こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの1/7のMad Moneyはどうだったでしょうか。
金利が一点とって、でも株はゼロ点で終わった。今日の試合のスコアをつけるとしたらこんな感じや。金利がブルを恐怖に陥れたんや。長期金利が今日のようにじわじわ上昇するたびに、株がどんどん売られていくんや。この状況はまだまだひどい状況になるまで続くんか?今日はダウは-0.42%、SP500は-1.11%、そしてナスダックは-1.89%だったで。特にナスダックの動きはきつくて、多くの有名銘柄が打撃を受けたんやが、打撃はそれだけではなく、古参の投機筋銘柄もそうやし、新興の量子コンピューター関連株にまで及んだんや。ちなみに量子コンピューター銘柄とかはわいは以前から売った方がええと言ってきた。今からでも遅くはないで。ガラクタ株だと分かっているものは遅すぎることなんてないから処分せんとあかんのや。
なぜ金利上昇が、今日これほどまでにマーケットの良い部分を粉砕したんやろうか?そしてなぜ一部の銘柄は下落の引力を免れたんやろうか?今日は実際出遅れ株が主役となったよな。まず、債券価格が下落して利回りが上昇した原因やが、それはやっぱり経済指標からやったんや。ありがたいことに、わいらは常に多くの調査レポートを受け取っとる。そのうちの一つはサービス事業者を対象にした調査で、今日のISM非製造業景況指数が驚くほど強い結果が出たんや。この数字があまりに強くて、Fedが近い将来に利下げできる可能性は低いんやないか、と皆考えさせられたんや。
現時点で多くの投資家は、景気を回復させるためにFedが一連の利下げを行う必要があると信じとる。そういう強気派の多くは、Fedの利下げを当てにしとるんや。でも今日の数字も含めて、それはどうも間違っていそうやという感じになっとるんや。今日、彼らは自らの幻想が打ち砕かれただけでなくて、Fedの信頼性を疑いはじめとるんや。ブルの投資家は、「昨年4月の、利上げが進み、経済が加熱していた時期と同じくらい高い数値」を示す今日の調査結果を目の当たりにして衝撃を受けとるんや。
多くの投資家がもはや、長期金利は、あのホットな調査結果が出ていた頃と同じ水準まで戻ってしまうだろう、と推測しとる。実際に今日、債券価格が下落して利回りが上昇して、さらに財務省が10年債を大幅割引で売り出したことで、その上昇が一段と加速してしまったんや。これは良い兆候とは言えん。ても、大袈裟な悲観はやめてみようやないか。90年代には、現在よりはるかに高い金利で、6%台を上回っていたにもかかわらず、株式市場はほぼ一貫して大きく上昇しとったんやから。
今の状況がいつまでも続くとは限らんで。もしこれから金利が少し下がる局面があったら、そしてわいはそれは決して不可能ではないと思うんやが、そうなったら、今の押し目を買わなかったことを後悔するかもしれん。可能性を捨てたらあかん。ただ、覚えておかないといけないのは、金曜日に労働省から非農業部門雇用者数が発表されるということや。この雇用統計のレポートで失業率が上昇しはじめているとか、賃金が安定してきたと示されれば、長期金利は下がるやろう。この雇用統計こそが最重要のデータで、かつ最も信頼できる数字なんや。
雇用統計の数字によっては、投資家はまたFedに疑問を持ち始めるやろう。そもそもなんでここまで利下げを強行してきたのか。短期金利を9月に50ベーシスポイント、そして11月にさらに25ベーシスポイント、12月にさらに25ベーシスポイント引き下げる必要はあったのか?どのデータがそこまで積極的に利下げを行う根拠となったのか?そんなデータはなかったんやないんか?こういう疑問が噴出するのがまさに、信頼性の問題や。もし「自分たちはデータに依拠する」と主張していて、でも実際のデータが強いのであれば、なぜそこまで積極的に利下げをするのか?もしくはしたのか?
わい自身、この番組を見てくれている人はわかってくれると思うが、パウエル議長を一貫して大いに支持してきたんやが、今は正直困惑し始めとる。債券市場によって決まる長期金利は、実際には利下げ後に上昇したんやから。それが市場からの判定やったんや。Fedの思惑なんか、くそくらえだ。そういうマーケットのきつい判定やった。利下げにもかかわらず金利が上がるということは、「インフレが戻ってきている、ビジネスが強すぎる、もう利下げはやめろ」というマーケットのメッセージや。少なくとも債券トレーダーたちは、Fedがやることを逆手に取っとるんや。それが今の状況や。
ということで、Fedはここで利上げをすることはできないやろう。そんなことをすれば完全なバカに見えてしまう。景気指標や調査結果が強い内容で出て長期金利が上昇するたびに、「株価は先走りしすぎだ」という声が出てくる。それも株価を下げる要因になる。どっちにしろ、金利上昇だとSellSellSell!それがまさに今日起こったことなんや。ちょっとここで話を戻すと、ここから金利が、去年の株価がもっと低かった頃に成立していた水準まで上がると、2つのシナリオが考えられるんや。金利が上昇を取り消して下がるか、株価が上昇分を吐き出すか。シンプルにそのどちらかや。今日は後者、すなわち株価が下落したんや。それだけのことや。
シンプルに見えて、でもやっぱり今は予測不能な相場や。普通、金利が今日のように急上昇すればすべての株が下がるものなんやが、実際には、リーダーであり最も良好なパフォーマンスを見せていた銘柄、すなわちMag7銘柄とかは確かに大きな下落が見られたんやが、逆に薬品株、石油株、輸送株などの、これまで叩き売られていた銘柄の中には上がったものもあったんや。銀行株はかなり好調やった。時々、マーケットは医薬品株に対して的外れな動きをするから、今日医薬品株が上がった理由は大してないのかもしれんが、でもここまであまりに叩き売られてきたため、反発するタイミングに来ていたんやろう。わいは医薬品株とかに今この時点でバリューがあると考えてはいるが、でも高金利下で上昇するのは理屈に合わないとも思うんや。
ということで、いろいろ理屈にあわない動きもあるわけやから、わいが考えるに、この相場がここからどうなるかは、金曜日に発表される雇用統計がどうなるかにかかっていると言えるやろう。その後、San Franciscoで開催されるJP Morgan Healthcare Conferenceから良いニュースが出てくれば、わいはそれを皆さんにお伝えするで。わいは現地に行くからな。今日の輸送株の上げも、全く筋が通らん。ただの気まぐれかもしれん。石油株も悪くないんやけどな。ところで、利下げが全ての銘柄にいいかというとそういうわけでもなく、実際には、利下げのペースが遅い方が有利になる銘柄もあるんや。
さて、今日の主役は結局のところ、テック株の下落、特にMag7銘柄の下落やったな。みんな今日一日それについて聞かされてきたやろう。これらの株価が下落し始めると皆いっせいにこれらの銘柄をすぐに手放そうとする。でもちょっと言わせてほしいで。わいは最近改めてMag7を長期的目線で研究しとるんやが、彼らの成長はあまりに見事で、長期金利が上昇する局面でも実はうまくやっていけるはずなんや。なぜなら、その成長性ゆえに金利上昇を上回ることができるからや。
ということで、何でも諦めたらええということではないんや。じゃあこの下落を買い向かえるのかと言われれば、確かに好機ではある。今日大きく下がったテック株を片っ端から買うべきだと言いたいところやが、でも雇用統計の発表まであと2回の取引セッションしかないことを考えると、その危険に今この時点でわざわざ立ち向かいたくはないということになる。雇用統計を考えたら、リスクとリワードはひどいバランスと言わざるをえない。
後は、トランプの動きもどんどん視界にますます入ってくるやろう。例えば、トランプが「不法移民の国外追放をすぐに進めるべきだ」などと言い出せば、すでに何かしら国政を動かしているかのように見えるし、皆大幅な賃金インフレを招きかねない何かだと思って、マーケットは再び打撃を受けるかもしれん。そういう意味で特にテック株は危険だったりする。だからわいは今は、いったん距離を置きたいと思うんや。ただ、これらの話が長期的に本当に重要なのか、それとも単なる内輪の話なのか、そこが肝よな。その答えは「重要だ」というものや。
いまのシステムにはまだインフレが強く根付いとる。Fedは利下げしたばかりなので、どうすることもできん。Fedは苦しい状況にあり、わいらを助けられる手が限られとる。つまり、悪い方向に進むマクロ経済指標に振り回される状態になっとるということや。別の言い方をすれば、今はまさに運頼みの状況なんや。わいはそんな状況が好きじゃないし、投資家にとって好ましいとも思わん。でも必要以上に弱気になりたくもない。ただ、わいはずっと、この市場の多くの部分がかなり長い間、悪い領域に入ってきていると話してきたよな。根拠なしにどんどん上がっている株が多くなってきたとも、警鐘を鳴らしてきた。
そういう株、例えばここまで最高にホットだったPalantirなどは、今日はひどい下落にあったんや。そして、もし雇用統計で強い数字で出てきたなら、こういう銘柄は更に下落するやろう。雇用統計が無風でありますようにと祈る一方で、わいはやっぱり、持つ根拠が薄弱でゴミのような株はもう売ってしまえ、と言いたいで。明日の朝には処分してしまわないと、可能性としては、来週にはわいの解説を聞いている場合じゃないほど悲惨な状況になるかもしれん。わいは別に必要以上に大騒ぎしたくはないが、とにかく運頼みの領域に入って来とるんや。
大きな雇用統計や複数の企業決算を控えた今の状況は、強気派にとって有利とは言えないと思う。わいらは、Fedが利下げしたのは正しかったというシグナル、あるいは証拠を必要としている。そうでなければ、長期金利が上がって多くの銘柄が下がるといった、今日のような展開が続くやろう。わいらは金利の動向にあたふたする株価ではなく、ファンダメンタルズに基づいた株価を望んどる。でも過熱したマクロ経済指標と弱い企業決算が重なれば、市場は正常な状態には戻らないやろう。
結論やが、どうか忘れないでほしい。わいらが株を買ってそれを保有し続けるには、実際的な理由が必要なんや。いわゆる「デッドキャット・バウンス」や「比較的魅力的なバリュエーションだ」というだけではダメなんや。まず必要なのは、長期金利が下がること。そうならない限り、先は長くて、アウェイゲームが続くような状態になるやおう。いまは債券市場が、株式市場にとって敵地を作り出しているようなものや。株式市場にとってホームスタジアムでゲームができるような状態を見たい。金利が下がって株価が上がるのを見たい。それまでは、動きを縛られたFedと共に運頼みの状況を耐えていくしかないんや。
状況がきな臭くなってきましたね。
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