こんにちはマカベェです。
ジム・クレイマーの4/29のMad Moneyはどうだったでしょうか。
今日はダウは+0.38%、SP500は+0.32%、そしてナスダックは+0.35%と、今週は上昇からはじまったんやが、この日目立ったのはAppleとTeslaの二つの株や。その他の株は、これら2株に比べたらほぼ脇役やった。これら2つの株の上昇はそれぞれ異なるストーリーを持っていて、この今のダイナミックなマーケットで株価が上昇する理由について非常に興味深い例を示してくれとる。わいは今週がこの決算シーズンで最重要決算が最も多い週であり、Fedのmeetingがあり、金曜日には雇用統計を控えている中で、こんなに穏やかな始まりになるとは思っていなかったが、それも一重にこれら二つの株が上がったからや。
TeslaもAppleも今年に入ってから非常に弱い株価の動きを示してきて、じゃあ今日、なんでAppleの株は2.5%も上昇して、Teslaは15%もの上昇を見せたんやろうか?Teslaに関してからいこやないか。わいはこのTeslaの株はこれからも下がり続けると言い続けてきた。ただ、そう言う時は常に但し書きをつけとったで。すなわち、「イーロン・マスクが奇跡を起こさない限り」はTesla株は下がり続ける、と。でも彼はたびたび奇跡をおこして、瀕死の株をこれまで上昇基調に戻してきた。
今回は何があったのか?イーロンマスクがサプライズで中国を訪れて、李首相と会談して、今後Teslaがもっともっと自動運転車のビジネスを中国でやりやすくしたということなんや。今までTesla車は、政府機関や一部地域などへの乗り入れ禁止措置がとられとったんや。中国政府は、車載カメラで録画された施設などの動画とか走行履歴、所有者の情報などが国外に流出することを懸念しとったからな。ただTeslaは2021年に上海にデータセンターを設置して、走行データなどを中国国内で処理する対応を取るなど、努力を続けてきて、それが評価されたとみられとるんや。
中国の公道データの収集ではBiduと提携するということで、Teslaの運転支援機能、すなわちフルセルフドライビング(FSD)を中国で導入するための規制上の最後のハードルを克服したということなんや。こんなことを力技でまとめてしまうCEOは凄いと思わんか?CEOが自分のビジネスを再定義する完璧な例や。アメリカのCEOが、中国のように我々のアメリカ政府が特に好んでいない国に飛んで行って、トップと交渉して巨額の契約を結んでくる。なんという力技、なんという鮮やかさや。
アメリカのビジネスの歴史においてこれと同等のことが起きたのは、ソ連時代にアーマンド・ハマーがレーニンと交渉して、資本家として選ばれた時くらいやろう。アーマンド・ハマーは1957年から晩年まで石油会社オクシデンタルを経営していた大富豪やが、ソ連の指導者であるウラジーミル・レーニンの信頼を得て、アメリカやカナダとソ連との貿易を一手に担っとった実業家や。ソ連へのフォード車の輸出とか、トラクター組み立て工場の建設、穀物類のアメリカ向け輸出を一手に引き受けとったんや。
もちろんわいは習近平をレーニンと同じカテゴリーには入れないが、でもそれほど今のイーロンマスクがやっていることは鮮やかなことや。アメリカにとって敵対的な国に飛んで行き、非常に利益のある契約を結んで戻ってくる。そんなことできるCEOはそうはいない。Teslaの完全自動運転の競争は激しいままやが、正直なところ、Elon Musk以外の他の誰もこれを成し遂げられないやろう。だからこそ株主たちはマスクを愛し、株を上昇させとるんや。先週Tesla株をダウングレードしたアナリストをあざ笑っとるかのようや。
ここからの関心ごとは、このTeslaの上昇の動きに持続力があるかどうか。たくさんの人がこの株をショートして、どんどん下落する方向に賭けとったわけで、だが彼らは失敗した。まだまだショート勢が壊滅するまで株は走り続けるかもしれん。
さて、もう一つの株、Appleの話に移ろうやないか。今日+2.5%やったんやが、こっちに関しては一転、わいは今日のラリーはあまり気に入らないで。なんでこの日Apple株が上がったかというと、テレビでよく見かける有名アナリストであるバーンスタインのトニー・サコナギが、「恐怖の中でApple株を買え」と題したレポートでApple株を買いにアップグレードしたからや。彼はAppleはiPhone15の軟調な販売サイクルと中国事業における構造的な悪化を巡る懸念による影響を受けていると指摘しとるが、でも中国での低調は構造的というよりはシクリカル的、循環的であり、中国事業はアップルの事業全体を見ても高い変動性を示していると主張しとるや。
ここまでついに予想の数字が十分下まで下がってきたということで、彼はここからの買いは機能するはずだと考えとる。Appleが季節的に強い取引期間に入ると指摘していて、Generative AIのアップデートによる携帯電話の買い替えが見込まれて、iPhone16の力強い販売サイクルに向けて順調な準備を整えた、と指摘しとるんや。彼は投資家に、土曜日に行われる予定のバフェットの毎年恒例の会議に参加するように促しとる。トニーの言葉を借りれば、「長期の買い持ち投資家としての評判にもかかわらず、ウォーレン・バフェットはAppleの株価が比較的安いときに追加し、高いときに削減するという非常に規律ある行動をとっている」ということや。そしてあなたにもバフェットのようにふるまうべきと言うとるんや。
今回の決算はおそらく業績が良くなく、ガイダンスも弱いやろう。でもトニーは、Appleが4〜5%の売上成長を維持し、それが8〜10%の利益成長に転換できると信じとる。この番組を見ている皆さんならわかるやろうが、わいはApple株に関してはOwn it, don't trade itと、もうかれこれずっと言うとる。下手したら20年以上この見方を変えていない。ただ、トニーはわいとは違うで。Appleに懐疑的や。2018年2月に彼は、iPhoneの販売低迷によりAppleの成長が劇的に鈍化すると思って、株をダウングレードした。さらに彼は目標株価を195ドルから170ドルに引き下げたんや。今のAppleの株価が173ドルだと考えれば、その目標株価は当たらずとも遠からずやと思うかもしれん。
だけど、あの時以来、株は4対1の株式分割されたんやで。この分割を調整すると、トニーはAppleを40ドル3セントでダウングレードしたことになるが、振り返ってみるとそれはどうみてもバフェット的な判断ではなかったんや。どのアナリストでも、このようなことを持ち出せばきりが無くて、この業界で常に正しい人などもちろんおらんわけやが、わいは非常に賢いこのトニーという男をいたずらにけなそうとしているわけではないんや。わいは指摘したい彼の大きな問題は、彼がAppleの最盛期が過ぎたと言っていることで、そういう人のグループのリーダー的存在やということや。彼はAppleの決算のカンファレンスコールではいつも最も批判的な質問や否定的な質問をするんや。
トニーは素晴らしいアナリストであり、彼の収益に関する仕事は非常に優れている。彼は他の誰とも違う数字の分析を行い、その部門では最高という面もあるかもしれん。もし他の株に関することであれば、わいは彼の意見をかなり真剣に受け取ることもあるやろう。やけどことApple株についてとなると、わいは彼の判断は最適ではないことは知っとる。わいは「方向性」を非常に大事にしとって、トニーはその方向性をApple株に関してはこれまで何度も外してきたんや。
彼のようにAppleを44ドルでダウングレードしたら、40ドルから175ドルへの動きをとれなくなってしまう。わいははっきり言って、彼の予想の数字も、iPhoneの予想やサービス収益の予測も気にしていない。ただ、彼がこの銘柄に飛びついたのを見て、少し疑念を抱いてしもうた。6年間も価格を外してきた人が今この銘柄に飛びついているのは、何かのジンクスではないかと心配しとる。トニーは今買えというし、そのトニーの姿勢には基本的に賛成するところもあるが、わいはApple株は持ち続ける株やと思っとる。
おそらく次の決算は弱いやろう。その次の決算も弱いかもしれん。だから、今Apple株を持っていない人はトニーの言うことを聞いて今飛びつくのではなく、今は待つべきや。今回の決算がどうなるのか、木曜日を待つべきや。トニーにも注意深くそう言ってほしかった。
結論やが、Teslaはイーロン・マスクの素晴らしいリーダーシップによってもたらされた真の転換点のニュースで上昇した。しかしAppleは、これまで特定の株に対して理解が十分でなかったアナリストのアップグレードによって上昇した。ここまで下落してきた株が双方同じように目立った上昇を見せたが、その内実にはかなりの状況の差がある。Appleに関しては特に持続力を持つようなインスピレーションのない上昇かもしれん。この二つの株の動きから、いかに軽い動きに乗らないことが大事なのか、そしてホームワークを欠かさずに株価の背後の動きをとらえることが大事なのか、少しでも伝わったらええなと思っとるで。
ケースバイケースだから難しいですよね。
応援よろしくお願いします。