こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの1/10のMad Moneyはどうだったでしょうか。
雇用が大幅に伸びると、かえって株価が下がる場合がある、という話を聞くと、そんな馬鹿なことがあるか、と思わんかったか?いったい誰が雇用の伸びが弱いことを望んだり、失業率が高まることを望んだりするんや?なんかおかしいと思わんか?でも何もおかしくないんや。金利の動向を気にする株式投資家は経済の鈍化を願っとる。その証拠に、注目されていた今日の雇用統計の発表で、雇用の数字が強かったらどうなった?株価は大きく下落したやろ?
非農業部門雇用者数は前月比25万6000人増で、エコノミスト予想の16万5000人増より大幅に多かったんや。失業率は前月4.2%で予想も4.2%だったのが、4.1%に低下しとった。この強い数字を受けて今日はダウは-1.63%、SP500は-1.54%、そしてナスダックは-1.63%と大きな下落の日になったで。わいらはわずか半年前まで、ハードランディング、いわゆる急激な景気後退を心配しとった。だからその時は、雇用の伸びが強いのを見たときには素晴らしいと思ったものや。でもいまや多くの人が強い雇用を素晴らしいと思っていない。
大多数の投資家は、雇用の伸びが鈍化して、長期金利が下がって、Fedが利下げをしてくれることを期待しとるんや。そんな多くの人にとって、今日はその期待が裏切られた失望感がはっきりと見て取れたで。だから株が一斉に売られたんや。別にこれは特に珍しい現象ではないで。債券市場は株式市場よりも規模がはるかに大きく、「債券の神々」は強大な影響力を持っとることを常に頭にいれておかんとあかん。債券金利が上がると株価が下がりやすいのは当然で、今日はまさにその通りになったんや。
債券金利が下がるまでは株式市場の状況は改善しないやろう。もちろん中には今の状況でも上がる株もあるかもしれんが、マーケット全体が良くなるわけではないで。だからこそ多くの投資家は経済の後退を期待しとるんや。その方がFedがより早く金融政策を緩める可能性が高まりますし、金利が株式にとって大きな脅威になりにくくなるからな。はたしてここからどうなっていくのか、来週のゲームプランを見ていこうやないか。
まず月曜日には、今猛威を奮っているロサンゼルスの山火事の状況についての良いニュースが出てくることを期待したいで。火事の被害に遭われた方には心からお見舞い申し上げたい。そして山火事のニュースから何かポジティブなことが生まれる、というのはいつもながら気が引ける話なんやが、どんな自然災害の際でも、政府や保険会社などが被災地を立て直そうとする過程で、地域経済が下支えされることがある。近いうちに、そうした動きが始まるという話を耳にするようになるやろう。
悲劇に乗じて利益を得るようなことは好ましくないんやが、それでも被災地で再建が必要になる以上、ホームセンターとかが好調になるのは否定できん。なぜなら、再建には配管やキッチン用品、洗濯機、乾燥機、食洗機、オーブン、テレビなど、現代生活に必要なあらゆるものが必要だからや。実際、こうしたリテールの一部はすでに上がったりしとるが、まださらに上昇する可能性があると思うで。保険金が支払われ、政府が被災地支援のために支出をはじめれば、それらは再建に回るわけやからな。その動向をしっかり見極める価値はあると思うんや。
さて、この週の決算はどんな感じになると思う?企業の好調な業績が、いわゆる弱気な債券市場に打ち勝ち、さらなる上昇をもたらす可能性が出てくるのか?この週はとにかく銀行の決算に注目や。多くの主要銀行の決算がかたまっとるからな。わいは銀行株に関して人々は多くの誤解をしとると思うんや。銀行株を見限っている人が多く見られるが、わいは銀行株を早計に見限るのはやめるべきやと思うで。まあでも、銀行株はおいといて、順番にいこうか。
月曜日はKB homesの決算発表があるで。この会社はカリフォルニアで大きな存在感を持つ住宅建設業者や。多くの家が焼失している状況で、住宅建設業者には好都合と思うかもしれんが、実はここに大きなミスマッチがあるんや。焼失しとる多くの家がとても高額なもので、これはKBHが得意とする領域ではないで。KB homesは、もっと安い類の家をたてとって、金利が上昇したときに販売に悪影響が出やすいタイプの住宅を建てとるんや。トランプ政権による過酷な移民政策が実施される可能性もあり、それは住宅建設業者に2つの点で不利に働くやろう。まず第一に人件費が上昇するし、第二に顧客数が減るやろう。KB homesは、住宅市場が絶好調だった期間に一貫して良い数字を出してきたが、わいこの銘柄が結局ノックアウトされてしまう可能性を懸念しとるで。
さて、忘れてはいけないのは、来週はわいは西海岸に出向くんやが、それはJP Morgan Healthcare Conferenceに参加するためや。ここではほぼすべての製薬企業やヘルスケア企業の発表を聞くことができる。わいは、最も重要な企業のプレゼンをハイライトでお届けしたいと思うで。素晴らしいストーリーの数々に、きっと驚かされることやろう。ただ、製薬株は依然として金利に左右される面があり、パイプラインや業績以上に金利が強い影響力を持つ場合があるから、株としては要注意や。
火曜日にはProducer Price Index(生産者物価指数)が発表されて、水曜日にはConsumer Price Index(消費者物価指数)が発表されるんや。このPPIとCPIは大注目や。もし債券金利が反転する可能性があるのなら、これらの数値が落ち着いた結果となって、Fedが失った信認を取り戻す余地が出てこないとあかんが、どうなるやろうか。今は急いで利下げをしたことが不要だったんやないかと懸念が広がっとって、果たしてこのPPIとCPIが、今日の下げ相場を回復するほど説得力のある数字になるかどうかはわいには全然分からん。
水曜日からは銀行の決算が目白押しや。水曜日にはJP Morgan、Goldman Sachs、Wells Fargo、Citigroupから決算発表がある予定で、どれもかなり良い内容になるとわいは思っとるで。さらに、今年に入ってからすでにM&Aの環境の改善が見られるから、これらの銀行のガイダンスも優れたものが示される可能性がある。わいはこれらの銀行株が好きやで。今は高値から下がっていて、PERもかなり低い。もしかしたら絶好の買いの機会になり得るんや。わいのファンドはいくつかの銀行株を持っとるが、景気が堅調なときにはこれらの企業にとって良好な結果が得られやすいで。債券市場やFedの方針にかかわらず、貸倒れリスクが低ければ業績は好調になるはずや。
木曜日も同様で、Bank of America、US Bancorp、Morgan Stanley、そしてPNC Financialが決算発表をやるで。わいは実際、これら銀行株はどれも良い決算になると思っとるが、その中でも最もええんやないかと思うのはPNCや。楽しみに決算を待ちたいで。木曜日は最大手の医療保険会社のUnited Health Groupも決算を発表するで。残念ながら、この会社は最近、CEOが殺害されるという悲しいニュースで取り上げられたんや。でもこの会社は、ここ最近ずっと堅調な業績を上げとる。彼らはもうポストコロナの二日酔いのような影響からは解放されていて、政府からのリターンも改善しとる。わいはUNHは素晴らしい決算を発表するんやないかと思っとるで。
木曜日の引け後はわいの好きな銘柄の一つであるJB Huntから決算発表があるで。JB Huntは巨大なトラック運送会社で、わいはこの会社を景気のバロメーター的存在だと見とるんや。なぜなら、経済の強い部分と弱い部分を詳細に把握するビジネスをしているからや。ただ、今は好調な輸送株といえばやっぱり航空株やな。今朝のDeltaの決算が好感されたことからも分かるように、Deltaのように好調な業績を示せば、マーケットの下げ圧力をも超えていける場合があるんや。実際、Deltaの株価は今日9%上昇したんやから。
金曜日は、SLBの決算にわいは注目しとるで。ここ数週間、原油価格が上昇しとるわけやが、それだけで大きく流れが変わるわけではない。とはいえ、SLBは国際的な企業やし、掘削活動に対する楽観ムードも確実に高まっとるから、より前向きなガイダンスを示す可能性はあると思うで。
結論やが、マーケットの強気派にとって、あるいは少なくともこのマーケットを理解しようとしている人にとって、いわゆる「良いニュースが出ても下がる」ような相場は厄介よな。わいに言えるのは、株式市場は時に驚くべき反応を示すことがあって、それは不適切な動きに見えることもあるということや。でもその背景には株式市場を支配する債券市場があって、最終的にはすべてが金利の方向によって説明される。今のところ、株式市場全体の動向を左右する最大の要因は債券金利です。金利が下がらないと株式市場は上がってこないやろう。ただし、その債券市場の支配から逃れられるような、爆発力を持った決算を発表する会社や業績が好調なセクターは存在しとって、それにも注目していきたいんや。
厳しい状況になってきましたね。
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