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日本の科学技術行政。恥知らずのネーミング。ムーンショットだと?二番煎じもいい加減にしろ!

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こんにちはマカベェです。

以下のニュースを見て怒りが湧いてきました。

政府 ムーンショット型の研究を支援へ

 

 

あのなあ。。。

俺はアカデミック業界に身をおいているからちょっと言わせてもらう。

まず俺が今アメリカでやれているのは、一重に日本で受けた教育のおかげだ。

こちらでキャリアを積むにつれて、どんなにいい経験をさせてもらったか、それがどれほどいい土台になっているか、感謝の気持ちはますます大きくなる。

日本の研究者がどれだけ優秀で、勤勉で、努力家なのか、日本の大学教育がどれだけ恵まれているのか、わかっているつもりだ。

その上で言わせてもらう。

「ムーンショットプログラム」とはアメリカで癌撲滅を目指すために、2016年にオバマ大統領が任期の最後の方で立ち上げられた。

 

 

バイデン副大統領が立ち上げおよびその実行に尽力した。

 

 

息子を癌で亡くしているだけあって、ムーンショットプログラムにかけるバイデンさんの並々ならぬ執念と意欲は凄かった。

 

 

たまたまだが、2016年のニューオリンズでのAACRというばかでかい癌学会に自分も行っていて、その時にバイデンさんが実際に来て講演したのを見た。

馬鹿でかいスクリーンが10個以上もあり、まるでロックコンサートの会場のような馬鹿でかい会場の中で、千人を超える癌研究者の熱気を前に、バイデンさんはぶち上げたのだった。

 

 

我々は米ソ冷戦時代に、人類を月に送り込んだ。

ケネディ大統領の号令の下、莫大な予算をかけ、今後10年の間に月に到達するという壮大な夢を見、そして見事勝利を勝ち取った。

今の我々の敵は何か?

病気で多くの人が死ぬ。

癌で多くの人が死ぬ。

我々にはしかし、ここまで培った技術と経験とフロンティア精神がある。

これらを持ってして現在、癌治療の進むべき道が、今までより明確に見えている。

ここで指をくわえるて、まだ癌をのさばらせるのか?

我々になら癌に勝つことができる。

アメリカになら根絶ができる。

これは人類を月に送るのと同様、壮大な野望と挑戦だ。

 

 

ツールはそろいつつある。

ここで壮大な統一目標のもとに、癌に対して包括的で系統的に取り組むことに私たちのエネルギーを集中させよう。

はじめはいくつかの癌を集中的にやるが、最終的には全ての癌や他の病気にさえ応用出来るものができるはずだ。

今までの歴史は何を教えているか?

全力で統一目標に取り組めば、人間の精神は勝利を得ることができる。

我々は癌を根絶する。

是が非でも成し遂げる。

全ては我々全員の双肩にかかっている。

これがムーンショットプログラムだ!

 

 

会場皆総立ち。

大フィーバー。

こういう盛り上がりがアメリカのいいところなのだが、それはさておき、アメリカは病気が「治る」国だ。

科学の成果が生かされる国だ。

いかに癌研究をアメリカがリードしているか。

 

 

いかに日本が手をこまねいているか。

中村祐輔先生のブログでも覗いてみるといい。

http://yusukenakamura.hatenablog.com/

さて、私は特に癌の研究者ではないのだが、ただこちらのムーンショットプログラムのことをまず言いたかった。

その上で、冒頭のニュースを見て、おそらくその金額だとか、研究の選抜方法だとか、研究の評価方法だとか、いろいろいけてない点があるだろうことは予想できるが、その前に一点だけ言いたかったんだ。

何でムーンショットっていう名前にしたの?

月に人類を送ったことのない国が、ムーンショットって。。何で?

アメリカで以前立ち上がったからという以外の理由はあるの?

日本国としての矜持は無いの?

恥ずかしくは無いの?

一見したところ、なんか言葉もぺらっぺらだし目標もdiffuseしている。

以下の資料なんて、何もいってないのと同じ。

 

 

 

いったい何がしたいの?

誰が考えてるの?

国民の人はこのネーミングを怒らないの?

もっと独自のネーミングで勝負しないの?

科学技術行政を、博士号を持っておらず、熾烈な競争の中いい論文を書いたことが無い人が大部分の組織が取り仕切るのは無理だ。

なぜ日本はそういうことになっているのか?

そもそも科学者の方もそうだ。

先進国の中で日本だけ論文数が激減していることは周知の事実だ。

成果を出さなくてものうのうと大学にいる輩が日本には多すぎるんだ。

教授になったらくびにならないって。。

そんな組織が腐るのは火を見るより明らかだ。

こちらのように研究者は給料を研究費から出してみればよい。

研究費が切れると即座にポジションもなくなる厳しさを味わえばよい。

研究はつまるところ世界を相手にした競争だ。

時に熾烈だ。

研究成果がでなくてその結果次の研究費がとれなければ飯を食えないこちらの研究者と競争して、ぬくぬくと何をしなくても給料を貰える研究者が勝てるわけがない。

成果を出さない輩が多すぎて優秀な若手に金もポストも回ってこない。

成果を出さない輩が多すぎて成果をばんばんだせるやつに効率的にリソースが回ってこない。

煌びやかな成果をもつ若手に職がなく、何年も論文を書いたことが無い輩がのうのうとしている現状を見て、優秀な若手がこの先も参入してくると思うのか?

そういう現状をどうにもできず、ただ競争的資金の配分を増やしただけで研究費は減っていないといい、部署の任期が何年かごとの持ち回りのため名前だけ新しい内実は古びた配金システムをつくり、いったいその結果責任は誰がとるというのか?

今まで誰かとったことはあるのか?

この現状の成れの果てが、この二番煎じどころではない恥知らずの、矜持の全くない、他国に準じた「ムーンショット」というネーミングである。

研究成果とGDPは密接な関係がある。

GDPが上がったらその結果として研究費も多くなり研究成果も積みあがるということもあるが、最近では研究成果の増加がGDPの増加をもたらすということも言われはじめている。

研究成果があきらかに低下しているのは先進国で日本「だけ」だ。

日本の凋落は本当にダントツだ。

そしてこの凋落は国力に密接に関わるのだ。

このままだと日本は先進国と言えなくなる日が遠からず来るだろう。

なのに今までの失政の責任を誰も取らず、これからも取ることは無いだろう。

そんなことを端的に表しているのがこのネーミングだと思ったから、やや激高してしまった。。

株式市場は尊い。

業績で値が動くのだから。

皆の売買の意思で値が動くのだから。

成果で報酬が決まらない、結果責任の所在が無い組織は間違いなく腐る。

ムーンショットとか恥ずかしいものを立ち上げるより、まずはその腐ったシステムに大鉈を振るわない限り、日本の衰退は止まることは無い。

しかし大鉈がふるわれる可能性は皆無だ。

ガラパゴス化は進むばかりだ。

今一度問う。

「ムーンショット」は恥ずかしくないのか?

 

 

書いて分かった。俺は怒ってるんじゃない。悲しいんだ。

 

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