのは何百万人もの人がそれを見たという事実や。あと10日もすれば「Squid Game」のシーズン2の独占配信開始や。地上波なんか目じゃないで。わいらはオンラインであらゆる種類の番組を見るんや。世界中の様々な国の番組を見ることもできる。なぜならNetflixによって字幕を楽しむようにわいらは皆仕込まれたからや。これほどまでに巧みな会社はほとんどないんや。字幕の嫌いなアメリカ人に字幕を読むことを受け入れさせるなんて。これはアメリカ人にとって21世紀で最も重要な文化的出来事かもしれん。
それなのに、ずっとNetflixに対してはみんな怖気づいとった。新たな広告付きサブスクリプション階層が登場したとき、多くの人はそれが完璧でないと感じたんや。「これは失敗だ」と決めつけた人もおった。でもふたを開けてみれば全然失敗じゃなかったどころか、プログラムはますます大きくなっていくやろう。もちろん、今となっては簡単に「これらのことは予測可能だった」と言えるが、実際そうではなかったんや。Netflix株はちょっと前にまだ今よりは安値で誰でも手に入れることができたが、この会社を生涯かけて精査している人たちの多くが違う考えを持っていて、「近寄るな」と言うとったんや。彼らこそプロなのだから、わいら一般人はプロのアナリストをどうして疑うことができたやろうか?
それから、PERという難題がある。あの厄介な価格決定モデルや。Netflixは利益の50倍で取引されとって、バリュエーションを重視する人々には難しすぎるものやった。しかし、難しいと感じる人は一般大衆ではない。一般投資家はただただ、「Netflixだ、勝利だ」とたたえて、まさにNetflixをカルト的な人気を持つ株、カルト株に仕立て上げたということや。年初来89%の上昇。後から見るとなんと簡単な動きなんや。
そして最後にPalantirを挙げておきたいで。これはエンタープライズ向けソフトウェアと国防請負を掛け合わせた、実在する本物の企業や。つまり完全に本物の実業を持っとる確固とした企業や。ものすごいビジネスモデルを持ち、国防総省の予算全体を変え得る存在や。しかしある意味、Palantirは独自のルールで動く反体制的な企業や。映画館チェーンのAMCのように、そのCEOはウォール街ではなく「メインストリート」の個人投資家に目を向けとるんや。
エンタープライズソフトウェアに関しては、しばしばPERのモデルは使われない。代わりに理解困難な「ルール・オブ・フォーティ(Rule of 40)」を使う。これは売上高成長率とEBITDAマージンを足し合わせ、その合計が40を超えているかどうかを基準にするものや。ほとんどの赤字企業はこの数字に達しないんやが、驚異的な売上成長があれば到達できる場合がある。Palantirは一見、莫大な損失を出しているように見えるんやが、このルール・オブ・フォーティを余裕でクリアしとるんや。成長は急速に加速しとって、業界全体でも最も成長が速い企業群の一角を形成しとるんや。
皆このPalantir株を持っとったか?持っていない人はなぜこれに気づけなかった?この企業のCEOはあまりにも向こう見ずで、実際のビジネスは不透明すぎる。本質的に彼らがしていることは秘密主義的や。でも世の中には反体制的なトレーダーや投資家がたくさんいる。彼らはそれを見抜いたんや。AMCでCEOが株を売ったときに高値付近で利益を確保して撤退した人たち、GameStopで100ドル、200ドルの儲けを出したような人たち、そうした人たちはPalantirをCEOのAlex Karpの発言通りに買ったんや。彼らにとってそれは他の何よりも価値があったんや。たとえウォール街のアナリストが全く評価していなかったとしても。
そして今、Palantirは大きくブレイクアウトした。年初来340%上昇しとる。今になれば明らかに思えますが、当時はまったくそうではなかったで。これは個人投資家に支えられて上がってきた株で、いよいよ実際の利益拡大局面を迎え、ようやく機関投資家にも愛され始めているところや。しかもまだ、個人投資家は好きで、彼らは朝から買い上がり、寄り付きまでに価格を押し上げ、1日の終わりの午後4時の取引終了時にも同じことをして、株価をあと30セント、50セント、時には1ドル程度引き上げとるんや。
結論やが、これら三つのカルト株を見てきて、ここに教訓があると思う。それは残酷なものや。ときには従来型のバリュエーション手法が完全に役に立たないことがあり、カルト的な人気を持つ株のダイナミクスを受け入れる必要があるということや。そしてわいがこのタイミングでこのことを言っているのは、もしかしたらこの秘訣は、わいらが2025年でも使える局面が多くなると思っとるからや。正統派に反する企業の株を探し求めるのが2025年には必要なのかもしれん。その中には多くの間違いもあるやろうが、2024年を参考にすれば、当たったものが外れたもの以上のリターンをもたらしてくれるはずや。この考え方を今のタイミングで確認しておきたかったんや。
話題が2025年に向けてになってきましたね。
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