【ジム・クレイマー】このマーケットがひどくて悲惨なのは間違いがないが、これを越えてこそ儲けが見える！【Mad Money】

こんなに下落する相場の只中におっていい気分のわけがないで。テクノロジー株だけでなく、KOとかPEPのような株だってどんどん下落してしまう。今日だって、大きく下がった昨日からのリバウンドなんてものはなく、ダウは-0.75%、SP500は-0.58%、そしてナスダックが一番下落幅が小さくて-0.26%やったんや。このナスダックの下げ幅が”たった”これぐらいだったと言いたくなるぐらいの最近の下落相場や。

ちょっと今のこの状況にフィットするわいの話をさせてほしいと思うで。昨夜わいは家に帰ったら、わいは惨めに疲れ果てとったんや。まるでわいの父が、包装業のスモールビジネスをやっとったんやが、一日の売り上げが何も無かった時に疲れ果てて帰ってくるような感じでな。Lisaはそんなわいに暖かいコーヒーを持ってきてくれたんやが、わいが帰る前から既に、わいが疲れ果てて帰ってくるやろうことを予想しとったんや。

何が悪かったの？とLisaはわいに言うたんや。わいはCiscoがわいを吹き飛ばしてしまった、と返したんや。そしてわいはどれほどCEOのChuck Robbinsに今回の決算でええ数字を出して欲しかったかということを妻にとうとうと語ったんや。Lisaは、もしかしたらだけどあなたはここから経済がリセッションに陥ることを受け入れないといけないんじゃないかしら、と言うたんや。株式市場全体が悲惨で、例えChuckでも状況を丸々ひっくり返すことはできないわよ、なんだったら今の持ち株、全部売っちゃったらいいじゃないの、と。

わいはLisaに、いや、でも昨日大きく下がったし普通はリバウンドが来るかもしれないから今テクノロジー株とかを売るのはいい考えじゃないんやないかと言うたんや。昨日のように下がったのは2020年の6/11以来のことや。SP500は5.89%も下がったんや。そこで買っとったら、例えばMicrosoft株とかは一週間で4%以上も上がったんや。Amazonも5%上がったし、Appleも4%上がったんや。まあでも今回のCiscoの決算に関してはChuckに全責任を押し付けるのはかわいそうな部分もあるで。中国のロックダウンとロシアとウクライナの戦争が大きな影響を与えたからな。

Lisaはわいに、あなたはぐだぐだ言っているけど、このMad Moneyでどうするかということに関して二つの選択肢があるのよ、と言うたんや。一つ目はCiscoの決算がいかに悪かったのかを細部まで分析してそれを視聴者に伝え、なぜこのような悪い数字だったのかを啓蒙するということ。二つ目はただ、そんなことしてなんになる、という態度で、もうぐだぐだ言わずにアグレッシブに売り払えということ。Lisaは昨日Targetがひどく株価を下げたことも考慮にいれて、TargetもCiscoも、こんなに業種が違う巨人がばたばた倒れたらマーケット全体が上向くはずがないと言うたんや。

そして彼女はわいに決定的な一言を言ったんや。あなたはBullishすぎる、と。あなたは望みがないぐらい楽観的過ぎる、と。そしてそれはそうかもしれん。それはわいの問題なのかもしれん。明らかな大問題が次々と存在感を出しとるこの状況で、インフレの過熱、ウクライナ、中国、ガソリン価格もどんどん上がっとる、そういう状況で、もしかしたらわいの問題は、そんな状況でもワークするところを見つけてしまうということなのかもしれん。実はわいは全然タオルを投げてないんや。

勘違いせんとってくれよ。わいは多くのネガティブがおこっとることをきちんと認識しとるで。Bearが言っとることがクリアなのもわかるで。わいのファンドで持っとる株も下落していっとるんや。わいは実際に多くの銘柄を持っとって、それが下落していっとるんや。やけどそれぞれのBearケースは本当なんか？いくつかのキーとなる株を見ていこうやないか。

まずはAppleや。Cicsoがこんなに悪いということは、Appleも危ないんやないかと皆思うやろう。中国のロックダウンの影響はCiscoだけであるはずがないで。上海がロックダウンしとることでどれほどApple製品の製造が打撃をうけとるか。先月の終わりにAppleは、サプライチェーンの制約が今四半期の売上高に与える悪影響が40-80億ドル程度になるとの見通しを発表したやろ。Apple株をここで売れというのは容易いで。

じゃあNvidiaはどうや？世界一のグラフィックカードを作っとる会社や。ゲーミングとデータセンターの両輪でめちゃめちゃ大きな存在や。やけどビデオゲーム部門はCOVIDの時は盛り上がったが、今ゲーム会社はその反動で苦しんどる。なんでこんな時にNvidiaを持たんとあかんのか。Ciscoぐらい決算後に下がるかもしれんで。しかもCiscoと違って、Nvidiaは配当によるプロテクションがないから、Cisco以上に下がっても不思議やないで。この株に関しても、これは売りやというのは簡単なことや。逆に売れと言わん方がクレイジーに思えてくるほどや。

じゃあCostcoはどうや？WalmartとTargetの決算後の下落を見たやろ？これらのリテールがダメなのに、Costcoだけ大丈夫とかあるか？Costcoの会員制であるという特徴がCostcoだけは例外だという風につながるか？しかも今日の引け後、たった今、ROSSが決算後に23%も下落しとる。こういう状況でCostcoだけ持つのは逆に難しいやろ？この株はトキシックやと思う方が簡単やろ。

AMDはどうや？Bearはこの株にも簡単や。CEOのLisa Suが素晴らしくて、決算の数字も素晴らしかったのにも関わらず、Ciscoのような問題があるというんか？AMDはハイパフォーマンスコンピューティングにフォーカスしとるが、ゲーミングもPCもどんどん落ち込んで来とる。そもそもいい決算の数字でも関係なく株価が落ちる銘柄を持つ意味なんて何もないやろ？なんでこんな株持たんとあかんのやと思っても不思議でも何でもないで。

最後やが、Alphabetはどうや？この前の決算はあかんかった。ヨーロッパでのYouTube広告の数字とかが全然あかんかったんや。こんなことになったらしばらくこの株は売り払って様子を見た方がいいと思うのは簡単やろ？さて、わいが望みを持たない男やったら、これらの五つの株を、こういう風に言って売り払っとったやろう。全部理に適っとるように見えるで。固い意見のように見えるで。ただそれには二つの問題があるんや。

一つ目は、これら五つの銘柄はわいのファンドでコア銘柄なんや。短期でどんな心配ごとがあろうとも、長期でめちゃめちゃ信頼しとる、長年持ち続けとる銘柄なんや。長年持ち続けとる中で、今までも短期で大きくやられる時期というのは多くあって、今回はそういう時期よりも悪いということはないんや。いつも粘ってそういう時期をやり過ごして今の大きな儲けがあるんや。

二つ目は、ソフトウェアビジネスだけじゃなくてソフトドリンクビジネスも、すなわち広範な分野の銘柄が大きく下落する惨めな相場において、わいはだいぶ前にそれぞれの持ち株のポジションをちょっと削っとったんや。なぜならわいはここのところのマーケットを実際好きじゃないからや。まあここまで下がって来たから、もっと削っとけばよかったと思わんわけでもないが、やけど今はわいは割安やと思うから、昨日も今日も株を買い増したりしとるんやで。バウンスしたらまたポジションを削るかもしれんな。2020年の6月にワークしたみたいにな。

結局でもわいは、例えばこれら五個の銘柄がどれだけ他人からくさされようとも、煙がはれたらまたこれらの会社は快進撃をするやろうという、わいのこれらの会社に対する信念は変わらんのや。株価は今よりも結局のところ上にいくやろう。Appleだって今度の決算は恐ろしいものになるかもしれんが、やけどわいのファンドはずっとAppleを持っとって、その間にはひどい決算もたびたびあったがそれを越えてきたんや。Nvidiaだってビットコインのマイニングの勢いが落ちとるとかもあるやろうから厳しいかもしれんが、ずっと持ってきたんや。Alphabetに至っては、わいは$88から持っとるんや。長年持っとる中で決算で失望したことは数多くあったが、やけど今$2200を超えとる。AMDだってCostcoだって、そもそもわいがぐらつくようならもうとっくに振り落されとるはずや。

大事なのは、わいのファンドは別に借金してまで、レバレッジをかけてまで株を買ってないということや。現物株を保有しとるんや。株価は冴えない時でも、素晴らしいビジネスを素晴らしい経営陣がやっとることには変わりがないで。わいはこれらの株にはチャンスを与え続けるで。それがわいがここまでこの株を持ってて、歴史的に正しいことやとわいは既に知っとるからや。そうや、このマーケットがひどくて悲惨なのは間違いがないで。昨日のような日はとにかくわいは家に帰りたかった。ドアを閉じて家の中に閉じこもりたかった。やけどそれはあなたが大儲けをする行動やないんや。

結論やが、長期間で考えると、お金を儲けるベストな方法は、株式市場を、そして個々の会社を信じないことではなく、むしろ信じることや。お金を借りてまで投資することではなく、現物株を保有し続けることや。嫌になって家に閉じこもることではなく、痛みを受け入れながらも株式市場に居続けることや。そのことを簡単にするためにわいは毎晩ここでしゃべっとるんや。雨の日も風の日もな。