アメリカ発ーマカベェの米株取引

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【ジム・クレイマー】株を一銘柄でも買う前にまずやるべき一つのこと!【Mad Money】

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こんにちはマカベェです。

ジム・クレイマーの2/26のMad Moneyはどうだったでしょうか。

 

わいはミステリーが嫌いや。その存在が嫌いや。ミステリーがあったらそれを解きたいんや。あなたが一つでも株を買う前にまずやるべきこと、それはあなたの世界観を確定することや。それだけ言うてもわからんよな。ちょっと昔話をさせてもらおうか。

 

この世界観が大事というコンセプトを学んだのは、わいが勤めていたGoldman SachsをやめてマンハッタンのMichael Steinhardtのオフィスに移ったすぐのことやった。1987年のことや。この年、株式市場はクラッシュして、それは後にBlack Mondayと呼ばれた。

 

Michael Steinhardtは怒りっぽく癇癪持ちだったが、お金を運用することに関してはある種の天才やった。彼はどういうわけかわいに運用するお金を任せてくれた。彼は多額の資金を運用するのことに関してはパイオニアで、何十億ドルものお金を運用する初めての人の一人やったから、そんな彼の元で自分もお金を運用できることは素晴らしく名誉なことやった。

 

なんで彼がわいにそんなチャンスを与えてくれたのかはわからない。わいがまだケツの青い男やったから教えがいがあると思ったのかもしれん。わいが少なくとのオフィスの人には礼儀正しく親切に接しとったことも良かったのかもしれん。そしてそうこうするうちに彼は週一でわいの運用成績をレビューして意見をくれることになったんや。ちなみにわいがGoldman Sachsで裕福な人のお金を預かって運用しとった時、わいは自分の運用はいけとると思っとったし、自分がやっとることをきちんとわかっとるつもりやった。わいは裕福な顧客のために多くのお金を儲けたし、自分も、自分自身のヘッジファンドを始められるぐらいは身銭もためて実力をつけたと思ったんや。やけどその前にパイオニアに学ぼうと思ってMichaelのところに来たわけや。

 

彼はわいの仕事をレビューするのに木曜日の夜を指定した。少なくとも彼のアシスタントはわいにそう言って、わいはだから木曜の夜に彼のオフィスを訪ねた。そしたらはじめの二週間は約束をすっぽかされて彼に会うことができなかった。わいはおいおい、まじかと思ったんや。彼にとってわいの存在なんか眼中にないのか、と思ったもんや。そして是が非でも、彼に、わいが無駄飯を食っているわけではなく、彼のお金を増やすことに貢献していると認めてもらいたいと、ますます思うようになったんや。わいはGoldmanの時も素晴らしい運用ができた。わいはホットハンドを持っとるんや、と。

 

幸運にも三回目に彼のオフィスを訪ねた時は、彼はわいを部屋の中にいれてくれた。そして、「私が寛大にもあなたに預けたお金がどうなっているのか聞かせてもらおうか」とわいに聞いてきたんや。わいは意気込んで、「Toll Brothers(TOL)を買いました。まだ小さなフィラデルフィアのホームビルダーですが、この会社はいずれ州規模に成長して、後にアメリカ規模に成長する、これからの時代に最も素晴らしい投資の一つになるでしょう。」

 

そしたらMichaelはいうたんや。この会社に関して資料はあるのか?と。だからわいは資料を渡した。彼はベージを一つ一つゆっくりとめくっていく。その様子をわいは固唾をのんで見守ってたんや。そしてわいの方にふっと顔を向けて、ちょっと微笑んだかと思うと、いきなりその資料をものすごい勢いでわいの顔に投げつけたんや。ダイレクト・ヒットやった。資料はわいの顔にハードにあたった。そして彼はわいに、今すぐこの部屋から出ていくように怒鳴ったんや。そして、「お前はおまえ自身がしていることがわかっていない。そんな奴はマネーマネジャーの資格がない、Goldmanで何を学んだのか、Goldmanも地に落ちたものだ」と言い放ったんや。

 

わいは逃げるようにオフィスを去らざるを得なかった。そして、ここは幸運やったんやが、そんなわいを見た、トレーダーデスクにいたKaren Backfischがわいを抱きしめてくれたんや。わいはKarenとはそれまで何度かホールであったことがあったんやが、その時のわいを見てただ事じゃないと思ったんやろう。まだ髪があったわいの頭に手をおいて、そして、「落ち着いて、そこに座って、何があったか言って」とわいに言うてくれたんや。

 

あの時の彼女はわいにとってヒーローやった。やけどわいがこんなことをつらつらと言うとるのは、別にその後でわいらの仲が深まって最終的には結婚に至るということを言いたいためではないで。だって結局結婚の20年後、わいらは離婚してしまうんやから。ただ、その後彼女にわいの状況を話しながらだんだんと彼が怒った理由がわいにも理解できるようになってきたのは、いかにあの時のわいがダメだったかということなんや。世界有数の運用のプロフェッショナルに、自分の世界観を語ることもなく、今の状況や背後に流れているもの、今後の展望で世界全体としてどうなっていくのかを語ることもなく、ただ馬鹿みたいに個別銘柄を差し出しただけやったということや。

 

Karenはわいに言うたんや。どの一つの株を買うのにも、その前に世界観が必要や、と。この先に何がおこってどういう世の中になると考えているのか、それがなければ株を買ってはいけない。その世界観こそがあなたの判断全てに影響を与えるべきものだから。世界観がなければあなたはただ道楽でお金を無駄にしているのと一緒だ。そんなんだったら競馬で自分の気に入った名前の馬にでも賭けている方がよっぽどましだ。こんなことを言ってくれるなんて、なんという素晴らしい女性や。彼女とは離婚の難しい時期を乗り越えて今は関係は良好や。そしてわいは更にLisaという素晴らしい女性に巡り合う幸運にも恵まれた。わいはLisaと、それぞれ二人ずつの子供をつれて子供四人の家族になったんや。今のわいの、語りたい世界観の物語とは関係ないが人生は素晴らしい。

 

話を元に戻そう。わいは世界観という言葉をハーバードの学部時代に共産主義についての授業で聞いたっきりやった。やけど確かに資本主義社会で、ヘッジファンドマネジャーにとってはこれがすべてと言っていいぐらい大切なことやった。わいは今までのわいのキャリアを通した経験からも今はそう断言できる。Toll Brothersだろうが何だろうが、世界観無しに、この先の状況の大局観なしに株を買ってはいけない。何がこれからおこるのか、それをまず考えて、そして買いたい銘柄をそこに当てはめるんや。順序はこういうことなんや。逆やとあかんのや。

 

短期では世界観無しでもうまくいくこともあるやろう。たまたまのこともいっぱいあるやろう。そしてどんなにすばらしい大局観を持っていても、それが役に立たなくなる突発的なこともおこるやろう。例えば最近やったら、COVIDとか戦争や。この先台湾をめぐってどうなるのか?誰にもわからんことはいっぱいある。やけどもしあなたがしっかりした世界観を持っとって、それに即した株を持っとって、その株が下がって、でもあなたの大局観が変わらんかったら、そしたらその株を買い増せばええんや。

 

物事とはそれほどシンプルなものなんや。そして世界観が大事ということが、なぜわいが毎日毎日番組でこんなに長くしゃべっとるかの理由でもある。この銘柄がええで、だけで何かわかるか?投資がうまくなるか?あなたが何をするのかをコントロールできるのはあなただけや。そして世界観がなければ何も意味がない。まぐれ当たりは続かんから、むしろ一回だけまぐれで勝つことはその先の展望を狂わせる悪とも言える。Toll Brothersは結局あの時のわいが怒鳴られた時、$3だったんやが、今は$58や。わいは正しかった。やけどそれは結果論や。わいは世界観を持ってなかったら、その途中でToll Brothersをひどい時にあきらめて、大損しとったのかもしれんのや。

 

さて、それでは今のわいの世界観は何か?これは短時間で一言でとらえるのは難しいこともあるで。だからわいは毎日毎日番組でしゃべっとるわけや。そしてわいの世界観、大局観はあなたのものとは違うかもしれん。それでもええんや。だからわいは毎日毎日しゃべることで、わいの世界観はこうやということだけではなく、なぜそこに至っているのかということもわかるように説明しとるつもりや。そしてわいのファンドで運用しとる銘柄はどの辺を考えて運用しとるかというと、だいたい6-9か月先なんや。

 

わいは占い師が未来を見るために使う水晶玉を持っとるわけではない。そしてわいの大局観は変わり得る。それが変わったのにそれに基づいて買った株を、理由が無くなったのに持ち続けるということもせん。投資は感情のビジネスでもある。例えば今年素晴らしいスタートをきって、でも株価が下落してきたら暗い気分になるよな。2022年のみじめさが今年も繰り返されるのか、と思う。やけどそれはわいの今の世界観ではない。

 

わいはヘッジファンドを運用しとった時は他のマネーマネジャーといっぱい会って情報交換をしたもんや。やけど今はそんなことはせん。アナリストすらめったにはしゃべらん。彼らに影響されるのが嫌やからや。影響されるぐらいやったらはじめから情報が無い方がずっとええ。その代わりにわいが重視しとるのは実際に会社を経営しとるCEOの話を聞くことや。

 

わいがそういう情報収集をして今の状況をどうとらえとるか?結局今はFedのパウエル議長がカギを握っとるということや。彼は金融引き締めをやりすぎたり、やらなすぎたりと、そういう過去の議論はいっぱいあるんやが、そんなことはおいといて、皆わいがパウエルを好きなのはしっとるやろ。評価しとるのは知っとるやろ。彼がとにかくやりたいのはインフレを止めることや。インフレが続くことで誰が苦しむんや?結局のところ低所得者層が一番苦しむんや。彼はそれを絶対に阻止したいんや。彼が一番心配しとるのは低所得者層や。まずこの点がわいの今の世界観の根底にある。パウエルは基本的には正しいことをやるということや。彼がインフレを、そして低所得者層を気にしないモンスターだったら、わいの今の立ち位置は全然変わってくるはずや。

 

もうちょっと深堀すると、マネーマネジャーはここのところいつもイールドカーブの逆転を話題にして、短期金利の方が長期金利より高いことをとらえて、シビアなリセッションが来るという。やけど本当にそうか?Fedは食品インフレ、賃金インフレ、ハウジングインフレがおさまるまでは金融引き締めをやめはしない。わいがこの前Jamie Dimonとしゃべった時は彼は6%まではいくと彼は言うたけどな。ここで考慮すべき点がある。コモディティーインフレや。

 

パウエルは金融引き締めをやることでコモディティーインフレをやっつけた。普通ならこれでインフレの過熱はおさまる方向に動くはずや。銅とか天然ガスとか、めちゃめちゃ下がったやろ?しかし食品インフレ、賃金インフレ、ハウジングインフレはしつこい。ここに今の世界観をどう持つべきかを考える上での難しい点がある。これら三つのインフレをやっつけるには人々がもっと困窮せんとあかん。失業率は5%に達しないといけない。6%まで金利がいけばそうなるかもしれんが、わいは実はそこにいくまでにインフレが落ち着く可能性も考えとる。今はいろいろな状況がある。レストランオーナーは求人が埋まらないなんてことはなくなったというとる。ただDomino Pizzaはまだドライバーが見つからんという。

 

まちまちの状況もある中で、全部ひっくるめて考えると、わいはでも今後9か月のうちにFedの金利引き締めは緩むと考えとる。これがわいの大局観の根底にある。わいのファンドのキャッシュポジションは今8%や。わいがこうやって考えてなくて、パウエルの仕事が効果的じゃないと考えとったら、今のキャッシュポジションは18%が妥当やろう。やけどわいは大丈夫やと思っとる。そうなったら今そんなに株を手放すことはできない。しかも、不景気にも強いヘルスケア株とかにそこまで偏重になることもできない。わいはシビアなリセッションを見てない。バランスのとれたポートフォリオにならざるをえない。

 

今言うたことはわいの大局観を形成する上でのほんの一部や。Fedがインフレ戦争に勝利するやろうという考えがわいの根底にある。賃金だって一年以内にフラットに、そして下がり始めるんやないかと今は思っとる。6%までの利上げがそうさせるか?それはそうかもしれないし、それより早い段階でインフレの落ち着きが見られるかもしれない。そしてここで一つ重要なことを言うが、情報をくまなく集めて自分で精査した後は常にある程度の直感も必要になる。感情的要素も少しは入らざるをえない。そのうえで、今の金融引き締めサイクルが終わりに向かうのか、もしそうならそれがどの程度なのかということが、あなた達一人一人の世界観を形成するキーに今はなるということは疑いようがない。金融引き締めサイクルが終わりに向かうんやったら、買うべき資産クラスは株や。そしてそこからどの株かということがスタートする。ここまで話が長くてすまんな。やけど要するに、わいが言いたかったのは、Michaelがわいの顔に資料を投げつけてくれたことで、わいは人生でここまでやられずに済んだということなんや。大局観をもつんや。あなたたち、それぞれが考えるんや。投資はそこからなんや。

 

 

一人一人が考えることが大事ですね。

 

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