こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの8/14のMad Moneyはどうだったでしょうか。

今朝、CNBCの相場ニュースを聞いていたら、あるファンドマネージャーが相場の「あぶく」をやり玉に挙げとったんや。わが局の優秀なアンカーのFrank Hollandがその「あぶく(froth)」という見解をさらに追及すると、彼女は市場はあぶくだらけだと繰り返したんや。わいに言わせれば、もしそれがあぶくなら、むしろ歓迎やで。正直、たしかにこの相場には本当に“froth”が多い。今日はダウは-0.02%、SP500は+0.03%、そしてナスダックは-0.01%と株式市場全体では動きがないような日になったが、それでもわいらはあぶくを毎日のように目にしとる。

でも、あぶくがそんなに悪だとするならば、皆が承知しているこの“あぶく”が、なぜ今までわいらを打ちのめしてこなかったんや?その理由は簡単や。あぶく以外にも十分にポジティブな物語が存在するからや。多くの物語は理にかなっていて、その理でもって“あぶく”を圧倒し得るんや。たとえば、今日はAmazonがほぼ3%急伸したんや。なぜかわかるか?前日に、Amazonは食料品の当日配送をやるということを発表して、アナリストが一晩でその件について書き立てたからや。これは極めて破壊的な取り組みなんやが、昨日はほとんど無視されとった。

Amazonはそもそも、生鮮食品の当日配送サービスをアメリカ国内1,000都市以上で正式に展開中なんやが、これを今年末までに2,300都市以上へ拡大すると発表したんや。対象エリアが大幅に増加することで、都市部だけでなく農村や小都市でもオンラインで食料品を迅速に受け取れるようになるんや。しかも、配送がAmazon Primeで無料であることを考えると、こういうことは競合のInstacartにとって本当の脅威になり得るし、DoorDashやUberにとっても脅威かもしれん。

ここで重要なのは、この発表がAmazonに関する物語のトーンを変えたことや。ここ2週間ほど、Amazonについてのストーリーは、この会社のAWS事業がGoogle CloudやMicrosoft Azureといった主要競合に後れを取っているんやないか、というものやった。Nvidiaから十分な量のチップを買わず、自社のより遅いチップを使っているのがだめだ、とか手厳しい指摘が相次いどった。でも今週、わいらはAmazonが小売企業でもある、しかも、おそらくは世界最高の小売企業であることを思い出したで。これは理にかなっていることで、あぶくでも何でもない話や。

では別の話にいってみよう。GLP-1受容体作動薬の飲み薬タイプの失望を受けてEli Lillyの株がたたかれたのは前に言うたよな。あのあとでも、インサイダーが猛烈に株を買い始めたんや。CEOのDavid Ricksとか取締役の一人はそれぞれ100万ドル分を購入したし、Chief Scientific Officerも63万4千ドル分、Lilly Oncologyのプレジデントは64万7千ドル分を買ったんや。これは少額ではないで。いわゆる「見せかけの買い」でもないとわいは思うんや。だからわいにとっては、これは大きな出来事やで。このインサイダーの買いは、あなたもEli Lillyを買うべきやと示唆しとる。わいのCNBC Investing Clubのメンバーやったらもうわかってくれとるやろ。

あと、Charles Schwabは月次で純新規資産が17%増加したと発表したで。これは驚くべき伸びで、この会社の株価を完全に正当化するものや。今日は+2.3%の値動きやったが、完全に合理的な動きや。あと、今夜遅くにわかったところでは、Intelのバランスシートには支援が必要で、アメリカがこの会社に出資するかもしれないということや。特にオハイオ州の半導体工場建設計画を再加速する目的が主で、Intelは財務・事業再建に向けて政府から出資(例えば株式保有の形をとる)を受ける可能性が高まっていて、まだ出資条件・比率は未決定なんやが、これで今日Intelの株は7.4%も上がっとる。この上昇も合理的やし、この件は引き続き、半導体安全保障政策にとって重要な分岐点となる案件として注目せんとあかん。

こういう風に確固たるニュースに基づく合理的な株価上昇がある一方で、いつまでも聞かされるあの“あぶく”についてはどうやろうか。まず、この概念を説明させてほしいで。“あぶく(froth)”自体をどう説明するのか。故Potter Stewart判事がポルノについて言ったことに少し似てると思う。すなわち、「見ればわかる」ということや。基本的に、“frothy”な市場とは、多くの銘柄が泡立つようにどんどん上がり続ける市場のことや。せいぜい誇大宣伝どまりの上昇も多いんや。

たとえば、昨日はBullishという会社がIPOしたで。わいはまず、この社名自体が非合理だと感じるで。弱気相場が常に起こり得るのに、そしていつか必ず弱気相場は来るのに、会社に“Bullish(強気)”なんて名は付けたらあかんやろう。標的を背中に貼るようなものや。Bullishは、大口投資家向けのCoinbase、つまり機関投資家向けの暗号資産取引所を目指しとるとわいは理解しとる。本来、こういうことは大手銀行がやるべきなんや。JP Morganとかがやるべきなんやが、でも彼らは見送ってしまったんや。来るかもしれない将来の規制強化を過度に心配したんやが、それは結局来なかったということで、彼らには先見性がなかったということや。

Bullishは昨日、寄り付き直後から爆発的に上昇して、高値からは押し戻されたものの、きょうはさらに10%高や。問題は、開示資料によれば、この社がSolanaネットワーク上のステーブルコインを優先する計画だという点や。Solanaは使っている人が多くはない暗号資産や。なぜそんなことをするのかというと、Solanaを上げたいからや。この通貨を有名にしたいからや。なんやこれは。わいはこういうことが非合理な押し上げやと思うんや。というこおtでこの会社は“あぶく”の極みやで。

あるいはD-Wave Quantum。量子コンピューティングは、いつかほとんどあらゆるものを破壊的に変えうる巨大な手段になり得るとわいも思うんや。特定の用途でハイパフォーマンス計算を高速にこなす、これは合理的な未来や。長期的にこの技術に賭けるのなら、という前提では投資すればええかもしれんが、実際にそうしている人はどれだけいるやろうか。D-Waveが以前この番組に来たときは、経営陣はほぼ何でもやると言っていて、そのための資金の集め方も、値をつり上げる投機家に株を売ることが主だったんや。わいはそういうことを非合理やし、すなわち“frothy”やというで。

Okloはどうや?この会社は核廃棄物を燃料とする小型原子炉の建設を目指してとる。素晴らしいことや。わいらには原子力が必要や。でも建設には何年もかかるやろう。いや、「何年も何年も」かかるやろう。それなのに、この銘柄は年初来で247%も上がっとる。現政権が以前にも増して原子力推進的だからや。でも、原子炉を建設するのは本当に大変で、プロセスは途方もなく長く、コスト超過もしばしば果てしないんや。だからOkloがどうしてあぶくと違うと言えるのか、わいにはよくわからんで。

非合理な空飛ぶ車、過剰に“スーパーチャージ”された暗号資産ETF、魔法のような手法で助言する秘密主義の企業、どれもこれも非合理や。挙げればきりがないんや。では、その広範な非合理さは、完全に合理的な銘柄のポジションを減らす理由になるんやろうか?それはまったく違うんや。Amazonのような銘柄がたくさんあって、非合理なものも多いとはいえ圧倒的ではない、だからわいは今の相場はまだ大丈夫やと思っとるんや。懐疑派の多くは「新しい企業が証拠金で大量の暗号資産を買っている」世の中なんてろくなものではないというやろう。

でも例えば、Palantirのような企業もあぶく扱いをするとなると、話は変わってくるで。PLTRはほかのどの銘柄、すなわち量子関連や原子力、バイオテックのどれよりも、懐疑派の神経を逆なでする存在かもしれん。でもこれに関しては、わいに言わせれば、懐疑的な見方こそが何よりも非合理な見方や。Palantirは実際有能で、大口契約の取り方を熟知した救世主的なリーダーを擁する企業や。この株をどう評価するかは非常に難しいのは認めるで。EPSのような従来の指標で見れば、バリュエーションは常軌を逸して見える。でも広く用いられているソフトウェア株とかを評価する「ルール・オブ・40」を使えば、なぜこの銘柄が走るのを止められないのか、理解できるやろう。むしろ驚くほど割安なのかもしれん。わいはPalantirは合理的やと思うで。

さて、今伝えることができる最も重要なことを言いたい。1990年代にも、今のように全く健全な相場があったんや。金利は今よりずっと高かったんや。それでも約10年の大半にわたり上昇が続いたんや。ところが1998年の秋になると、今のCircle InternetやFigma、Bullishのような銘柄が多く現れて空高く跳ね上がり始めたんや。理由もなく上がり続け、年が進むにつれて事態はどんどん悪化していったんや。そして1999年には、市場の合理的側面が失われ、非合理だけが残ってしまった。この期間に何百社もが上場し、そのほとんどが2年後には消えたんや。市場に永続的な嫌悪感を抱くようになった投資家世代とともに霧のように消えてしまった。

2000年に入る頃には、ほとんど純然たるあぶくばかりになった。売上も事業計画もない企業の話ばかりになった。皆が同じことをやっている企業ばかりになった。検索エンジン、ダークファイバー、インターネット小売など、中身は何もなかったんや。もし同種の銘柄が“10個分”も現れて、D-Waveのようなものばかりになって、BullishのようなIPOがさらに十数件も出てくるようなら、今だって本当に危険な状態になっていくやろう。これがドットコム期末期の様相やったが、でも今の市場はそうではないんや。確かに“あぶく”はありますが、偉大な企業の株には全く正当な値動きもあるんや。実のところ、良い銘柄の上昇を得るには、悪い銘柄の上昇も避けられなかったりするんや。

結論やが、今は1999年末のような状況ではないで。ドットコム・バブルが正式に崩壊した2000年3月のようでもないんや。だから、量子コンピューティングやジェット機や空飛ぶ車の話が巷にあふれているからといって、株式市場から降りないでほしいんや。ひと言で言えば、今の株式市場は依然として「合理的(rational)」やとわいは思っとるんや。
好調さが続きますように。
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